ビルボード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/18 06:18 UTC 版)
オランダの複合企業、ニールセン・カンパニー傘下であったが、2009年に売却され、プロメテウス・グローバルメディア傘下になり、2018年現在、エルドリッジ・インダストリーズの傘下になる。
かつては『キャッシュボックス』(1942年創刊・1996年廃刊)、『レコード・ワールド』(1964年創刊・1982年廃刊)、『ラジオ&レコーズ』(1973年創刊・2009年廃刊)を含めて米国の4大音楽チャートであった。
歴史
1894年11月1日に『ビルボード・アドバタイジング』 (Billboard Advertising) という誌名で創刊。創設者はWilliam H.Donaldson とJames H. Hennegan。オハイオ州シンシナティで産声をあげた。1897年に『ビルボード』に改称。創刊当初は、サーカスや移動遊園地などを取り上げていた。誌名はその頃の名残であり、巡業の日付を貼り付ける掲示板から付けられたものである。次第に音楽を取り扱う記事数が増え、1961年、サーカスや移動遊園地などを扱う『アミューズメント・ビジネス』 (Amusement Business)、音楽を扱う『ビルボード・ミュージック・ウィーク』 (Billboard Music Week) の2誌に分割。その後『ビルボード・ミュージック・ウィーク』は1963年に『ビルボード』に改称し、『ビルボード』の誌名が復活した。
1914年、ビルボードは初めて全米のポピュラーソングチャートを掲載。1936年1月4日には初めて全米のジュークボックスで流れたヒット曲の一覧を発表し、1940年7月27日号で初めて独自の統計から割り出したヒットチャートを「音楽人気チャート」 (Music Popularity Chart) のコーナーを設けて独立ページで掲載した(この時掲載されていたのはジュークボックス、ラジオ、楽譜、レコードの4部門であった)。1958年8月4日以後、シングルの販売とラジオ局でのリクエストなどを元にホット100 (Hot 100) という100曲の最も流行している音楽チャートを掲載している。また、2005年2月12日から2009年までホット100とは別にシングルの販売、パソコンへのダウンロード、アメリカのトップ40ラジオ局のリクエストなどを元にしたポップ100 (Pop 100) というチャートも掲載されていた。
1970年12月には日本特集号を出版し、数十ページに渡って日本の音楽業界の状況について報じた[1]。
1976年7月第1週のチャートは、本来ならば1976年7月3日付となるはずであるが、アメリカ合衆国建国200年記念日の1976年7月4日付にチャートの日付を1日ずらしている。
また、1970年から『American Top 40』というビルボード誌提供の音楽番組が毎週全米で放送され続けてきた。もっとも長くDJを務めたのは1970年から1988年8月と中断をはさんで1998年から2004年までこの番組にかかわったケイシー・ケイサムである。1988年8月から1994年2月まではシャドー・スティーヴンズが、2004年からケイサムに代わってはライアン・シークレストが務めている。この番組はアメリカ国内だけにとどまらず英語圏各国や日本など世界中でも放送され、番組の隆盛とともにビルボードはアメリカのチャートの代名詞として世界を席巻することになる。とりわけ日本にはビルボードに熱い思い入れを思ってるチャートファンが多く、世界で唯一ビルボードトップ40のテレビ番組(テレビ神奈川)やビルボードの名を冠したクラブが存在している。ただし、現在放送中のAmerican Top 40は名目上、ビルボードのチャートを使用していない。詳細は下記(#集計方法の変更に伴うチャートへの影響)参照。
2020年9月15日、ビルボードは世界200か国以上のダウンロードとストリーミングのデータにより集計したグローバル・チャート、グローバル200(Global 200)と、グローバル200からアメリカのデータを除外したグローバル・エクスクルーディング・U.S.(Global Excl. U.S.)というチャートの発表を開始した[2][3]。
現在のビルボード誌
ビルボードは音楽だけでなく、DVDやビデオ、さらにはインターネット配信まで幅広く取材し、ニュースやオピニオン記事を掲載している。内容は専門的な記事が多く、レコード会社の社員やクラブDJを対象にしたものであり、一般の音楽誌にあるような話題には乏しい。一部の書店で取り扱っているが、一般の書店で見ることはめったに無い。日本のコンフィデンス誌が同種。
- ^ Billboard 19 Dec 1970
