L-グロノラクトンオキシダーゼ L-グロノラクトンオキシダーゼの概要

L-グロノラクトンオキシダーゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/23 03:38 UTC 版)

L-グロノラクトンオキシダーゼ
識別子
EC番号 1.1.3.8
CAS登録番号 9028-78-8
データベース
IntEnz IntEnz view
BRENDA英語版 BRENDA entry
ExPASy NiceZyme view
KEGG KEGG entry
MetaCyc metabolic pathway
PRIAM profile
PDB構造 RCSB PDB PDBe PDBj PDBsum
遺伝子オントロジー AmiGO / EGO
(1) アスコルビン酸 L-キシロ-ヘキスロノラクトン
(2) L-グロノ-1,4-ラクトン + O2 L-キシロ-ヘキスロノラクトン + H2O2

反応式の通り、この酵素には2種の化学反応を触媒する。(1)では基質がアスコルビン酸で生成物がL-キシロ-ヘキスロノラクトン。(2)では基質L-グロノ-1,4-ラクトン(グルクロノラクトン)と酸素で、生成物はL-キシロ-ヘキスロノラクトンと過酸化水素である。補因子としてFADを用いる。

組織名はL-gulono-1,4-lactone:oxygen 3-oxidoreductaseで、別名にL-gulono-γ-lactone: O2 oxidoreductase, L-gulono-γ-lactone oxidase, L-gulono-γ-lactone:oxidoreductaseがある。

不活化

L-グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子の活性は、いくつかの進化史のなかでそれぞれ独立に失われている。哺乳類ではテンジクネズミ直鼻猿亜目霊長類がこの遺伝子の活性を失っており、そのためにビタミンCを合成できないが、その原因となった突然変異は別のものである。どちらも系統でも、活性を失った遺伝子は多数の変異を蓄積しつつ、偽遺伝子として残っている[1]スズメ目鳥類では、活性の喪失が何度か起こっており、またおそらくは再獲得も起こったために、種によってビタミンC合成能力が異なる。他に、コウモリ類もこの遺伝子の活性を失っている[2]

霊長目でこの酵素の活性が失われたのは約6300万年前であり、直鼻猿亜目(酵素活性なし)と曲鼻猿亜目(酵素活性あり)の分岐が起こったのとほぼ同時である。ビタミンC合成能力を失った直鼻猿亜目にはメガネザル下目真猿下目サル類人猿ヒト)を含んでいる。ビタミンC合成能力を有する曲鼻猿亜目には、キツネザルなどが含まれる[3]


  1. ^ Nishikimi M, Kawai T, Yagi K (October 1992). “Guinea pigs possess a highly mutated gene for L-gulono-gamma-lactone oxidase, the key enzyme for L-ascorbic acid biosynthesis missing in this species”. J. Biol. Chem. 267 (30): 21967–72. PMID 1400507. 
  2. ^ Martinez del Rio C (1997). “Can Passerines Synthesize Vitamin C?”. The Auk 114 (3): 513-516. http://elibrary.unm.edu/sora/Auk/v114n03/p0513-p0516.pdf. 
  3. ^ Pollock JI, Mullin RJ (May 1987). “Vitamin C biosynthesis in prosimians: evidence for the anthropoid affinity of Tarsius”. Am. J. Phys. Anthropol. 73 (1): 65–70. doi:10.1002/ajpa.1330730106. PMID 3113259. 


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