『日本書紀』における任那とは? わかりやすく解説

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『日本書紀』における任那

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 11:52 UTC 版)

任那」の記事における「『日本書紀』における任那」の解説

『日本書紀』720年成立崇神天皇条から天武天皇条にかけて「任那」が多く登場する崇神天皇65年垂仁天皇2年の条は一連の記事で、任那日本最初の関係の起源を語る。 応神天皇7年25年記事のうち25年の条は『百済本記』の引用である。 雄略天皇7年のあたりからかなり詳しい伝承がふえ、同天皇8年記事では「日本府行軍元帥」の文字がみえ、倭の五王三韓における軍事指揮権との関係が推察される。同21年記事有名な百済一時滅亡熊津での百済再建絡んで記事である。 顕宗天皇3年、阿閉臣事代が任那赴いたこと、紀生磐宿禰任那拠って自立勢い示したことが見える。 継体天皇3年にも記事があり、同天皇6年の条は有名な「四県二郡割事件」の記事、同21年の条は「磐井の乱」に絡んで記事である。23年24年にも金官加羅滅亡前後をめぐる詳しい伝承がある。 宣化天皇2年大伴狭手彦任那派遣した欽明天皇からはおびただしく記事増え、ほぼ毎年任那関係の事件見える。欽明2年541年4月の条に「任那」に「日本府」を合わせた任那日本府」が現れ同年7月の条には「安羅日本府」も見える。同天皇23年562年)の条には、加羅国(から)、安羅国(あら)、斯二岐国(しにき)、多羅国(たら)、率麻国(そつま)、古嵯国(こさ)、子他国(こた)、散半下国さんはんげ)、乞飡国(こつさん、さんは、にすいに食)、稔礼国(にむれ)の十国総称任那と言う、とある。 地理上、任那朝鮮半島における日本最も近い地域であり、重要な地域であったことに由来し日本史料が最も豊富な情報提供している。これらの史料によると日本(倭)は、任那滅亡後新羅に「任那の調」を要求し、それに従って新羅が調(貢物)を納めていた事実書かれている。 なお、『日本書紀』継体23年529年)条、継体24年530年)条には「任那王己能末多干岐」という人物登場するが、「己」は「巳」の誤記であり、己能末多干岐は任那ではなく加羅王の異脳王であるとする説が存在する任那滅亡 西暦562年任那日本府新羅によって滅ばされた。 新羅による任那征服推古朝の新羅征討 『日本書紀』によれば飛鳥時代にも朝鮮半島への軍事行動計画された。滅亡した任那回復するための「征討軍」が推古朝三度計画され一度目は新羅侵攻し新羅降伏している。 推古8年西暦600年2月で、倭国任那救援するために新羅出兵した。境部臣(さかひべのおみ)が征討大将軍任命され副将軍穂積であった五つの城が攻略され、新羅降伏した。さらに、多多羅(たたら)、素奈羅(すなら)、弗知鬼(ほちくい)、委陀(わだ)、南迦羅(ありひしのから)、阿羅々(あらら)の六つの城が攻略された。難波吉士神(なにわのきしみわ)を新羅派遣し、また難波吉士木蓮子(なにわのきしいたび)を任那派遣し両国倭国朝貢を約させた。しかし、倭国の軍が帰国したのち、新羅はまた任那侵攻した。翌推古9年601年3月には、大伴連囓(おほとものむらじくひ)を高麗(こま)に派遣し坂本臣糠手(さかもとのおみあらて)を百済派遣し任那救援命じた推古10年602年2月聖徳太子の弟来目皇子新羅征討将軍として軍二五千授けられる4月に軍を率いて筑紫国至り、島郡に屯営した。6月3日百済より大伴連囓と坂本臣糠手が帰国する。しかし、来目皇子病を得新羅への進軍延期とした。来目皇子は、征討果たせぬまま、翌推古11年603年2月4日筑紫にて薨去来目皇子は、周防娑婆遺称地山口県防府市桑山)に殯し、土師猪手がこれを管掌した。 推古11年603年4月来目皇子の兄当摩皇子(たぎまのみこ)が新羅征討将軍任命される推古11年603年7月3日難波より出航し7月6日播磨到着するが、妻の舎人皇女欽明天皇皇女)が赤石薨去したため当摩皇子朝廷帰還し計画潰えたその後大化2年646年2月まで任那高麗百済新羅とともに倭国へ調を納めていたが、同年9月高向博士黒麻呂(高向玄理)が新羅派遣され、質(人質)を送ることと引き替えに、これまで任那の調」の代行納入新羅求めることは廃止され、質として金春秋(後の武烈王)が来日している。

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