矢祭町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 07:48 UTC 版)
行政
- 前町議会議員で2019年4月21日、対立候補と45票差で当選。
- 前副町長で2007年4月17日、無投票当選。前々町長の方針を継いだ。
- いわゆる「昭和の大合併」で「血の雨が降る」と言われる程の犠牲を出した歴史と、合併によって山村が見捨てられるとの懸念から「平成の大合併」に反対して、他の市町村に先駆けて合併を行わない事を宣言していた(合併しない宣言)[2][6]。以降は後述のように独自に歳出削減を行い、節約した費用は財政的な自立と、結婚・育児支援に充てており、合計特殊出生率は全国平均を上回っている[7]。こうした地方自治体自立の試みで全国的に有名となった。
- 町長を6期24年という長期間にわたって務め、全国の顔となった[8]。
- 職員・人件費と削減
- 職員削減に伴う、職員の職務兼務・組織変更
- 7課体制を5課体制に。庁舎の清掃も、町長・助役・教育長も行う。管理職もトイレ清掃を行う。
- 開庁時間
- 役場窓口業務にフレックスタイム導入。年中無休。平日は7:30 - 18:30。
- 出張役場制度の創設
- 役場職員の自宅を出張役場として利用。町民は職員自宅で各種届出・納付可能に。
- 保育所・幼稚園の一元化
- 保育時間は平日7:25 - 18:45。土曜日は7:45 - 12:45。
- 町税等の公共料金の支払いをスタンプ券で支払い可能に
- 地元商店会が発行するスタンプ券(買い物の際に2万7000円で500円分)で、介護保険料含む各種公共料金を支払うことが可能になった。
- 役場職員消防隊の結成
- 役場職員が消防員として、消火活動にあたっている。
- 税金滞納対策
- 職員自ら回収にあたる。夜は超過勤務手当のかからない課長クラスが担当。
- 住民基本台帳ネットワークシステム
- 2002年(平成14年)7月、全国で最初に離脱を宣言。行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律がなく個人情報保護の観点と、住民基本台帳カード利用者が年間10人足らずで、自治事務でコンピュータシステム維持費用が高額で費用対効果が見えなかったことから。同じく離脱していた東京都国立市が再接続した2012年(平成24年)2月以降は、唯一の不参加自治体となっていたが[9]、古張允町長は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の成立を条件に接続する考えを表明。個人番号や個人番号カードが法定受託事務となり、住基ネット接続が不可避となったため、2015年(平成27年)3月30日に接続した[10][11]。
- 町議会が議員報酬を月額制から日当制に変更。
- 月額20万8000円を廃止し、議会に1回出席するごとに日当制の3万円とし、ボーナスに当たる期末手当も廃止。2008年(平成20年)3月31日以降の議会から導入。試算では町議会の人件費が3分の1以下になる。この「議員日当制」は、全国の地方議会で初めての取り組み。
- その他
- 2006年には図書館(矢祭もったいない図書館)設立のため蔵書の寄贈を一般に募り、約1年で全国から約43万5000冊の寄贈を受けた(収納容量に到達したため図書の募集は終了した)。建屋は古い武道館を改修した。
- 削減するだけでなく、住民サービスは格段に向上している。また、大規模で破格的な条件で企業・住宅誘致を行うことで町税の増収を図っている。
- 介護保険料は福島県で最も安い。
- 全国自治体から多数の視察団が訪れている[12][13]。
- ^ 図典 日本の市町村章 p54
- ^ a b c “千万人と雖も吾往かん~平成大合併・矢祭町の選択~”. フジテレビジョン (2002年10月23日). 2014年9月7日閲覧。
- ^ a b 「YAMATSURI TOWN Tour Guide book」 矢祭町観光協会発行
- ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 7 福島県』、角川書店、1981年 ISBN 4040010701より
- ^ 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より
- ^ 「合併しない宣言」と同様の政策を掲げる市町村には、新潟県加茂市や沖縄県中頭郡読谷村、群馬県多野郡上野村などがある。
- ^ 【地域のチカラ】福島・矢祭/子育て町ぐるみ 出生率アップ/町職員削減など節約徹底■保育料 周辺の1/3『東京新聞』夕刊2018年7月30日(1面)2019年1月5日閲覧。
- ^ JANJAN - コラム・Samurai Mayors・福島県矢祭町(1)、(2)、(3)、(4)。
JANJAN - 政治・高杉晋作になった「合併しない」町長。 - ^ 約9年ぶり 国立市、住基ネットを再接続 (テレビ番組). 東京メトロポリタンテレビジョン. 1 February 2012. 2014年9月7日閲覧。
- ^ 「住基ネット、最後の未接続自治体が30日接続へ」『YOMIURI ONLINE』読売新聞社、2015年3月20日。2015年3月20日閲覧。
- ^ “マイナンバーで遂に住基ネット接続、国に反旗を翻した東北の町の13年”. ITpro (日経BP社). (2015年5月11日) 2015年5月14日閲覧。
- ^ 根本良一 (2006年10月16日). “合併しない宣言により矢祭町は腹を決めた”. 全国町村会. 2014年9月7日閲覧。
- ^ 「矢祭町視察報告」(前編)、(後編)
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