三菱・ミニカ 5代目(1984年-1989年)H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型

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三菱・ミニカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 13:28 UTC 版)

5代目(1984年-1989年)H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型

三菱・ミニカ(5代目)
H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型
ミニカセダン5ドア 4WD
(後期型)
エクシード
エコノ ZEO
概要
販売期間 1984年 - 1989年
デザイン アルド・セッサーノ
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
3ドアボンネットバン
駆動方式 FF/4WD
車両寸法
ホイールベース 2,260mm
全長 3,195mm
全幅 1,395mm
全高 1,420mm
車両重量 580kg
テンプレートを表示
リアビュー(セダン5ドア 4WD)
1984年(昭和59年)2月
フルモデルチェンジ。キャッチコピーは「ライバルはリッターカー」。先代のA107A/V型が先々代A103A型のビッグマイナーチェンジ程度の内容であったため、ボディの変更は12年ぶり、プラットフォームに至ってはA100/101型から大きく変わっていなかったため、実質的には15年ぶりの全面改良となった。ウィークポイントであったFRゆえの居住性の悪さを改善すべくFF方式に変更。タイヤを出来るだけ四隅に追いやり、当時としては異例なほどの広い室内空間をアピールポイントとしていた。初の5ドアとなったセダンの車名は再び「ミニカ」に戻り、バンは「ミニカエコノ」を継承。エンジンは従来型のG23B型だが、FF化に合わせて横置きとなったシリンダーブロックは新設計で、加えてカムシャフトの駆動方式もタイミングチェーンからタイミングベルトへと変更されており、名称も「バルカンII」となっている。ターボ車には軽自動車初のインタークーラーが装着され1984年当時では軽最強となるグロス42馬力を発揮し、フロントディスクブレーキが標準で装備された。このグループからはエアコンがオプション設定されるようになる。
なお、1981年(昭和56年)頃の自動車雑誌による経営者インタビュー上で、「(メインユーザーが地方在住、また保守層であることに配慮し)当分ミニカをFFにすることは考えていない」という記述があったが、スズキ・アルトなどの大ヒットに抗いきれず、翻意せざるを得なかったことが窺える。
1985年(昭和60年)8月
セダンに3ドアが復活、エコノにはミニカ史上初のパートタイム4WDが加わった。ターボ車および、ほぼ同期に開発された同社のミニキャブ同様12インチフロントディスクブレーキが標準で装備されており、ホイールのPCDもFFモデルの100mmに対してミニキャブと同じ114.3mmと異なっている。同時に3ドアターボに特別仕様車「ジャッカル」が限定700台で発売。また、5ドアセダン「XL」のフロントブレーキがディスク化され、ホイールサイズは12インチとなった。
1986年(昭和61年)2月
3ドアターボ特別仕様車「ジャッカル」が再び700台限定で発売。エコノに特別仕様車「ライラ」(限定6,000台)と「Gエクストラ」(限定1,000台)を発売。
1986年(昭和61年)4月
3ドアセダンに手動開閉式のキャンバストップ仕様車[注釈 10]を追加。同時にセダン・オープントップターボ特別仕様車「スカイジャック」を限定500台で発売。これは1985年(昭和60年)の第26回東京モーターショーに出品された「ミニカ・ランナバウト」を市販化。脱着可能な「カプセルルーフ」を装備。
1986年6月
エコノに特別仕様車「パセリ」[注釈 11]を限定6,000台で発売。CM出演者は賀来千香子で、1988年の生産終了まで出演した[注釈 12]
1987年(昭和62年)1月
大幅なマイナーチェンジが行われ、エンジンが従来の2気筒(G23B型・バルカンII)から新開発の3気筒(3G81型サイクロン)に変更され、静粛性や動力性能が向上した。これに伴いATはこれまでの2速から3速へ変更。5ドアセダンには4WDが設定される。
1987年(昭和62年)4月
エコノターボにエアロ付きモデル「XR」追加。XRにおいても、キャンバストップ仕様が選択できたが、販売台数は極めて少ない。
1987年5月
5ドアセダンに「パセリ」追加。エコノに「ライラ」「ライラ4WD」追加。
1987年8月
エコノターボに特別仕様車「JACKAL」(ジャッカル)を1,000台限定で発売。
1987年9月
エコノにビスカスカップリング式フルタイム4WD(スタンバイ4WD)が追加。翌年1月にはパートタイム4WDが消滅。
1987年(昭和62年)
エコノウォークスルーバン2WD/4WD追加[注釈 13]。車体架装は東洋工機
1988年(昭和63年)1月
エコノターボに、フルエアロ付きモデル「ZEO」(ゼオ)が発売された。ZEOはスズキのアルトワークス、ダイハツのミラターボTR-XXの対抗馬として発売されたが、当時の馬力戦争において、他社の電子制御方式で64馬力に対し、ZEOは従来のターボ車と同じキャブレターターボエンジンで50馬力であったため、販売台数は少なかった。同時にエコノに充実装備のお買い得な特別仕様車「Tico」(ティコ)シリーズ[注釈 14]や5ドアセダン専用の最上級グレード[注釈 15]「EXCEED」(エクシード)も発売。
1988年5月
エコノのティコGは指針式AMチューナー+カセットステレオ標準装備のティコGサウンドBOXに変更され、ティコシリーズの中間グレードのティコFを追加、5ドアセダンにもティコ(限定1,500台)を発売。
1988年9月
エコノティコGに88年ソウルオリンピック記念車を限定発売。ティコM に地域限定特別仕様車ティコYu、ティコ・ピーター、エコノ4WD・S にピーター4 を発売。

