スコッチ・ウイスキー 飲み方

スコッチ・ウイスキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/07 16:26 UTC 版)

飲み方

スコッチ・ウイスキーに限らず、ウイスキーにはストレート(ニート[233])、オン・ザ・ロック、ハーフロック、ハイボール水割りカクテル、ミスト、ホットウイスキーなど様々な飲み方が存在する[234][235]

ストレートは「ウイスキー本来の風味を堪能できる」飲み方とされる[236]。ストレートで飲む場合、チェイサーとして水などを用意し、ウイスキーと交互に飲むことが多い[237][238]

「香りの芸術品」と呼ばれるモルトウイスキーの場合、常温で飲むことが望ましく、を入れると香りが損なわれてしまう[234]。水割りについては否定的な見解もある[† 19]が、土屋守によると「割ってもバランスの崩れないしっかりとしたモルトを選び、適度の水を加える」ことで風味を堪能しやすくなることもある。ただし水とモルトウイスキーの比率が重要で、1:1(エタノール濃度が20%ほどになる)以上に水の量を増やすと風味が損なわれてしまう[234]。1:1で割ることをトワイスアップといい、ウイスキーの香りを堪能するのに最適な割合とされる[240][241]。ただし水道水で割ると、そのカルキ臭などのせいで風味を損ねるため推奨されない[234]。低温濾過を行っていないウイスキーに水を加えると成分が析出し、濁りが出ることがある[242]

モルトウイスキーを入れる容器は、多様な飲み方ができるチューリップ型のグラスが最適とされる[243]。薄いグラスを用いると口当たりが柔らかくなりモルトウイスキー本来の風味を感じることができる。そのため風味を堪能したい場合、材質はガラスよりも薄いクリスタルが推奨され[244]、さらに手から体温が伝わらないよう、ステム(脚)のあるグラスが望ましい[244]

スコッチ・ウイスキーは一般的に、カクテルの材料としては不向きとされる。原因の一つとして、果汁や甘いリキュールを加えることでピート香などの特徴が殺されてしまうことが挙げられる[245]

なお、スコッチ・ウイスキーは伝統的に食前酒・食後酒として飲まれてきたが、食中酒としても注目を集めるようになった[246]




注釈

  1. ^ 世界5大ウイスキーとはスコッチ・ウイスキーとアイリッシュ・ウイスキーアメリカン・ウイスキーカナディアン・ウイスキージャパニーズ・ウイスキーをいう[1][2]
  2. ^ 本来は10数種類の混合で足りるが、ある蒸留所のウイスキーが入手できなくなった場合に備えて他の蒸留所で製造された同質のウイスキーも確保するため、種類が増えることになる[16]
  3. ^ 土屋守によると1.2kg[27]、吉村宗之によると500kgに相当[28]
  4. ^ アクアヴィテは蒸留酒全般を指す言葉であり、アクアビットブランデーを指すフランス語「オードヴィー」の語源でもある[30]
  5. ^ a b ダンディー - グリーノック間の想定線以北がハイランド地方、以南がローランド地方である[49]
  6. ^ 土屋守は、1846年穀物法が廃止され穀物の輸入が自由化されたことによる影響を示唆している[50]
  7. ^ スコットランドにおける大麦の収穫期は8月末から9月中旬にかけてである[72]
  8. ^ 伝統的な製法では、ピートのみを燃料として乾燥が行われる。キャンベルタウンのスプリングバンク蒸留所が製造するロングロウはこの製法を採用している唯一のスコッチ・ウイスキーである[82]
  9. ^ スモーキーフレーバーの成分は揮発性フェノール化合物を中心に形成されている[84]
  10. ^ 自家製麦を行っている蒸留所として、アイラ島のラフロイグ、ボウモア、キャンベルタウンのスプリングバンク、オークニー島のハイランドパーク、スペイサイドのバルヴィニー、ベンリアック、東ハイランドのグレンドロナックなどが挙げられる[86]
  11. ^ モルトスターへの外注が始まったのは1960年代から1970年代にかけてである[87]
  12. ^ マッシュタンの素材としては鋳鉄ステンレスなどがある[91]
  13. ^ ただし、熟成終了後の加水には蒸留水を用いるのが一般的である[99]
  14. ^ ウイスキーの発酵において、酵母の増殖に適した温度は20℃ないし35℃である[109]
  15. ^ スピリッツセーフは、再留を終えた蒸留液が課税対象となることから設置された装置で、蒸留液を無断で取り出すことができないよう施錠されている[142]
  16. ^ 冷却器には、水の入った桶の中に通された渦巻状のパイプの中を蒸気が進み冷却されるワームタブ方式のものと、円筒形の装置の中に通されたチューブの中を冷水が流れ、その表面に蒸気が触れることで冷却されるシェル&チューブ方式のものとがあり、2000年代初頭においては設置場所をとらず使用する冷水の量が少ないシェル&チューブ方式が主流である[143]
  17. ^ 20年熟成させると約55%、50年熟成させると約40%に低下するとされる[171]
  18. ^ 実際には樽が手作りであることから、若干のバラツキが出る[188]
  19. ^ 吉村宗之は、「加水すると、風味のバランスは向上するよりも崩れることのほうが圧倒的に多い」、「風味のデリケートなスコッチウイスキーでは、水で薄められると簡単に消えてしまう味や香りもある」と述べている[239]

出典

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