青山剛昌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/22 13:50 UTC 版)
あおやま ごうしょう 青山 剛昌 | |
---|---|
本名 |
青山 剛昌 (あおやま よしまさ)[1] |
生誕 |
1963年6月21日(60歳) 日本・鳥取県東伯郡北栄町 |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 1986年 - |
ジャンル | 少年漫画 |
代表作 |
『まじっく快斗』 『YAIBA』 『名探偵コナン』 |
受賞 |
1986年:小学館新人コミック大賞『ちょっとまってて』 第38回:小学館漫画賞児童部門『YAIBA』 第46回:小学館漫画賞少年部門『名探偵コナン』 第37回:藤本賞『名探偵コナン から紅の恋歌』 第67回:「映画の日」中央式典特別功労賞 |
公式サイト | こなん通信社 |
代表作の『名探偵コナン』と『YAIBA』は、それぞれ小学館漫画賞を受賞し、テレビアニメ化やコンピュータゲーム化がされている。特に『名探偵コナン』は、連載が30年続いており、劇場アニメ化、テレビドラマ化もされている(2021年に発行部数が2億7000万冊を突破)。ほかに、『まじっく快斗』『4番サード』などの作品がある。
来歴
生い立ち
1963年、鳥取県大栄町(現・北栄町)に4人兄弟の次男として生まれる[4][5]。子供のころから漫画が好きで描いてはいたが親に叱られるためこっそり描いていた[6]。北栄町立大栄小学校を卒業[3]。小学生の時の卒業文集に「私立探偵専門の漫画家になりたい」と書いており、青山剛昌ふるさと館に展示されているが[7]、本人はそのことを覚えていなかったと発言している[6]。北栄町立大栄中学校時代、民藝運動に関わる染織家で美術教師の吉田たすくから絵を褒められ、「やりたいことがあったらそれをやったらいいよ」と薦められ、美術関係の道を考えるようになった[8]。鳥取県立由良育英高等学校を卒業した後、漠然と美術教師を目指して日本大学芸術学部へ進学する[3][6]。剣道少年であり、部活動は小中高とずっと剣道部に在籍していたが、アニメーターに憧れて高2から美術部に入った[9]。
大学時代とデビュー
大学時代は漫画研究部「熱血漫画根性会」に所属[10]。元々はアニメーターを志望していたが[11]、漫研の先輩である矢野博之にアニメーターよりも、漫画家のほうが儲かると言われ、漫画家を目指すことになる[12]。
ちばてつやの大ファンであり、『おれは鉄兵』が好きだったことから『週刊少年マガジン』に持ち込み、佳作をもらい、担当編集者とも上手く行っていたが、ある時、編集長から「青山くんの絵が気に食わない」「このまま『マガジン』でやるなら絵柄を変えたほうがいい」と担当経由で伝えられ、『マガジン』でやっていくことを断念[12][13]。
その後、講談社を出て、持ち込み先を選ぶために近くの本屋へ雑誌を探しに行き、その場にあった『週刊少年サンデー』を見たことやあだち充のファンで絵が可愛いこともあり、編集部へ連絡し、その足で原稿を持ち込んだ[13][14]。この時に原稿を見てくれた編集者の世話になり、1986年、『ちょっとまってて』で小学館新人コミック大賞に入選し、同作でデビューした[13]。
それを機に就職活動はせず、生活費は『ひらけ!ポンキッキ』の背景を描くアルバイトをしたり新人賞の賞金を使ったりして、半年間は頻繁にネームを編集者へ持って行った[6][15]。
デビュー後
1987年に、『週刊少年サンデー』増刊号で『まじっく快斗』の連載を開始。
1988年には、『週刊少年サンデー』でチャンバラアクション漫画『YAIBA』の連載を開始する。これが人気作となり初の長期連載となって、1993年に『YAIBA』で第38回小学館漫画賞・児童部門を受賞。その後、『剣勇伝説YAIBA』としてテレビアニメ化される。
1994年(平成6年)、『週刊少年サンデー』で『名探偵コナン』の連載を開始する。「『マガジン』で『金田一』がヒットしているので、『サンデー』でも推理マンガをやってくれないか」と編集部に打診されて『名探偵コナン』を描き始めた。当初はあまり乗り気ではなく、ネタ的に続かないため3か月程度で終わるだろうと思っていた[16]。
