水谷準 水谷準の概要

水谷準

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 07:45 UTC 版)

水谷 準みずたに じゅん
1954年
誕生 納谷 三千男なや みちお[2]
1904年3月5日[1]
北海道函館区[1]
死没 (2001-03-20) 2001年3月20日(97歳没)[1]
職業 推理作家翻訳家編集者
言語 日本語
国籍 日本
最終学歴 早稲田大学文学部フランス文学科卒業[1]
活動期間 1922年 - 2001年
ジャンル 推理小説
ゴルフ[1]
主な受賞歴 探偵作家クラブ賞短編賞(1952年)
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人物

北海道函館区(現在の函館市)船見町の生まれ[1]。当時の函館は幕末に開かれて以来の国際的な港町であった。父はパン屋や外国人の執事をしており、外国人が三千男を「ジョン」と呼んでいたことから、のちに自らのペンネームを「隼」とした[1]。弥生小学校に在学中、鈴木三重吉が創刊した雑誌『赤い鳥』に童謡を投稿して入選した[1]

旧制函館中学(現:北海道函館中部高等学校)中退後、上京して早稲田高等学院に入学。在学中の1922年に博文館の雑誌『新青年』の懸賞に応募した「好敵手」が一等に入選。これが作家への第一歩となった[1]。 1925年に早稲田大学文学部仏文科へ進学し、この年創刊された雑誌『探偵趣味』を翌春から学生のまま手伝い、実質的な編集長として切り盛りするようになった[1]。早稲田大学卒業翌年の1929年、延原謙の後を受けて『新青年』第4代編集長に就いた。1938年に編集長の役職を離れるが、1939年から、太平洋戦争終戦の年である1945年まで再び同誌編集長となった。水谷は編集長として、小栗虫太郎獅子文六木々高太郎、同郷の久生十蘭といった多くの作家をデビューさせた[1]

戦後、『新青年』編集長だったことを理由として公職追放を受け、このため博文館を退社する[3]。1950年10月13日に追放解除[4][5]。この間の1947年(昭和22年)、江戸川乱歩を初代会長として探偵作家クラブが結成され、編集者を退いた水谷のために小冊子『友情録』が編まれた[1]

1952年、「ある決闘」で第5回探偵作家クラブ賞の短編賞を受賞。

ゴルフのうまさは文壇随一と評され、この分野の著作や訳書(ベン・ホーガン『モダンゴルフ』等)も多い[1]

2001年3月20日、肺癌のため97歳で死去した[1]

著作

  • 『水谷準集』(改造社、日本探偵小説全集 第13篇) 1929.11
  • 『殺人狂想曲 : 外二遍』(春陽堂、日本小説文庫) 1932.8
    • 『殺人狂想曲 : 他2編』(春陽堂書店、春陽文庫) 1995.9
  • 『獣人の獄』(新潮社、新作探偵小説全集7) 1935.9
  • 『現代世界探偵小説傑作集』(春秋社 / 松柏館) 1936.3
  • 『エキストラお坊ちやま』(岩谷書店、岩谷文庫) 1946
  • 『ふらんす粋艶集』(日本出版協同) 1953
  • 『暗黒紳士』(東方社) 1955.8
  • 『赤い匕首』(同光社) 1955.9
  • 『薔薇仮面』(東方社) 1956.3
  • 『短篇集』(著者代表、河出書房、探偵小説名作全集11) 1956.10
  • 『瓢庵先生捕物帖』(講談社、ロマン・ブックス) 1958
  • 『水谷準集』(東方社、新編現代日本文学全集50) 1958.9
  • 『夜獣』(講談社、ロマン・ブックス) 1959.7
  • 『水谷準集 : お・それ・みを』(日下三蔵編、ちくま文庫、怪奇探偵小説名作選3) 2002.4 ISBN 4-480-03703-9
  • 『水谷準探偵小説選』(論創社、 論創ミステリ叢書) 2010.9

編書

  • 横溝正史追憶集』(横溝孝子、非売品) 1982.12

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 函館ゆりの人物伝:水谷準 函館市文化・スポーツ振興財団(2023年11月4日閲覧)
  2. ^ a b 鮎川哲也編『怪奇探偵小説集 II』(双葉文庫)所収「恋人を喰べる話」著者紹介
  3. ^ 総理庁官房監査課 編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年2月25日、429頁。NDLJP:1276156 追放理由は「博文館新青年主筆雑誌部長」。
  4. ^ “総理府公告 公職資格訴願審査結果公告第一号”. 官報 (号外116): p. 35. (1950年10月13日) 
  5. ^ 江戸川乱歩『江戸川乱歩全集 第29巻 探偵小説四十年(下)』光文社光文社文庫〉、2006年2月20日、381頁。ISBN 4-334-74023-5 
  6. ^ 『スポーツエコー 1集 ゴルフ・スウィングのリズム』ベースボール・マガジン社、1960年、14頁。 
  7. ^ 横溝正史追憶集 水谷準 編 国立国会図書館サーチ(2023年11月4日閲覧)


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