超低床電車 概要

超低床電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 22:56 UTC 版)

概要

車椅子利用の可能な超低床路面電車の乗降口
車両内に階段のある高床路面電車の乗降口

超低床電車の床面高さは、おおむね300 - 350 mm程度に設定されている。世界で最も低床なものはウィーンULF形であり、その床面高さは180 mmである。従来の路面電車車両は車輪動力装置を床下に設ける構造であったが、超低床電車では、小径車輪採用による車軸の低下化、車軸を廃止した左右独立車輪式台車、フローティング車体の使用、電子機器の屋根上への配置などの技術を用いて客室床面を下げている。完全低床とは、客室中央通路が全長に亘って100 %低床化されている設計を指す。部分低床とは100 %未満の設計を指す。

超低床電車は、客室床面をプラットホーム(場合によっては地上)とほぼ同じ高さに近づけることにより、プラットホーム・乗降口・客室中央通路床面の間の乗降客の動きをバリアフリー化することを目的に開発された。

路面電車の停留場はプラットホームの高さが低く、また、プラットホームが設置されていない停留所もあるため、従来車両では乗降の際に車両側のステップ(段差・階段)を用いる必要がある[注釈 1]。しかし、この方法では乗降に時間がかかるうえ、老人障害者の乗降にも支障がある。車両によっては扉幅が狭く、介助者が付いても車椅子の乗降が物理的に不可能な場合があった。

なお、東京都交通局都電荒川線東京急行電鉄世田谷線では、専用軌道の比率が高いことから、超低床電車を用いず、プラットホームの高さを嵩上げすることでバリアフリー化を実現している。


注釈

  1. ^ 日本の路面電車では、高床車が2段ステップ、低床車は1段ステップのものが多かったが、欧米では2段ステップの車両が一般的である。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 里田啓「ヨーロッパの低床式LRVの動向」
  2. ^ HeiterBlick GmbH - Straßenbahnbauunternehmen aus Leipzig”. 2019年9月7日閲覧。
  3. ^ 国土交通省 LRT(次世代型路面電車)導入支援





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