2000年代以降
2005年、高山みなみと結婚、2007年に離婚。
2007年3月18日には出身地である鳥取県北栄町の道の駅大栄に青山剛昌ふるさと館が開館した[17]。
2017年、画業30周年を記念して『青山剛昌 30周年本』が発売された[18]。また石ノ森萬画館で名探偵コナン原画展が開催された[19]。12月13日、療養と充電のため、『名探偵コナン』の再開時期未定の長期休載が、『週刊少年サンデー』第3・4合併号で発表された[20]。2018年4月に連載を再開した[21]。「NEWS ZERO」にVTR出演した際には4か月の休養については編集部の意図であり、青山本人は「病床に伏せっていたわけではない」と述べている[22]。
2022年には小学館、集英社という出版社の垣根を越えて週刊少年ジャンプの代表作家である尾田栄一郎とのコラボレーションと対談が実現している[23][24]。
年譜
- 1986年(昭和61年) - 『ちょっとまってて』で第19回小学館新人コミック大賞入選、デビュー(『週刊少年サンデー』1987年3・4合併号(1986年12月24日発売)に掲載)。
- 1987年(昭和62年) - 『週刊少年サンデー』増刊号で『まじっく快斗』の連載を開始。
- 1988年(昭和63年) - 『週刊少年サンデー』で『YAIBA』の連載を開始。
- 1993年(平成5年) - 『YAIBA』で第38回小学館漫画賞(児童部門)受賞。『YAIBA』が『剣勇伝説YAIBA』としてテレビアニメ化される。
- 1994年(平成6年) - 『週刊少年サンデー』で『名探偵コナン』の連載を開始。
- 1996年(平成8年) - 『名探偵コナン』がテレビアニメ化される。
- 2001年(平成13年) - 『名探偵コナン』で第46回小学館漫画賞(少年部門)受賞。
- 2003年(平成15年) - 『名探偵コナン』のコミックの総発行部数が1億冊を突破。
- 2005年(平成17年) - 高山みなみと結婚
- 2007年(平成19年)3月18日 - 青山剛昌ふるさと館が開館。同年、高山みなみと離婚。
- 2014年(平成26年) - 『まじっく快斗』が『まじっく快斗1412』としてテレビアニメ化される。
- 2017年(平成29年) - 『名探偵コナン』のコミックの総発行部数が2億冊を突破[25]。
注釈
出典
- ^ a b コナンドリル 2003, p. 197
- ^ a b c まんがseek・日外アソシエーツ共著『漫画家人名事典』日外アソシエーツ、2003年2月25日初版発行、ISBN 4-8169-1760-8、7頁
- ^ a b c 青山剛昌ふるさと館 青山剛昌さんについて プロフィール
- ^ 青山剛昌(あおやまごうしょう)先生のプロフィール - 北栄町商工会
- ^ 「あだち充×青山剛昌 スペシャル対談!!!!!」『ゲッサン 2019年5月号』第11巻第5号、小学館、2019年4月12日、7-10頁。
- ^ a b c d コナンドリル 2003, p. 193
- ^ コナン作者が卒業文集に書いた夢に驚き
- ^ 漫画家 青山剛昌さん「やりたいことをやったらいい」美術の先生、部活を辞めたときに:日本経済新聞
- ^ a b c 週刊少年サンデー2017年5月10日・17日合併号 Vol.23・24『サンデー非科学研究所』「その53 青山剛昌のルーツを探れ!の巻」内での本人談
- ^ 日藝賞第5回受賞者 - 日本大学藝術学部
- ^ a b まんカレ通信/プロが語るまんが秘伝 part094 青山剛昌先生
- ^ a b 週刊少年サンデー 2016年5月4日号 Vol.21 pp.426-431「サンデー非科学研究所 その4 作画メシ〜青山剛昌先生編2〜『名探偵コナン』が生み出される部屋に潜入セヨ!!」。2016年4月20日発行・発売。
- ^ a b c 週刊少年サンデー 2016年5月11日/18日号 Vol.22・23 pp.500-505「サンデー非科学研究所 研究その5 作画メシ〜青山剛昌先生編3〜 コナン誕生の数年前…青山先生の新人時代に迫る!!」2016年4月27日発行・発売。
- ^ a b コナンドリル 2003, p. 194
- ^ コナンドリル 2003, p. 194-195.
