福井鉄道F2000形電車
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福井鉄道F2000形電車 FUKURAM Liner (フクラムライナー) | |
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![]() F2000形 F2001 (2023年2月 プレミアム試乗・撮影会にて) | |
基本情報 | |
運用者 | 福井鉄道 |
製造所 | アルナ車両 |
製造年 | 2022年 |
製造数 | 1編成(3両) |
導入年 | 2023年 |
運用開始 | 2023年3月27日 |
主要諸元 | |
編成 | 3車体連接車 |
軌間 | 1,067 mm |
設計最高速度 | 70 km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s |
減速度(常用) | 4.4 km/h/s |
減速度(非常) | 5.0 km/h/s |
編成定員 | 115人(座席43人) |
車両定員 | 115人 |
編成重量 | 33.0 t |
編成長 | 21,400 mm |
全幅 | 2,600 mm |
全高 | 3,830 mm |
台車 |
先頭車:ボギー台車 中間車:ボルスタレス台車 |
主電動機 | 三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 60 kW |
搭載数 | 3基 / 編成 |
駆動方式 | 平行カルダン駆動 |
制御方式 | VVVFインバータ制御方式 |
制動装置 | 回生・発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ |
備考 |
出典: 福井鉄道F2000形 主要諸元 |
福井鉄道F2000形電車(ふくいてつどうF2000がたでんしゃ)は、福井鉄道が2023年3月に導入した路面電車車両[1]。2023年3月27日に営業運転開始した[2]。
概要
福井鉄道で運用されている880形を置き換えるために導入された[3][4]。
880形などにあった出入口ステップをなくす等のバリアフリー化、VVVF制御やLED照明の導入による省エネ化なども図られている[6]。4月上旬に、えちぜん鉄道への直通運転を開始した[7]。
愛称は「FUKURAM Liner」(フクラムライナー)[4]。導入費用は3億9000万円である[8]。
車体概説
車体
丸みを帯びたデザインであるF1000形とは対照的な角ばったデザインが特徴である[9]。前面は直線的なブラックフェイス、側面には福鉄カラーの緑・青・白をあしらっている[6]。 積雪時に車両のお腹部分に雪を抱え込まないように高さ10センチほどの排雪板を配置し、レール上に積雪があっても運行できるようになっている[10]。行先表示器は白色LEDを採用する[11]
車内
オールロングシートで[2]、座席の表皮はセーレンのものを利用している[4]。コーティング剤は利用しておらず、環境に配慮しており、デザインは沿線の水田や日野川などをモチーフとしている[4]。出入り口付近には越前かにやレッサーパンダなどをモチーフにした吊革がある[4]。優先座席も設置される。車椅子スペースは2ヶ所設置されている[12]。車内にモニターを4台設け、西山公園、蔵の辻、足羽山公園といった地元観光地を映像で紹介される。通路はF1000形と比較して約2倍となっている[13]。
イベント列車
2023年12月、2024年1月それぞれ数日間、車内で福井名物の「越前おろしそば」と福井の美味を味わえる観光列車「福鉄観光列車 越前そば物語」が予約制で運行された。蕎麦は新蕎麦が使用される。ルートはたけふ新駅から福井駅間を往復する。日本酒が販売されているが、つまみや飲み物の持ち込みも可能となっている[14]。
好評につき2024年11月16日と12月7日にも運行された[15]。
沿革
運用
- 運行開始時点
たけふ新 - 田原町 - 鷲塚針原間とヒゲ線で運用される[4]。
脚注
注釈
出典
- ^ 佐藤 2024, p. 64.
- ^ a b 鉄道ファン 2023, p. 56.
- ^ “福井鉄道福武線活性化連携協議会 | 福井市ホームページ”. www.city.fukui.lg.jp. 2023年3月4日閲覧。
- ^ a b c d e f “福井鉄道の新型車、内装明らかに 地元繊維企業のプリント技術、シート布地に”. 2025年4月8日閲覧。
- ^ 『路面電車年鑑2024』イカロス出版、2024年、8頁。
- ^ a b “新型車両の導入について|お知らせ|福井鉄道株式会社|福井県の鉄道会社・福鉄(ふくてつ)のホームページ”. fukutetsu.jp. 2023年3月4日閲覧。
- ^ 福井鉄道新型車「F2000形」営業運転へ デジタルサイネージで観光PRも - 福井経済新聞 2023年2月25日
- ^ “福井鉄道の新型車、内装明らかに 地元繊維企業のプリント技術、シート布地に”. 2025年4月8日閲覧。
- ^ “再建15年、福井鉄道「尖った新型車」に込めた思い 期待膨らむ?乗客増の立役者「フクラム」後継車”. 2025年4月8日閲覧。
- ^ “歴代最高のカクバリ感!? 福井鉄道の新型車両が斬新だった 展望ロングシートに“ぼっち席”も”. 乗りものニュース (2023年2月26日). 2024年11月22日閲覧。
- ^ 『路面電車年鑑2024』イカロス出版、2024年、9頁。
- ^ 『路面電車年鑑2024』イカロス出版、2024年、11頁。
- ^ “再建15年、福井鉄道「尖った新型車」に込めた思い 期待膨らむ?乗客増の立役者「フクラム」後継車”. 2025年4月8日閲覧。
- ^ “「福鉄観光列車 越前そば物語」を運行します|お知らせ|福井鉄道株式会社|福井県の鉄道会社・福鉄(ふくてつ)のホームページ”. fukutetsu.jp. 2024年11月22日閲覧。
- ^ “福井鉄道が観光列車「越前そば物語」 開業100年の歴史振り返る沿線ガイドも(みんなの経済新聞ネットワーク)”. Yahoo!ニュース. 2024年11月22日閲覧。
- ^ “福井鉄道に新超低床車F2000形…バリアフリー、省エネ、快適性が向上 2023年春に1編成”. レスポンス(Response.jp) (2022年5月24日). 2024年11月21日閲覧。
- ^ “福井鉄道新型車「F2000形」営業運転へ デジタルサイネージで観光PRも”. 福井経済新聞. 2024年11月21日閲覧。
参考文献
- 佐藤信博『路面電車年鑑2024』、イカロス出版、2024年、64頁。
- 「福井鉄道F2000形」『鉄道ファン』第63巻第5号、交友社、2023年、56頁。
- 『路面電車年鑑2024』イカロス出版、2024年、8 - 9,11頁。
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