ボンバーキング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 03:48 UTC 版)
ジャンル | アクション |
---|---|
対応機種 |
ファミリーコンピュータ (FC) MSX2 |
開発元 |
ハドソン エイコム |
発売元 |
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ディレクター | おおたひろし |
デザイナー | 竹森得泰 |
プログラマー |
笹川敏幸 おかだひろゆき |
音楽 |
井上大介 国本剛章 |
美術 |
山本次行 松浦浩司 輪島智美 桑原美生 増尾隆幸(パッケージデザイン) |
シリーズ | ボンバーマンシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | 1.25メガビットロムカセット[1] |
発売日 |
FC![]() ![]() ![]() MSX2 ![]() |
その他 |
型式![]() ![]() |
その後MSX版が1988年に発売され、続編として、サンソフトからゲームボーイ用ソフト『ボンバーキング シナリオ2』(1991年)が発売された。
ゲーム内容
爆弾で障害物となるブロックを破壊しながら先に進むという点ではボンバーマンシリーズ(以下『ボンバーマン』)と同じであるが、ゲームシステムなどは『ボンバーマン』とは大幅に異なっている。またグラフィックも、主人公をはじめ全体的に機械的・生物的な外見をした、SFの要素が強く現れている。
大きな相違点は以下の通り。
- 残機(プレイヤーストック)制ではなく、ライフ制になっている。
- 時間経過とともにライフが減っていく。
- 爆弾の使用回数が有限である。
- 爆風が円形に広がる(上下左右と斜め方向にそれぞれ1マス)。
- 爆弾が爆発するまでの時間が極端に短い。
- 爆弾を置くと、自動的に主人公が後退する。
また、パスワードのような電源オフ後の再開機能がない。
システム
ステージにはいくつか種類があるが、どのステージでも敵を倒し、ブロックを破壊しつつ進んで右端にある出口から脱出することが目的となる。出口はアイテムの「カギ」を取ると開いて入れるようになる。
『ボンバーマン』と違って制限時間はないが、主人公にはライフが設定されており、これは敵の攻撃だけでなく時間の経過によっても減少する。ただしライフは特定のアイテムにより回復が可能で、ステージクリア時にも全回復する。前述の通り残機制ではないため、ライフが尽きるとその場でゲームオーバーになる。リセットボタンを押すか電源を切るかしない限りコンティニューが可能だが、持っていたアイテムは減らされスコアも0となり、一定の法則の元、前のステージに戻っての再開となる(詳細は#ステージおよび#セレクトアイテムを参照)。
主人公の性能
前作では地形の関係上、主人公は上下左右にしか動けなかったが、本作では斜めにも移動することができる。また本作の主人公は、爆弾だけでなくビーム(飛び道具)も使うことができる。
- 爆弾
- ブロック(障害物)を破壊する主な手段、攻撃範囲は周囲8マスで、隣接するブロックが全壊、斜め隣のブロックが半壊する。半壊グラフィックは爆風の向きに応じて個別に用意されており、爆風を浴びた斜め部分が破壊された形になるが、同じ方向から爆風を浴びせても完全に破壊できる。攻撃力は高くボス以外の敵なら一撃で倒せるが、『ボンバーマン』と同じく主人公も爆風を浴びるとやられてしまう(正確には大きなダメージを受けるというだけで、ゲームが進めば一発ではやられなくなる。詳細は後述。)。
- 本作では爆弾の数には限りがあるので、残り個数にも気をつけなくてはならない。ザコ敵を倒すと必ず落とすので、これで補充が可能(1個)。右方向からは常に飛行タイプの敵が出現するので、これを効率よく倒して爆弾を補充することも重要である。他に、ブロックなどに隠された特定のアイテムを取ることでも補充できる(10個)。
- 『ボンバーマン』と違い、攻撃範囲も威力も固定。連続して設置できるのは2つまでだが、本作では同一の場所に重ねて設置することができる。また誘爆することはなく、ブロックとしての判定も持っていないため、すり抜けることも可能ではある。
- 前述のとおり、爆弾を置くと自動的に主人公が後退するので、『ボンバーマン』のように歩きながら爆弾を置くと一度後退してから爆弾に向かって突進することになり、ほぼ確実に自滅することになる。誤操作による自爆を防ぐには、周囲の安全を確認し、退路を確保してから逃げたい方向に背を向けて爆弾を置く必要がある。
- ビーム
