うえこみがた‐じょさいどうき〔うゑこみがたヂヨサイドウキ〕【植(え)込み型除細動器】
読み方:うえこみがたじょさいどうき
心室頻拍や心室細動など頻脈性不整脈の治療のため患者の体内に植え込まれる小型の医療装置。ICD(implantable cardioverter-defibrillator)。→自動体外式除細動器
[補説] ICDはチタン製の本体と1本または複数のリード線から構成される。本体には電子回路・電池・コンデンサーなどが内蔵され、通常は患者の左胸上部の皮下に植え込まれる。リード線は鎖骨下の静脈から挿入し、心室内の適切な位置に留置される。このリードを通じて心臓の動きを常時監視し、致死性の不整脈を感知すると、適切な電気ショックを発生させ心臓の拍動を正常なリズムに戻す。電池が消耗するため5〜10年ごとに手術をして交換する必要がある。ICDを植え込んだ患者は、通常3〜6か月ごとに定期健診を受け、プログラマーと呼ばれる装置によって体外からICD内の電子回路と交信し、発作時の動作記録や電池残量などを確認する。また病状の変化に必要に応じてICDの設定を変更することもできる。ICDには徐脈性不整脈を治療するペースメーカーの機能も搭載されている。また、左右の心室にほぼ同時に電気ショックを与える機能を搭載したCRT-D(cardiac resynchronization therapy defibrillator)と呼ばれる装置もあり、重症の心不全の治療などに用いられる。
植込み型除細動器
(植え込み型除細動器 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/17 13:48 UTC 版)
植込み型除細動器(うえこみがたじょさいどうき、英語: Implantable Cardioverter Defibrillator, ICD)は、体内植え込み式で、心室頻拍や心室細動などの致死的不整脈への治療を行い、心臓の働きを回復する補助人工臓器(医療機器)である。植え込み型除細動器、埋込型除細動器と表記される場合もある。本ページでは、ICD(アイシーディー)と表記する。またICD治療システムは、電池回路を内蔵するICD本体(いわゆる缶)を中心として構成されるが、このシステム全般を表現するときはICDと、その中で缶のみに言及する際はICD本体と表現する。
- ^ 心臓再同期療法 アボット、2023年1月15日閲覧
- ^ “ICD認定施設 2022年4月1日現在”. 一般社団法人日本不整脈デバイス工業会. 2022年8月12日閲覧。
- ^ “都道府県別ICD,CRT-D植込台数年次推移”. 一般社団法人日本不整脈デバイス工業会. 2022年8月10日閲覧。
- ^ “CNN.COM HEALTH Cheney's history of heart problems”. WebMD.COM. 2022年8月13日閲覧。
- ^ “なかにし礼氏、突然死の恐怖消えた!体内にICD埋め込み [ 2016年6月9日 09:21 ]”. スポニチアネックス. 2022年8月13日閲覧。
- ^ “Christian Eriksen: Inter Milan midfielder not allowed to resume career in Italy due to ICD”. itv.com (2021年10月29日). 2022年2月1日閲覧。
- ^ “エリクセンがデンマーク代表復帰後ゴール 昨夏EUROの心停止からカムバック、出場後わずか2分で得点”. FOOTBALL ZONE (2022年3月27日). 2022年3月27日閲覧。
- ^ 韓国で倒れた苫小牧市長が退院 手術成功、復帰時期は未定 - 共同通信 2023年12月9日
- 1 植込み型除細動器とは
- 2 植込み型除細動器の概要
- 3 ICD植込み手術および植込み施設
- 4 沿革
- 5 関連項目
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