5代目の生産台数は82万4237台[8]


注釈

  1. ^ 1970年5月までは三菱重工業
  2. ^ ただしトラックでの場合。バン(のちのカーゴ)の場合は1961年に初代が発売されている。
  3. ^ ブランド末期のバン最廉価モデル「ライラ」はエアコン・パワステ付きにもかかわらず60万円を切っていた。
  4. ^ 従来型のミニカ73 / ミニカバンのみ引き続き2サイクルを搭載。
  5. ^ 2代目ベースのため、車体幅は拡大されていない。
  6. ^ 但し、商用仕様のために若干ディチューン。
  7. ^ 後部ドアの開閉方式にセダンのアミLは今までと同じガラスハッチを装備。バンのエコノはバンパー上部から開くテールゲート。
  8. ^ H型のシフトパターンを採用しており、シフトブーツも装備されていた。
  9. ^ ミニカターボの登場で三菱は大型トラックから軽自動車までの「フルライン・ターボ」戦略を完成させ、乗用車ではデボネアを除く全車種にターボモデルの設定があった。
  10. ^ ミニカでは最初で最後の存在、後にエコノにも追加。
  11. ^ マイナーチェンジでカタログモデルに昇格した。
  12. ^ 当時賀来は、パジェロでのラリー参戦で三菱に関与していた、夏木陽介の事務所「夏木プロダクション」に所属していた。
  13. ^ 1984年(昭和59年)にダイハツ・ミラにウォークスルーバンが発売されている。
  14. ^ エコノのティコMはエアコン付で発売当時の4速MT車で598,000円。
  15. ^ ミニカ初のパワーウインドウ・集中ドアロックを装備。エンジンは34馬力でエアコンを装備すると110万円程度となった。
  16. ^ 後に2代目日産・プレセア(前期型)のCMに出演。
  17. ^ 自然吸気エンジンも有。燃料供給はシングルキャブレターECIマルチ = 電子式燃料噴射が混在。μ(ミュー)シリーズは全てこのエンジン。
  18. ^ RVRと同じく助手席側が5ドアタイプ・運転席側が3ドアタイプの非対称ドア配置。
  19. ^ これにより、2024年1月現在製造されているSUV、トールワゴン等を含む軽乗用車全般において一時ブランド休止した車種(例・スズキ・セルボマツダ・キャロルスバル・R2ホンダ・ライフホンダ・バモスダイハツ・コペン等。不正事件等により生産・販売を停止した車種は含まれない)を除き最も歴史の長い商標トップ10は
    スズキ・アルトシリーズ(乗用シリーズとしてはワークスやラパン等の派生・横展開モデルを含め7代34年。商用シリーズを含めると通算9代44年。また2024年現在におけるアルトシリーズの基本形は無印アルトとなる)
    ダイハツ・ミラシリーズ(乗用シリーズ全体としてはイース含め通算8代34年(以下、ランクインされているダイハツ車全車(OEM車種含む)は不正事件により現在販売停止中)。貨物車時代を含めると通算9代43年。また2024年現在におけるミラシリーズの基本形はミライースとなる)
    スズキ・ワゴンRシリーズワゴンRスマイル等の派生・横展開モデルを含め6代30年。また2024年現在におけるワゴンRシリーズの基本形は無印ワゴンRとなる)
    ダイハツ・ムーヴシリーズムーヴキャンバス等の派生・横展開モデルを含め6代28年。また2024年現在におけるムーヴシリーズの基本形は2024年現在は既に販売終了となったがムーヴ全体がブランド休止となった訳ではない。)
    スズキ・ジムニー(乗用シリーズとしては3代26年。貨物車時代を含めると通算4代53年)
    スバル・プレオプレオプラス含め4代25年)
    スズキ・エブリイワゴン(乗用シリーズとしては3代24年。商用シリーズを含めると通算6代41年。更に源流となったキャリイバンを含めると通算12代61年)
    マツダ・スクラムワゴン(乗用シリーズ単体としては3代24年。商用シリーズを含めると通算5代34年)
    三菱・eKシリーズeKクロスekスペース等の派生・横展開を含め4代22年。また2024年現在におけるekシリーズの基本形はekワゴンとなる。ただし、燃費不正事件により約3ヶ月間の販売停止期間あり。)
    ダイハツ・タント(4代20年)
    番外として、かつては乗用で販売されていたが現在は貨物車として販売している車種
    ダイハツ・アトレー(貨物・乗用モデルを合算して6代42年。乗用単体としては2代22年に幕。更に源流となったハイゼットバン(現在はカーゴ)を含めると通算11代63年)
    となり、12年以上のリードを保っているミニカの記録は破られていない。

出典

  1. ^ a b デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第73号21ページより。
  2. ^ 360cc軽自動車のすべて―'50ー'70年代の軽自動車総集編!. 三栄書房. (2013). pp. 51. ISBN 9784779618963 
  3. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第21号23ページより。
  4. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第33号21ページより。
  5. ^ 360cc軽自動車のすべて. 三栄書房. (2013). pp. 110. ISBN 9784779618963 
  6. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第39号21ページより。
  7. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第52号25ページより。
  8. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第60号23ページより。
  9. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第58号23ページより。
  10. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第70号21ページより。
  11. ^ デアゴスティーニ・ジャパン 週刊日本の名車第77号21ページより。






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