速射性
速射性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:40 UTC 版)
和弓の場合、通し矢で一昼夜(1日)射続けた和佐大八郎の記録(13053本中、通し矢8133本)から「1分間に9本射た」という計算結果が出されている。ただし、和佐の場合、1万3千本の矢を射た総合平均から導き出された計算結果であり(日本の場合、秒単位の概念がないため、こうした速射競技の記録がない)、後半は体力的問題が加わっている(和佐の「逸話」を参照)。そのため、万全な状態で速射をした場合、その平均以上の記録は出たと考えられ、従って、速射を意識した場合、和弓でも1分間に10本以上の矢は放てたと考えられる。至るところ、イギリスのロングボウも和弓も「6秒に1本以上射た」という計算結果から、東西の長弓の速射性に大差はなかったとみられる。 また、短弓に対し、速射性が低いからといって(短弓「性能面」を参照)、これが長弓の欠点になるかといえば、そうではなく、『保元物語』にもあるように、一矢で2人を射抜く技量があれば、戦術上の脅威となった。『保元物語』の記述では、強弓のあまりの威力に、尋常の技ではない(凡夫の業にあらず)と多くの武士が恐れた語りがあり、たった一矢でも優位性を示す事が可能だった。従って、長弓において、射た矢数が倒した人数に直結するものではない。
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