超低床電車 日本の事例

超低床電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 22:56 UTC 版)

日本の事例

日本では、国土交通省のLRT (次世代型路面電車) への導入支援事業[3]に合わせて、超低床電車の導入が進んでいる。

1997年平成9年)の熊本市交通局における9700形投入を皮切りに、路面電車のバリアフリー化への対応を目指して複数の事業者が導入を推進している。

特徴

  • 台車部分以外を低床化した部分低床車と、車軸のない独立車輪式台車を使用するなどして車内を完全に平坦化した完全低床車がある。
  • 通常、床下に配置される車両機器を極力小型化、また屋根上に配置できる電子機器などは屋根上に配置している。椅子下に機器を配置する例もある。
  • 複数両(2両以上)編成の場合は連接台車や、台車のある短い車体で台車のない長い車体を挟み込むフローティング車体などを採用している。
  • 車椅子での乗り降りが楽にできるよう、扉を広くしている。また、車椅子用スペースを設けているのが一般的。
  • 車両の横幅を車両限界いっぱいまで広げ、通路を広くしている。車両によっては、車体の裾を広げて通路を広くしている例もある。

導入事業者

事業者 形式 全長
(m)
定員
(名)
座席
定員
(名)
導入年 編成数 備考
札幌市交通局 A1200形 17 71 27 2013年 3 リトルダンサータイプUa。愛称は「ポラリス」
1100形 13 60 24 2018年 10 リトルダンサータイプS。愛称は「シリウス」
函館市企業局交通部 8100形 12.39 60 26 2002年 1 部分低床型の車体更新車
9600形 14 62 31 2007年 4 リトルダンサータイプC2。愛称は「らっくる号」
宇都宮ライトレール HU300形 29.52 160 50 2021年 17 ブレーメン形。愛称は「LIGHTLINE」
万葉線 MLRV1000形 18 84 30 2004年 6 ブレーメン形。愛称は「アイトラム」
富山ライトレール富山地方鉄道 TLR0600形 18.4 80 28 2006年 8 ブレーメン形。愛称は「ポートラム」
富山地方鉄道 9000形 18.4 80 28 2009年 3 ブレーメン形。愛称は「セントラム」
T100形 16.3 74 29 2010年 4 リトルダンサータイプUa。愛称は「サントラム」
名古屋鉄道 モ800形 14.78 72 30 2000年 3 使用路線が2005年に廃線になったため豊橋鉄道、福井鉄道へ譲渡
豊橋鉄道 モ800形 14.78 72 30 2005年 元・名鉄車 モ801は2005年に名鉄より譲受。モ802・モ803は2019年に福井鉄道より譲受。
T1000形 16.2 74 29 2008年 1 リトルダンサータイプUa。愛称は「ほっトラム」
福井鉄道 モ800形 14.78 72 30 2006年 2 元・名鉄車。2018年に運用終了し、豊橋鉄道へ再譲渡
F1000形 27.16 155 53 2013年 4 ブレーメン形。愛称は「FUKURAM」
F2000形 21.4 115 43 2023年 1 リトルダンサータイプnew-L。愛称は「FUKURAMU Liner」 
えちぜん鉄道 L形 18.7 100 32 2016年 2 ブレーメン形。愛称は「ki-bo」
阪堺電気軌道 1001形 16.3 76 27 2013年 3 リトルダンサータイプUa。愛称は「堺トラム」
1101形 16.3 76 27 2020年 1 リトルダンサータイプUa。
岡山電気軌道 9200形 18 74 20 2002年 3 ブレーメン形。愛称は「MOMO」「MOMO2」「おかでんチャギントン」
広島電鉄 5000形 30.52 153 52 1999年 12 コンビーノ。愛称は「GREEN MOVER」
5100形 30 149 56 2005年 10 JTRAM。愛称は「Green mover max」
1000形 18.6 86 33 2013年 18 JTRAM。愛称は「PICCOLO」「PICCOLA」「GREEN MOVER LEX」
5200形 30 151 58 2019年 6 JTRAM。愛称は「Green mover APEX」
伊予鉄道 モハ2100形 12 47 20 2002年 10 リトルダンサータイプS
モハ5000形 12.5 60 26 2017年 14 リトルダンサータイプS
とさでん交通 100形 17.5 71 28 2002年 1 リトルダンサータイプL。愛称は「ハートラム」
3000形 16.5 71 28 2018年 3 リトルダンサータイプUa。愛称は「ハートラムII」
筑豊電気鉄道 5000形 17.6 87 34 2015年 4 リトルダンサータイプUa
長崎電気軌道 3000形 15.1 63 28 2004年 3 リトルダンサータイプU
5000形 16.3 73 27 2011年 3 リトルダンサータイプUa
6000形 12.2 62 28 2022年 リトルダンサータイプN
熊本市交通局 9700形 18.55 76 24 1997年 5 ブレーメン形
0800形 18.4 82 30 2009年 3 ブレーメン形
鹿児島市交通局 1000形 14 55 24 2002年 9 リトルダンサータイプA3。2・3次車の定員は58名。2次車の着席定員は20名、3次車では18名。愛称は「ユートラム」
7000形 18 78 24 2007年 4 リトルダンサータイプA5。愛称は「ユートラムII」
7500形 14.4 65 32 2017年 4 リトルダンサータイプX。愛称は「ユートラムIII」

注釈

  1. ^ 日本の路面電車では、高床車が2段ステップ、低床車は1段ステップのものが多かったが、欧米では2段ステップの車両が一般的である。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 里田啓「ヨーロッパの低床式LRVの動向」
  2. ^ HeiterBlick GmbH - Straßenbahnbauunternehmen aus Leipzig”. 2019年9月7日閲覧。
  3. ^ 国土交通省 LRT(次世代型路面電車)導入支援


「超低床電車」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「超低床電車」の関連用語

超低床電車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



超低床電車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの超低床電車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS