三菱・ミニカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 13:28 UTC 版)
6代目(1989年-1993年)H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型
三菱・ミニカ(6代目) H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型 | |
---|---|
ダンガン ZZ 550ccモデル | |
ピアチェ4WD 660ccモデル・後期型 | |
バン 660ccモデル・後期型 | |
概要 | |
販売期間 | 1989年 - 1993年 |
ボディ | |
乗車定員 | 2-4人 |
ボディタイプ |
3/4/5ドアハッチバック 3ドアボンネットバン 3ドア軽トールワゴン |
駆動方式 | FF/HCU式フルタイム4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
3G81/3G83 直列3気筒 SOHC 3G81/3G83 直列3気筒 DOHC 15バルブ 3G81/3G83直列3気筒 DOHC 15バルブICターボ |
変速機 | 4MT/5MT/3AT |
サス前 |
前 ストラット 後 3リンク |
サス後 |
前 ストラット 後 3リンク |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,260mm |
全長 | 3,195-3,295mm |
全幅 | 1,395mm |
全高 | 1,465-1,515mm |
車両重量 | 560-750kg |
- 1989年(平成元年)1月
- キャッチコピーは「ハンパだったら、乗らないよ。」。この当時のギャランやミラージュ、ランサーの流れを汲む「オーガニック・フォルム」と呼ばれる曲線を主体とした有機的なボディラインになり、先代で好評だった室内の広さは継承されている。車名はミニカに統一され、当初は3ドア、1:2ドア(右1枚/左2枚)のバンと5ドアのセダンが用意された。CMキャラクターは浅野温子[注釈 16]。
- このモデルには、軽スポーツのスズキ・アルト ワークスやダイハツ・ミラ TR-XX に対抗し、国内の四輪車ではクラス初であり市販車初となる5バルブ 直列3気筒 DOHC ターボエンジン[注釈 17]を搭載し、自主規制値一杯の64psを発揮した「DANGAN」(ダンガン)やトールボーイスタイルの派生モデルである「トッポ」、西友と共同開発した左右非対称となる1:2ドア[注釈 18]の「レタス」等のモデルも登場した。
- また、バブル景気に開発された車種ゆえに最上級グレードのXG(5ドア)・pg(3ドア)には運転席パワーシート、パワーステアリング(当時数少なかった電動パワステ)、パワーウインドウが装備されていた。パワーシートは前後スライドと上下アジャスターのみの簡易型ではあるがメモリー機能も備わっており、エンジン停止後キーを抜くと最後部までシートがオートスライドし、キーを差し込むと設定した位置まで復帰する。
- 登場直後に軽自動車の規格変更があり、550ccエンジン(3G81型)は短期間で660cc(3G83型)に換装された。
- 「ダンガン」は日本の軽自動車の歴史の中でもエポックメイキングな位置付けとなっており、5バルブ DOHC エンジンと言う特殊性から、PS2ゲームソフト 「グランツーリスモ4」にも収録されている。また、1999年に発売されたPSゲームソフト「グランツーリスモ2」には、新規格化された90年式の「ダンガン ZZ」が収録された。
- 1989年5月
- 消費税導入を睨んで3ドアセダンを追加。1:2ドアの「レタス」もセダン化。
- 1989年8月
- これまで貨物登録であった「ダンガン ZZ」が乗用登録となる。同時に「ダンガン Si」、「ダンガン Ri-4」、そして「ダンガン ZZ-4」が追加される。セダンのラインナップ見直しでエアコン標準装備車が増加。自然吸気仕様の DOHC 5バルブエンジン搭載車を追加。
- 1989年10月
- 3ドアセダン「μf」発売。特別仕様車3ドアセダン「ライラ」発売。
- 1990年2月
- マイナーチェンジで新規格化対応(但し「ダンガン ZZ」、「ダンガン ZZ-4」は旧規格のまま併売)。フロントバンパー大型化で+30mm・リヤボディー部分を延長で+70mmそれぞれ拡大。デザインも若干変わっており、5ドアではそれまでの後部座席ドア直後のウィンドウラインの様なくぼみ部分がダクトパネルに置き換わった。3ドアにもクォーターウィンドウを若干縮小した上で同じものが設置されている。フルモデルチェンジからわずか1年1ヶ月でボディシェルを入れ替える手のかかったバブル期ならではのマイナーチェンジとなった。
- ハイルーフ仕様のミニカトッポ(セダン〈実際はトールワゴン〉・バン)販売開始。
- 1990年8月
- 旧規格のままだった「ダンガン ZZ」、「ダンガン ZZ-4」がようやく新規格化。
- 1991年5月
- 一部車種体制を見直し。「ダンガン ZZ」にATを追加。
- 1992年1月
- マイナーチェンジ。主にフロントバンパー、フロントウィンカー、ヘッドライト、ボンネットのデザイン変更を伴うフェイスリフトで質感が向上した。30周年記念車の「ミラノ」と「ピアチェ」を発売。「ダンガン ZZ」をベースに4輪ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、リアELR3点式シートベルトなどを追加した「ダンガン ZZ-LIMITED」を追加発売。
- 1992年8月
- 30周年記念車の「ミラノ」と「ピアチェ」を小変更。
- 1993年1月
- 一部変更。30周年記念車「ミラノリミテッド」、「ミラノ 4WD」発売。
6代目の生産台数は78万1259台[9]。
-
1:2ドアセダン レタス(550cc) フロント
-
1:2ドアセダン レタス(550cc) リア
-
5ドアセダン XF-4(660cc) フロント
注釈
- ^ 1970年5月までは三菱重工業。
- ^ ただしトラックでの場合。バン(のちのカーゴ)の場合は1961年に初代が発売されている。
- ^ ブランド末期のバン最廉価モデル「ライラ」はエアコン・パワステ付きにもかかわらず60万円を切っていた。
- ^ 従来型のミニカ73 / ミニカバンのみ引き続き2サイクルを搭載。
- ^ 2代目ベースのため、車体幅は拡大されていない。
- ^ 但し、商用仕様のために若干ディチューン。
- ^ 後部ドアの開閉方式にセダンのアミLは今までと同じガラスハッチを装備。バンのエコノはバンパー上部から開くテールゲート。
- ^ H型のシフトパターンを採用しており、シフトブーツも装備されていた。
- ^ ミニカターボの登場で三菱は大型トラックから軽自動車までの「フルライン・ターボ」戦略を完成させ、乗用車ではデボネアを除く全車種にターボモデルの設定があった。
- ^ ミニカでは最初で最後の存在、後にエコノにも追加。
- ^ マイナーチェンジでカタログモデルに昇格した。
- ^ 当時賀来は、パジェロでのラリー参戦で三菱に関与していた、夏木陽介の事務所「夏木プロダクション」に所属していた。
- ^ 1984年(昭和59年)にダイハツ・ミラにウォークスルーバンが発売されている。
- ^ エコノのティコMはエアコン付で発売当時の4速MT車で598,000円。
- ^ ミニカ初のパワーウインドウ・集中ドアロックを装備。エンジンは34馬力でエアコンを装備すると110万円程度となった。
- ^ 後に2代目日産・プレセア(前期型)のCMに出演。
- ^ 自然吸気エンジンも有。燃料供給はシングルキャブレターとECIマルチ = 電子式燃料噴射が混在。μ(ミュー)シリーズは全てこのエンジン。
- ^ RVRと同じく助手席側が5ドアタイプ・運転席側が3ドアタイプの非対称ドア配置。
- ^ これにより、2024年1月現在製造されているSUV、トールワゴン等を含む軽乗用車全般において一時ブランド休止した車種(例・スズキ・セルボ、マツダ・キャロル、スバル・R2、ホンダ・ライフ、ホンダ・バモス、ダイハツ・コペン等。不正事件等により生産・販売を停止した車種は含まれない)を除き最も歴史の長い商標トップ10は
スズキ・アルトシリーズ(乗用シリーズとしてはワークスやラパン等の派生・横展開モデルを含め7代34年。商用シリーズを含めると通算9代44年。また2024年現在におけるアルトシリーズの基本形は無印アルトとなる)
ダイハツ・ミラシリーズ(乗用シリーズ全体としてはイース含め通算8代34年(以下、ランクインされているダイハツ車全車(OEM車種含む)は不正事件により現在販売停止中)。貨物車時代を含めると通算9代43年。また2024年現在におけるミラシリーズの基本形はミライースとなる)
スズキ・ワゴンRシリーズ(ワゴンRスマイル等の派生・横展開モデルを含め6代30年。また2024年現在におけるワゴンRシリーズの基本形は無印ワゴンRとなる)
ダイハツ・ムーヴシリーズ(ムーヴキャンバス等の派生・横展開モデルを含め6代28年。また2024年現在におけるムーヴシリーズの基本形は2024年現在は既に販売終了となったがムーヴ全体がブランド休止となった訳ではない。)
スズキ・ジムニー(乗用シリーズとしては3代26年。貨物車時代を含めると通算4代53年)
スバル・プレオ(プレオプラス含め4代25年)
スズキ・エブリイワゴン(乗用シリーズとしては3代24年。商用シリーズを含めると通算6代41年。更に源流となったキャリイバンを含めると通算12代61年)
マツダ・スクラムワゴン(乗用シリーズ単体としては3代24年。商用シリーズを含めると通算5代34年)
三菱・eKシリーズ(eKクロスやekスペース等の派生・横展開を含め4代22年。また2024年現在におけるekシリーズの基本形はekワゴンとなる。ただし、燃費不正事件により約3ヶ月間の販売停止期間あり。)
ダイハツ・タント(4代20年)
番外として、かつては乗用で販売されていたが現在は貨物車として販売している車種
ダイハツ・アトレー(貨物・乗用モデルを合算して6代42年。乗用単体としては2代22年に幕。更に源流となったハイゼットバン(現在はカーゴ)を含めると通算11代63年)
となり、12年以上のリードを保っているミニカの記録は破られていない。
出典
- ^ a b デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第73号21ページより。
- ^ 360cc軽自動車のすべて―'50ー'70年代の軽自動車総集編!. 三栄書房. (2013). pp. 51. ISBN 9784779618963
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第21号23ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第33号21ページより。
- ^ 360cc軽自動車のすべて. 三栄書房. (2013). pp. 110. ISBN 9784779618963
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第39号21ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第52号25ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第60号23ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第58号23ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第70号21ページより。
- ^ デアゴスティーニ・ジャパン 週刊日本の名車第77号21ページより。
- 1 三菱・ミニカとは
- 2 三菱・ミニカの概要
- 3 2代目(1969年-1972年)A100/101・A100/101V・H-A104/105V・J-A106V型
- 4 3代目(1972年-1977年)A103A・C-A104A型
- 5 4代目(1977年-1984年)A105A/106A・A107A/V型
- 6 5代目(1984年-1989年)H11A/V・H12V・H14A/V・H15A/V型
- 7 6代目(1989年-1993年)H21A/V・H22A/V・H26A/V・H27A/V型
- 8 7代目(1993年-1998年)H31A・H32A/V・H36A・H37A/V型
- 9 8代目(1998年-2011年)H42A/47A・H42V/47V型
- 10 車名の由来
固有名詞の分類
- 三菱・ミニカのページへのリンク