L-グルコース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/15 23:13 UTC 版)
| l-グルコース | |
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α-
l-グルコピラノースのハース投影式
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l-グルコースのフィッシャー投影式
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l-Glucose |
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| 識別情報 | |
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3D model (JSmol)
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| 略称 | L-Glc |
| ChEBI | |
| ChemSpider | |
| EC番号 |
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PubChem CID
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| UNII | |
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| 特性 | |
| 化学式 | C6H12O6 |
| モル質量 | 180.16 g mol−1 |
| 密度 | 1.54 g/cm3 |
| 水への溶解度 | 91 g/100 mL |
| 危険性 | |
| 安全データシート (SDS) | ICSC 0865 |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | |
L-グルコースは、化学式C6H12O6またはH–(C=O)–(CHOH)5–Hで表わされる有機化合物であり、具体的には単糖の中のアルドヘキソースの一種である。最も一般的な単糖であるD-グルコースのエナンチオマー(鏡像異性体)である。
L-グルコースは自然界の高等生物においては見出されないが、実験室において化学的に合成することができる。L-グルコースは味ではD-グルコースと区別できないが[1]、解糖系の出発酵素であるヘキソキナーゼによってリン酸化されないため生物のエネルギー源にはならない。既知の例外の一つは植物病原細菌のBurkholderia caryophylliである。この細菌はL-glucoseを酸化することができるD-threo-アルドース-1-デヒドロゲナーゼを含んでいる[2]。
使用
L-グルコースは甘味を示す(D-グルコースよりもやや弱い)にもかかわらず、エネルギー源として利用されないため、低カロリー甘味料としての利用が提唱されている[3]。誘導体であるL-グルコース ペンタアセタートはインスリンの分泌を刺激することが明らかにされている[4]。また、緩下作用を示すことが明らかにされており、大腸洗浄(コロンクレンジング)剤としての利用が提唱されている[5]。
脚注
- ^ A Natural Way to Stay Sweet, NASA 2009年9月2日閲覧。
- ^ Sasajima, K.; Sinskey, A. (1979). “Oxidation of l-glucose by a Pseudomonad”. Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Enzymology 571: 120–126. doi:10.1016/0005-2744(79)90232-8. PMID 40609.
- ^ “SPINOFF 2004:A NATURAL WAY TO STAY SWEET” (英語). NASA. 2005年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月31日閲覧。
- ^ Malaisse, W. J. (1998). “The riddle of L-glucose pentaacetate insulinotropic action”. Int. J. Mol. Med. 2 (4): 383–388. PMID 9857221.
- ^ Raymer, G. S.; Hartman, D. E.; Rowe, W. A.; Werkman, R. F.; Koch, K. L. (2003). “An open-label trial of L-glucose as a colon-cleansing agent before colonoscopy”. Gastrointest. Endosc. 58 (1): 30–35. doi:10.1067/mge.2003.293. PMID 12838217.
外部リンク
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