- 無制限に使用できるため、実質的に敵を倒すための通常武器となる。3連射が可能で、通常は主人公の前方に向かって放たれる。主人公は斜め移動中も上または下を向くため、斜めに撃つことはできない。威力は低く、何発も撃ち込まないと倒せないザコ敵もいる。
トラップ等
特殊ステージやボーナス面のほかに、以下のようなフィーチャーがある。
- 水地形(川・池)
- 不用意に入るとナイトは沈み始め、数秒間で残りライフに関係なくゲームオーバーとなってしまう危険な地形。ここを越えるにはウォータープルーフが必要だが、幅が狭ければアイテムなしで渡りきる事も可能。沈んでいる間はナイトの移動速度が低下する上にアイテム使用・選択ができなくなる。
- マジックブロック
- 破壊不可能なブロックに擬態した、耐久力のあるブロック。耐久力は爆弾2~7発分と場所により異なる。通常の爆弾でしか壊すことはできず、その他の武器は一切効かない。ごく一部、カギやメガトン爆弾などのアイテムが隠されているものもある。
- ダブルポイント
- 特定の水地形の中に隠されているボーナスポイント。ここに来ると画面がフラッシュし、セレクトアイテム(ウォータープルーフ・ランプ・メガトン爆弾を除く)と爆弾の数が2倍になる。更に、その場の敵も全滅する。マジックブロックで塞がれている場合が多い。
その他
本作にはRPGのような成長システムが存在し、スコアが一定の値になるごとに主人公がレベルアップするようになっている。レベルが上がるとライフの最大値が上昇し、最終的には爆弾の爆風2発程度には耐えられるようになる。レベルアップの条件となるスコアは以下のとおり[2]。コンティニューでスコアが0になっても、このレベルはそのままになる。ちなみに爆弾で受けるダメージは「10万ポイント」[3]。
レベル | 必要スコア | ライフ最大値 |
---|---|---|
1 | 0 | 10万 |
2 | 80,100 | 12万5千 |
3 | 180,100 | 15万 |
4 | 300,100 | 17万5千 |
5 | 500,100 | 20万 |
6 | 800,100 | 22万5千 |
7 | 1,000,100 | 25万 |
8 | 1,200,100 | 27万5千 |
アイテム
敵が出す爆弾以外のアイテムは全て赤いパネル状になっており、本作ではストックしておいて任意に使用できるものもある[2]。アイテムは基本的に破壊可能ブロックの中に隠されている。しかし爆弾の所持数と爆風の範囲の制限の為、悠長にブロックを破壊する余裕が無く、アイテムを入手する機会が限られることも難易度を上げている一因といえる。なお、『ボンバーマン』と違って爆弾の爆風で壊れることはない。
非セレクトアイテム
『ボンバーマン』と同様、取った瞬間に効果が発動するアイテム。秘宝とカギ以外は破壊可能ブロックの中からランダムに出現するほか、地下ボーナス面でも手に入る。
- スーパーボム
- 導火線の付いた丸い爆弾が描かれたパネル。取ると爆弾が10個補充される。決まった場所に配置されているものもある。
- パワーボール
- アルファベットの「P」が書かれたボールが描かれたパネル。取るとビームの射程(アイテムセレクト画面に「RANGE」で表示)が1ブロック分伸びる。ゲームオーバーになると初期状態に戻る。
- タイムエキスパンド
- ライフの表示のような棒が描かれたパネル。取るとライフが最大値の10%分回復する。
- (超)[4](まるちょう)
- 「超」の漢字(日本国外版では盾)が書かれたパネル。取ると約15秒間バリアが付いて無敵となり、ザコキャラを体当たりで倒せるようになる。ただし水地形への水没や時間によるライフの減少は防げない。
- ハチ助
- ハドソンのマスコット「ハチ助」が描かれたパネル。セレクトアイテム(ウォータープルーフ・ランプ・メガトン爆弾を除く)のどれか一つがランダムで手に入る。
- アワードメダル
- 缶のようなものが描かれたパネル。前述の通りショップで使う通貨のようなアイテムで、集めた数に応じてアイテムを購入できる。
- ポイントアイテム
- 漢数字(日本国外版では星)が書かれたパネル。「百/一つ星(100点)」「千/二つ星(1,000点)」「万/三つ星(10,000点)」「十万/四つ星(100,000点)」の4種類があり、取るとそれに応じたスコアが加算される。
- 秘宝
- 台座に乗った水晶のようなものが描かれたパネル。前述のとおり、取るとループステージのループが解除される。隠された場所は決まっている。
- カギ
- その名のとおりカギが描かれたパネル。取るとステージの出口が開く。本作は一方向スクロールであるため、必ず右端の画面にある。秘宝と同様、決まった場所に隠されている。
