濡れ GirifalcoとGoodの式

濡れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 00:53 UTC 版)

GirifalcoとGoodの式

GirifalcoとGoodはデュプレの式の付着仕事について、固体と液体それぞれの表面張力の幾何平均で表されるとした[11]

Cassieモデル

Cassieは、2種類の表面で構成されている複合面の接触角について、以下の考えを提示した。ある液体に対して接触角がθ1 になる素材1とθ2 になる素材2で複合面をつくる場合を考える。液滴の大きさに比べて、素材一つ一つの十分に小さくよく混ざっている複合面ならば、界面張力は両素材の界面張力をその面積比で平均したものになると考えてよい。素材1単体での表面張力を γSG,1 、素材2単体での表面張力を γSG,2 、素材1と液体の界面にはたらく界面張力を γSL,1、素材2と液体の界面にはたらく界面張力を γSL,2 とし、複合面における両素材の表面積比を f1 : f2 (f1 + f2 = 1) とする。このとき、複合面としての表面張力 γSG 、液体との界面張力 γSL は、

Cassie-Baxterモデル

素材2が空気の場合、θ2 = 180° なので、f2 = 1 - f1 を考慮して、

Wenzelモデル

以下にWenzelの式の導出を示す。ある液体に対して接触角がθになる平滑固体表面に凹凸をつけて粗面にする場合を考える。液滴の大きさに比べて、凹凸は十分に細かいとする。平らな表面と液滴の全界面自由エネルギーを、

とする。この固体表面に細かな凹凸をつけてその表面積を r 倍にすると、

となる。式の上では表面積は変わらないまま、固体・液体界面の界面張力γSL と固体の表面張力γSG がそれぞれ r 倍になったとみなすことができる。

ロータス効果

前項目で触れた通り、ぬれやすさは表面の形状によっても変わる。実際に自然界に存在している例がハスサトイモの葉である。ハスの葉の表面についた水は丸まって水滴となり、汚れを絡め取りながら転がり落ちる。この自浄効果をロータス効果という。植物の葉は一般的に保護膜となるワックス成分を持っているが、ハスの葉はさらに表面が微細な凹凸構造になっている。もともとワックス成分でぬれにくい面が凹凸構造であることによってますますぬれにくくなり、超撥水表面となっている。ロータス効果は、撥水コーティングの技術に応用されている。


脚注
  1. ^ 物理学辞典編集委員会 『物理学辞典』(三訂版) 培風館、2005年9月30日、1687頁。ISBN 978-4563020941 
  2. ^ 谷村康行 『「非破壊検査」基礎のきそ』(初版) 日刊工業新聞社、2011年4月26日、32頁。ISBN 9784526066757 
  3. ^ 『物理学辞典』(三訂版)、1190頁。
  4. ^ 『基礎のきそ』、32-33頁。
  5. ^ 田中一義; 田中庸裕 『物理化学』 丸善、2010年、451頁。ISBN 978-4-621-08302-4 
  6. ^ 諸貫信行 『微細構造から考える表面機能』 工業調査会、2010年、78頁。ISBN 978-4-7693-1292-5 
  7. ^ a b 中島章 『固体表面の濡れ制御』 内田老鶴圃、2007年、70-74, 86頁。ISBN 978-4-7536-5631-8 
  8. ^ ただし接触角のヒステリシスと転落角は必ずしも相関しない。物理的挙動につながるのは各接触角の余弦の差であり、接触角のヒステリシスは直接的につながるものではない。しかし余弦は接触角90°を境にして符合が変わってしまうため、転落のしやすさを直感的に把握するため、接触角のヒステリシスが便宜的に用いられる。
  9. ^ 中江秀雄 『濡れ、その基礎とものづくりへの応用』 産業図書株式会社、2011年7月25日、21頁。ISBN 978-4782841006 
  10. ^ a b 中島章 『固体表面の濡れ製』 共立出版、2014年、18-22頁。ISBN 978-4-320-04417-3 
  11. ^ 井本稔 『表面張力の理解のために』 高分子刊行会、1992年、79頁。ISBN 4-7702-0056-0 


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