ソロ・シップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 04:45 UTC 版)
「伝説巨神イデオンの登場兵器」の記事における「ソロ・シップ」の解説
地球の植民星であるソロ星の地中に埋まっていた巨大な宇宙船。地球人が6番目に接触した知的生命体「第6文明人」が建造したとされる。劇中、異星人バッフ・クランの攻撃を受けて壊滅したソロ星の難民を乗せて、宇宙を放浪した。「ソロ・シップ」という呼称は第4話のナレーションから登場、それまでは劇中で「宇宙船」と呼ばれていた(当初「メイフラワ」という名称を予定していたが版権が取れなかったとの事)。バッフ・クラン側の呼び名は「ロゴ・ダウの船」。劇場版や小説では4本のメインノズルから「四つ脚」とも呼ばれた(ただし、ドバは何故か最終話と発動篇序盤で「ソロ・シップ」と呼んでいる)。 ソロ星で科学庁が調査していた第6文明人の遺跡の、第2発掘現場から発見された。地中に埋められていたにもかかわらず、船内には樹木が生い茂るエリアがあった。第6文明人は地球人類よりかなり大きかったらしく、第6文明人の大きさにあわせて作られたソロ・シップの内部スペースは、人類(およびバッフ・クラン)にとってかなり広々としていた。船内には、宇宙空間を航行中でも重力が発生しているように見えるが、その機構や原理は不明である。 第3話の終盤で避難民が逃げ込んだ第2発掘現場から、空襲の中、地を割って突然浮上した。これを目撃したギジェは「う、宇宙船か。何故だ、何故わざわざ地面の中から!」と驚愕している。ノーマルエンジン他、動力が何も作動していない状態で飛行して軟着陸したが、その原因は全く分からず、第4話からは動力が始動されて、以後、この無動力状態で作動した事例はない。 イデオンと同様に、武装は一切装備されていなかったが、TV版第4話以降、ソロ星駐留軍の生き残りがグレン・キャノン(ビーム砲)やミサイル・ランチャーを多数設置した。物語初期には防御火器が整わず、戦車を甲板に出して応戦したこともあった。甲板前方にある平たいドーム状構造物の内部に、壊滅したブラジラー基地の要塞用大型連装グレン・キャノンを設置して主砲とした(第15話-)。発射時は構造物の前方中央部が後方にスライドして主砲が出現、さらに砲自体が前方にスライドして発射体勢を取る。ドーム状構造物の本来の目的は不明。第20話のロッグ・マックや第25話のガンガ・ルブを破壊したように、直撃すれば重機動メカすら撃墜可能な威力を誇る。 船体は直方体の構造物を中心に、上部にドーム状の構造物およびブリッジ、前方に甲板および船首、左右に2本ずつそれぞれ単独のアームで支持された合計4本の核融合兼反物質エンジン、というもの。中心部は居住ブロックと機関部、後部デッキ等がある。機関部には反物質エンジンが搭載されている。さらに機関室内部には正体不明の構造がある、とのことだったが、後述の波導ガンのことを指していたのかどうかは不明。 4本の核融合兼反物質エンジンは180度回転が可能。90度回転させてノズルを下方に向けた場合、垂直離着陸することができた。第4話では、垂直離着陸の体勢のまま反物質エンジンを使用して、亜空間飛行を行っている。ノズル外縁にはランディング・ギアが装備されていて、着地の際に展開した。180度回転させた場合は、逆噴射エンジンとして使用できた(第39話)。 船体上方のドーム状の構造物の内部には林や草原が広がっており、ソロ星難民は食料生産のため、そこで耕作や放牧(養鶏)を行っていた。小説版ではここに潜入したギジェがピグ(豚)の群れに隠れつつ、鶏卵を盗んでいる描写がある。ドームの前方はハーフミラーになっていたようで、内部から甲板の光景を見ることができた。 甲板には3台のイデオンメカを縦に並べることのできるスペースがあり、合体後のイデオンを寝かせておくこともできた。甲板は船体との接合部で上方に90度折れ曲がる構造。甲板前方には主砲を納めた平たいドーム状の構造物および、甲板前方の左右に、着陸時にランディングギアとして使用する脚状の構造物があった。 船首にはバリアー発生装置があり、船首から船尾まで紡錘形のバリアーで船体を覆い隠していた。バリアーはほとんどの場合、半透明のオレンジ色だった。船内にもピンポイント的にバリアーを発生させることが出来、バッフ・クランの銃撃をはね返しルウらを守ったり(第3話)、自爆装置の爆発を封じ込めた(第36話)りしている。この船内バリアーの発生は自己防衛本能に刺激されたイデの意思によるもので、乗員にはコントロールできない。 甲板内部にはイデオン4体分の部品が、機関部には波導ガン(イデオン・ガン)が格納されていた。波導ガンは第28話から甲板内部に格納され、以降必要な時にはソロ・シップ側のコントロールでイデオンへと誘導飛行させて使用出来るようになった。しかし発動篇前半でのソロ・シップを彗星へ衝突させる作戦を採ったバッフ・クランとの戦闘時には、バリアー出力が弱まっただけではなく、開閉ハッチが原因不明の故障を起こして開かなくなり、イデオンは装甲が弱体化するのを覚悟の上でハッチを引き剥がし、イデオン・ガンを取り出さざるを得なかったがハッチ内には被弾していないのにも関わらず、クルーの死体が多数転がっていた。なお、剥がされたハッチはイデオンによって投擲され、ガンガ・ルブ・リブを撃墜している。
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