セレクトアイテム
取るとセレクト画面にストックされ、任意のタイミングで使用できるアイテム。大抵はセレクトボタンでセレクト画面を呼び出しAボタンで選択、その後もう一度Aボタンを押すと効果を発揮する。キャンドル~クロスファイアの7つは、非セレクトアイテムと同様にブロックから出現したり、地下ボーナス面に存在する。ウォータープルーフ以下の3つはレアアイテムとも呼べるもので、決められた場所にのみ隠されていて数も少ない。コンティニューすると、これらのアイテムはすべて半分に減る(端数は切り上げ)。
- キャンドル
- その名のとおり蝋燭が描かれたパネル。ブラックステージのような暗闇で使うとナイトの周囲(5×5から四隅を除く範囲、主人公を含む21ブロック分の面積)を明るく照らし、地形やアイテムが見えるようになる。効果は25秒間ほど持続する。決まった場所に配置されているものもある。
- なおこのアイテムと下記のランプは、選択したままゲーム画面に戻るだけで発動する。
- エキストラ
- アルファベットの「E」が書かれた機械が描かれたパネル。使うとライフが全回復する。決まった場所に配置されているものもある。
- タイムストッパー
- ストップウオッチのような時計が描かれたパネル。使うと敵全体を10秒間(モンスターステージでは1秒間)ほど停止出来る。
- スーパーチャージャー
- 靴が描かれたパネル。使うとナイトの移動速度が25%上昇する。効果の持続時間は20秒間。
- ハイパーミサイル
- ミサイルが描かれたパネル。使うとナイトの体が向いている方向へ一直線に飛んでいき、軌道上のすべての敵・ブロックを破壊する。また、ボスキャラにもある程度のダメージ(爆弾の2倍)を与えられる。ただし破壊不可能なブロックやボスキャラに当たると消えてしまううえ、マジックブロックにはダメージを与えることができない。決まった場所に配置されているものもある。
- フラッシュ
- 稲妻が描かれたパネル。使うと画面上のザコ敵が全滅する。ボスキャラにも若干のダメージ(爆弾の1/2、特定のボスのみ爆弾と同じ)を与えられる。
- クロスファイア
- ビームが4方向に飛んでいる絵が描かれたパネル(ファミコンの十字キーにも似ている)。その絵のとおり、使うと上下左右の4方向に同時にビームを放てるようになる。効果の持続時間は35秒間。なお、効果時間中は連射数が2連射になる。
- ウォータープルーフ
- 浮き輪が描かれたパネル。使うと水地形に沈まなくなり、歩いて渡れるようになる。ただし効果は20秒間で切れるので、長時間水上にいるときは時間切れの前に再度使う必要がある。時間切れ寸前になると足元の水しぶきが点滅するので、これで有効時間を見極めることが可能。ランプやメガトン爆弾とは違い通常のブロックの中にも存在するが、場所は全て決まっておりランダムでは出現しない。
- ランプ
- その名のとおり、ランプが描かれたパネル。キャンドルの上位版で範囲は画面全体に及び、更にそのステージに限り効果は切れる事がない。
- メガトン爆弾
- ウォータープルーフに似ているが、中央に穴のない円盤状のものが描かれている。威力、範囲ともに最強の攻撃アイテムで、使うと画面上すべての敵とブロックを破壊できる。また、ボスキャラにもかなりのダメージ(通常の爆弾の4倍)を与えられる。ただし破壊不可能なブロックはもちろん、マジックブロックにも効果は無い。
- ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、57頁。
- ^ a b c 詳細なデータは参考文献による。
- ^ 日本国外版では「4万ポイント」に変更され、自滅の可能性が減った。
- ^ 参考文献によると、正式な表記は"超"を丸囲みにしたものである。
- ^ 桜田名人のtwitter 2020年6月23日
- ^ a b “ボンバーキング まとめ [ファミコン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年2月19日閲覧。
- ^ “RoboWarrior for NES (1987)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年2月18日閲覧。
- ^ 『ファミコン通信』第14号、アスキー、1987年7月10日。
- 1 ボンバーキングとは
- 2 ボンバーキングの概要
- 3 ストーリー
- 4 主題歌
- 5 備考
固有名詞の分類
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