- ^ 『名探偵コナン&金田一少年の事件簿01』小学館〈小学館 少年サンデー特別増刊&講談社 少年マガジン増刊〉、2008年4月10日。青山剛昌、天樹征丸、さとうふみやによる鼎談。
- ^ “鳥取)入館者100万人達成 青山剛昌ふるさと館:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年2月2日閲覧。
- ^ “この1冊で青山剛昌がまるわかり!30周年記念本に3万字インタビューや舞台裏収録”. 2024年2月29日閲覧。
- ^ “「名探偵コナン原画展」石ノ森萬画館で開催、限定グッズやコラボメニュー登場”. 2024年2月27日閲覧。
- ^ “名探偵コナン:作者が病気療養、充電で長期休載へ”. MANTANWEB. MANTAN (2017年12月13日). 2017年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月13日閲覧。
- ^ “「名探偵コナン」約4カ月ぶりに連載再開、コナン&安室の「ちぢませ隊」全サも”. 2024年2月29日閲覧。
- ^ “青山剛昌氏『名探偵コナン』休載の4ヶ月「描きたくてしょうがなかった」”. ORICON NEWS. オリコン (2018年4月12日). 2018年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月12日閲覧。
- ^ 【超特報】真実はいつもひとつなぎの大秘宝
- ^ 青山剛昌×尾田栄一郎OVER100雑誌横断対談発売記念PV
- ^ <名探偵コナン>サンデー初の連載1000話達成(2017年8月9日) -まんたんウェブ
- ^ “ご報告します。”. LITTLE STATION. 2006年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月14日閲覧。
- ^ “コナン作者・青山剛昌さん、声優の高山みなみと入籍”. zakzak. 2017年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月14日閲覧。
- ^ 『名探偵コナン51巻』(ISBN 978-4-09-127361-1)より。
- ^ “「名探偵コナン」声優と原作者が離婚”. Sponichi Anne. 2016年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月14日閲覧。
- ^ コナンドリル 2003, p. 198.
- ^ コナンドリル 2003, p. 199.
- ^ コナンドリル 2003, p. 196.
- ^ “★オキシジェン田中さんご来館★”. 青山剛昌ふるさと館 オフィシャルサイト. 2016年4月13日閲覧。
- ^ https://www.cinematoday.jp/news/N0029211
- ^ [月刊BLT 6月号 2012]
- ^ a b c d e f g 『青山剛昌 30周年記念本』三〇〇〇〇字インタビュー 82頁 - 123頁
- ^ “名探偵コナンの作者のルーツを知れる「青山剛昌ふるさと館」”. Yomerumo. 2017年3月19日閲覧。
- ^ “Digital Station インタビュー”. NEC. 2023年11月12日閲覧。
- ^ 『名探偵コナン 特別編』第2巻おまけ漫画より。
- ^ 『TBSもさんまも60歳 伝説のドラマ&バラエティ全部見せます!夢共演も大連発 (2015年10月12日放送回)』の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版):2015年11月22日閲覧
- ^ 『名探偵コナン 57巻』作者コメントより。
- ^ 週刊少年サンデー 2018年 29号 目次コメント
- ^ “青山剛昌、藤本賞授賞式で映画界の“沢村賞”獲得を喜ぶ「巨人ファンなので」”. 映画ナタリー. 2024年2月21日閲覧。
- ^ 『名探偵コナン10+SDB』(ISBN 978-4-09-124716-2)での読者の「最終回をどのようにするのかもう決めているのか」という旨の質問に「あります」と答えている。
- ^ 1周回って知らない話 2019/04/24(水)19:00 の放送内容 ページ2 | TVでた蔵
固有名詞の分類
- 青山剛昌のページへのリンク