- ^ 米ビルボード、世界200以上の地域のストリーミングとダウンロードに基づいたグローバル・チャート発足、Biiboard JAPAN、2020年9月15日。
- ^ 米ビルボードの新グローバル・チャートにおける地域ごとの割合を分析 J-POPは何曲チャート・イン?、Biiboard JAPAN、2020年9月17日。
- ^ 【ビルボード最新ニュース】Ne-Yoのシングル、アルバムの効果でチャート上昇! 株式会社まぐまぐ 2007年5月12日配信
- ^ 【ビルボード最新ニュース】Chris Brownが9月にニューアルバム『Exclusive』をリリース!先行シングルは「Wall To Wall」に決定! 株式会社まぐまぐ 2007年5月19日配信
- ^ TALKへ行きたい 第70回(1/3) 作家・音楽プロデューサー・NPO法人ミュージックソムリエ協会 会長佐藤 剛さん、CDV-NET、2016.10。
- ^ “阪神、ビルボードと提携 ライブハウスを来夏開業”. 共同通信 (2006年9月14日). 2013年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月15日閲覧。
- ^ “日本版ビルボードチャート始まる オンエア数も加味”. 朝日新聞社. 2008年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月15日閲覧。
- ^ “大好きなアーティストを1位に ストリーミング回数を操作する熱狂的ファンたち”. BuzzFeed. (2018年10月28日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ “防弾少年団(BTS)全米1位獲得は“チャート不正操作”だった? 空前の快挙があぶり出した「K-POPの闇」”. excite.ニュース. (2018年9月30日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ “Fans Are Spoofing Spotify With "Fake Plays," And That's A Problem For Music Charts” (英語). BuzzFeed News. (2018年9月13日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ “クリス・ウー、ソロ・デビューAL収録曲が米iTunesチャート上位を独占するもニールセンが調査中”. billboard JAPAN. (2018年11月9日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ “Kris Wu’s Album ‘Antares’ Debuts at No. 100 on Billboard Chart Amid Sales Controversy” (英語). Variety (2018年11月14日). 2018年11月14日閲覧。
- ^ “KRIS(元EXO)に米iTunesチャートの順位操作疑惑…不正行為と見なされビルボード順位から除外”. WoW!Korea. (2018年11月8日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ “アリアナ&ジャスティン、全米No.1デビュー獲得を感謝/チャート不正をきっぱり否定”. billboard JAPAN. (2020年5月19日) 2020年9月2日閲覧。
- ^ “Ariana Grande, Justin Bieber respond to Tekashi 6ix9ine's claim they stole top chart spot” (英語). NBCNews. (2020年5月19日) 2020年9月2日閲覧。
- ^ “韓国大手配信サービス Melon、リアルタイムチャート廃止 ファンによる過剰な“スミン”行為の影響を解説”. Real Sound. (2020年7月14日) 2020年9月2日閲覧。
- ^ “「音源総攻撃」Kポップの危険な影”. 東亜日報 (2020年8月31日). 2020年9月2日閲覧。
- 1 ビルボードとは
- 2 ビルボードの概要
- 3 チャート
- 4 集計方法
- 5 日本におけるビルボード
- 6 参考文献
ビルボードと同じ種類の言葉
構造物に関連する言葉 | ヌクレオソーム バルジ ビルボード ポンツーン 切り羽支保 |
誌に関連する言葉 | 誌略 誌面 ビルボード フォーリンアフェアーズ 社外報 |
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