アジア航海図 (東京都)
アジア航海図<(羊皮紙著色)/>
主名称: | アジア航海図<(羊皮紙著色)/> |
指定番号: | 25 |
枝番: | 0 |
指定年月日: | 1984.06.06(昭和59.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 1面 |
時代区分: | 安土桃山 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本航海図は羊皮紙一枚に描かれ、表面全体にわたって胡粉を施し、彩色をもって東は日本、西はインド洋からアラビア、南はジャワ諸島、北は中国大陸までを図示している。図の全面には緯度、経度が縦横にひかれ、縮尺を示すスケール標示、緯度を示す度盛、及び方位盤がみえ、マカオ、シャム等の主要地、及び主要港を石突としてポルトガル国旗、十字旗、新月旗が掲げられ、各国沿岸、諸島周辺には大陸棚を示す浅瀬の様子を描いている。特にルソン、ボルネオ、シャム等の南洋諸島周辺には注記等も稠密に施され、往時の朱印船通行範囲を窺わせている。 日本国の特徴は末吉・角屋図に描かれている蝦夷がなく、本州の最東北部に「そとのはま」の朱書がみえることで、本図が両図に比して古様を伝えていることを示し、本図作製の時期を考察する上に注目される。また、末吉・角屋図と異なり、国名、地名注記の多くはポルトガル語の邦訳名を仮名にて朱書している。 本図が作製された当初の所用者は未詳であるが(糸屋随右衛門所用とする説もある)、保存良好で遺例稀な初期朱印船貿易所用図の原本として、対外交通史、及び交易史研究上に貴重である。 なお、本図はもと備前岡山藩主池田家に伝来したもので、本図の概要を伝える「航海古図考証」(明治四十三年写)等がある。 |
アジア航海図〈(羊皮紙著色)/〉
主名称: | アジア航海図〈(羊皮紙著色)/〉 |
指定番号: | 49 |
枝番: | 1 |
指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 1面 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 朱印船貿易に所用されたアジア航海図は、諸外国にない、わが国独自の航海図として注目されるもので、羊皮紙製の原本である末吉図、角屋図、池田図はいずれも重要文化財に指定されている。 この東京国立博物館保管に係るアジア航海図、および日本航海図は一具として伝来したもので、両図共に羊皮紙一枚に描かれ、表面全体にわたって胡粉を施し、彩色をもって図示される。 アジア航海図は、末吉図、池田図と同型のポルトラノ型海図で、東は日本、西はインド洋からアラビア、南はジャワ諸島、北は中国大陸、ロシアまでを図示する。 その内容は末吉、池田図とほぼ同様であるがポルトガル国旗、十字旗、新月旗の記載はなく、中国大陸の地名注記が詳細であること、国名、地名注記も両図に比して多く、例えば池田図の地名がポルトガル語で注記されているのに対し、本図は、「日本」、「中国」「呂宋」を除き全て仮名で記され、スケール標示をみるに他国にない、わが国の里法を用いるなど独自の体裁がうかがわれる。 日本航海図は、蝦夷の記載はないが、本州、四国、九州など比較的に正確に図示され、各国ごとに海岸線を紫、藍、黄色等で色分けし、内陸の国境は墨線で示している。国名、および主要地名の他、主な岬、川も注記し、四国の直下にあるスケール標示は、アジア航海図と同様にわが国の里法を用いている。 両国共に内容等からみて九州方面で作製されたものと考えられ、両図を収める木額の墨書整理番号などによって本図は長崎奉行所旧蔵になるものと考えられる。 本件は、遺存稀な朱印船貿易にかかわる航海図の原本としてアジア航海図と共に日本航海図を併せ存する点、他に例はなく近世対外交通史研究上等に注目される。 |
重要文化財のほかの用語一覧
書跡・典籍: | 黄紙墨書浄名経集註 黒氏梵志経 |
歴史資料: | アジア航海図 アジア航海図 エレキテル エンボッシング・モールス電信機 ジョサイア・コンドル建築図面 |
- アジア航海図のページへのリンク