カテナリー曲線 実例

カテナリー曲線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 07:36 UTC 版)

実例

セントルイスゲートウェイ・アーチ

重力下で左右2つの支持物によって張られた、柔軟な線状のもののたるみ(弛度)をあらわす曲線であり、送電線など日常の多くのものに見ることができる。空中架線方式の電気鉄道においてはカテナリーという語でトロリ線(パンタグラフやポールなどに直接接触し給電する裸電線のこと。詳細は架空電車線方式の記事を参照)を指す場合がある。

斜張橋のケーブルもカテナリーになる。吊橋に多く見られる、メインケーブルからハンガーロープで構造を吊ったものでは、メインケーブルは、カテナリーと放物線の中間の形状になる。

アーチ橋のような構造について考える。アーチ橋を、カテナリーを重力方向について上下逆向きにした形状にすると、通常のカテナリーの逆に、全ての部材に圧縮力がかかることになり、力学的に安定する。このためカテナリーを逆にした形状もまた、建築・橋梁において用いられる。著名なものではガウディの建築が、しばしば「放物線状」としてそのスタイル(風体)を指して言及されているが、これは布と石を用いた逆さ吊り模型を設計図としており、部分的にカテナリー曲線を用いてはいるが、そのほとんどは放物線が構成しているので間違いではない。線材や、面材の中心線が垂れればカテナリー曲線、面材の中心点がたわめば放物線となる。

自然界では、蜘蛛の巣のそれぞれの糸も、両端の接点で支持されて張られており、カテナリーになっている。

電線

電力線などを敷設する場合、使用する電線の長さは電線は自重によるたるみを考慮し、実際の径間よりも長い電線を用意する必要がある。

径間 S [m]、たるみ D [m]、電線の水平張力を T [N]、電線 1 [m]あたりの重量W [N/m]としたとき、それぞれの関係は、次のようになる。ここで、sinh, cosh などは双曲線関数である。

吊られているチェーンは懸垂線になる。
  • クモの巣では、複数の懸垂線 (あるいはそれに近い形状) が見られる。
  • スペイン、バルセロナのガウディのカサ・ミラの屋根の上のアーチ[1]
  • 設置工事中の懸垂線アーチ窯。型枠を使って作られている (2007年)。

    1. ^ Sennott, Stephen (2004). Encyclopedia of Twentieth Century Architecture. Taylor & Francis. p. 224. ISBN 978-1-57958-433-7 






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