宋書 宋書の概要

宋書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 00:35 UTC 版)

南朝宋のうちに何承天・山謙之・蘇宝生・徐爰らが『宋書』を書いており、沈約はそれらを元に作業することができた[1]。本紀・列伝は1年ほどで完成したが、志の完成には10年の歳月がかかり、完成は梁代に入ってからになる[2]。南朝宋が滅亡(479年)して間もない、まだ多くの関係者が存命の時代に編纂されたために同時代資料を多く収録しており、資料的価値は高い。

北宋の時代には欠落が多くなっていたため、『南史』や高氏(高峻)『小史』などの書を使って補ったという[3]

日本については「夷蛮伝」(いばんでん)の記述の中に、倭の五王と呼ばれる日本の支配者から朝貢が行われたことが記されており、この時代の日本の貴重な資料となっている。なお、「夷蛮伝」は早くに散逸し、遠く10世紀趙匡胤宋代に補われた可能性が指摘されている[4]


  1. ^ 『宋書』巻百・自序に引く上表文
  2. ^ 「楽志」で鄒衍を「鄒羨」と書き、南朝梁の武帝蕭衍の名を避諱しているなどの理由により、志が南朝梁に完成したことがわかる
  3. ^ 四庫全書総目提要』宋書一百巻
  4. ^ 石井正敏 (2005年6月). “5世紀の日韓関係 - 倭の五王と高句麗・百済 -”. 日韓歴史共同研究報告書(第1期) (日韓歴史共同研究): p. 167. オリジナルの2015年10月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151018092747/http://www.jkcf.or.jp/history_arch/first/1/1-03-ishii_j.pdf 


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