力 (物理学) 量子力学

力 (物理学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 09:03 UTC 版)

量子力学

量子力学では、場の量子論により、宇宙における力の源は基本相互作用による、電磁相互作用弱い相互作用強い相互作用重力相互作用の 4つに整理された。ただし、重力は古典論に属する一般相対性理論も関係し、また、重力の量子化(量子重力理論)は研究の途上である。一方で電磁相互作用と弱い相互作用とを統一的に記述する電弱統一理論はワインバーグ=サラム理論によって完成した。その次と言える強い相互作用の統一は大統一理論として研究中である。

その他、主な未解決の問題についての概観は標準模型を参照のこと。

批判

(古典力学の)力は物理学の根幹にかかわるものであるが、力の定義づけは自明ではないともいわれる[1]。アイザック・ニュートンは『自然哲学の数学的諸原理』において力と質量について明確な定義を与えていない。現代的な視点では、ニュートン力学における力は運動の第2法則 F = ma によって定義されるものと解釈されるが、この解釈のもとでは、比例定数の慣性質量 m が未定義な量であるため、力と慣性質量の定義が独立しておらず、不満である。そのため、力と質量の定義を分離すべきという批判がなされている[1]

アメリカ航空宇宙局のサイトでは「自由物体の動きに変化を起こしたり、あるいは固定物体に応力を与える基となる agent(エージェント)[25]」といった説明になっている。

脚注

参考文献

関連項目


注釈

  1. ^ ステヴィンによるこの問題の証明は Epitaph of Stevinus (ステウィヌスの碑)と呼ばれる。Stevinus はステヴィンのラテン語名。
  2. ^ ただし現在用いられるベクトルの記法が発達したのは19世紀以降である[3]
  3. ^ a b 太字の変数はベクトル量を表す。
  4. ^ 力、質量、加速度の順序や記号は単に慣習的なものであり、文献によって様々な表現がある。例えば ma = F のように書かれている文献も数多くある。いずれにせよ、数学上あるいは物理学上の意味は同じである。
  5. ^ 古典力学のうち、非相対論的な力学をニュートン力学と呼ぶ。ただし文献によっては古典力学に相対論を含めないものもある。
  6. ^ この運動量は四元運動量の空間成分である。
  7. ^ 科学技術分野で一般的な国際単位系では質量の基本単位はキログラムである。従ってこの場合の単位質量は 1 kg となる。ヤード・ポンド法では質量の基本単位はポンドとなるため、単位質量は 1 lb となる。
  8. ^ 記号に対する上付きの添字はその量のベキを表す。たとえば A2A × A を意味する。負数のベキは逆数のベキを表し、たとえば B−21/B × 1/B、つまり 1/B×B を意味する。折衷的な表現として B−21/B2 と表すこともしばしばある。
  9. ^ 作用点はまた着力点とも呼ばれる[13]
  10. ^ 関数 f(u) のベクトル u による微分は、ベクトル u の各成分 ui, i = 1, 2, ..., d に対する偏導関数 f/ui を成分に持つベクトル (f/u1, f/u2, ..., f/ud)、つまり勾配を与える。
  11. ^ ここで ·q(t)関数 q(t)t による微分を表す。この微分の記法はニュートンの記法と呼ばれる。
  12. ^ この記法はあまり一般的ではない。一般化力を表す記号としてはしばしば Q が用いられる。

出典

  1. ^ a b c 培風館物理学三訂版 2005, 【力】.
  2. ^ 小出 1997, p. 18.
  3. ^ 湯川 1975, pp. 58–62.
  4. ^ Barbour 2001.
  5. ^ 内井 2006.
  6. ^ Newton's Mathematical Principles of Natural Philosophy, Axioms or Laws of Motion, Corollary I. ウィキソース
  7. ^ Clausius 1850.
  8. ^ Rankine 1853.
  9. ^ 江沢 2005, p. 91.
  10. ^ 新井 2003, pp. 151–152.
  11. ^ 新井 2003, p. 152.
  12. ^ a b 江沢 2005, p. 7.
  13. ^ a b 新井 2003, p. 150.
  14. ^ a b c 新井 2003, p. 151.
  15. ^ ランダウ & リフシッツ 1974, pp. 17–18.
  16. ^ ランダウ & リフシッツ 1974, pp. 18–19.
  17. ^ 江沢 2005, p. 9.
  18. ^ 江沢 2005, p. 6.
  19. ^ a b 江沢 2005, p. 62.
  20. ^ a b 江沢 2005, pp. 4–6.
  21. ^ 巽 1982, pp. 33–31.
  22. ^ Ferziger & Perić 2003, p. 5.
  23. ^ a b 京谷 2008, p. 31.
  24. ^ 今井 1997, p. 13.
  25. ^ "Any external agent that causes a change in the motion of a free body, or that causes stress in a fixed body." Glossary - Earth Observatory, NASA


「力 (物理学)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「力 (物理学)」の関連用語

力 (物理学)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



力 (物理学)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの力 (物理学) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS