アメリカ風中華料理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/27 08:09 UTC 版)
地域によるアメリカ風中華料理の特色
サンフランシスコ
1990年代前半以降、カリフォルニア料理の影響を受けて多くのアメリカ風中華料理店がサンフランシスコやベイエリアに店を構えた。アメリカ風中華料理の代表的な料理はメニューにあるが、この他に新鮮な野菜に重点を置いた料理があり、ベジタリアンに優しい料理となっている。
この新しい料理はマンゴーや亜熱帯地方で栽培されるマッシュルームといった食材を使用するという特徴がある。また、白米の代わりに玄米もしばしば用いられる。木須肉に使う春餅を、小麦粉で作ったトルティーヤで代用するレストランもある。このような現象は一般の中華料理レストランでも起こっている。木須肉で使用するための薄いトルティーヤを販売するメキシコ風パン屋も存在している。木須肉本来の味を追求する人々からはこのような傾向は必ずしも快くは思われていない[18]。
一方、サンフランシスコやベイエリアには中国人移民や中国系アメリカ人が多数居住しているため、中国本土の中国料理形式を貫くレストランも多く存在している。広東料理、四川料理、湖南料理、北京料理、上海料理、台湾料理、香港料理に特化したレストランがあるほか、魚介料理、 香港スタイルの食堂 (Cha chaan teng - 茶餐廳、拼音: としても知られている)、飲茶店、火鍋レストランなどの専門中華料理店もある。チャイナタウンの多くの地区ではタピオカティー(boba milk tea)店、焼味、精進料理(vegetarian cuisine、素食)、中国菓子店などの中国食材店が軒を連ねる。チャプスイはサンフランシスコではさほど一般的な料理ではなく、サンフランシスコの炒麺はアメリカ中西部の炒麺とは違いがある。
中国語のメニュー名が記された本格的な中華料理店では、大量生産された典型的なアメリカの鶏肉ではなく、黄毛鶏 (Yellow-hair chicken、黃毛雞、イェール式: wòhng mouh gāai,拼音: 、地鶏のこと)が食材として使用される。黄毛鶏はその味わいに価値があるが、肉の脂肪分が少なく筋肉質であることから柔らかい触感を残すために適切に料理することが求められる。この料理は英語で書かれたメニューには通常は記載されていない。
豆苗(拼音: )は1990年代前半より人気が出た中国野菜で、現代では英語のメニューで「pea shoots」として表示されるだけでなく、非アジア系レストランでもよく使用されている食材となっている。元々は一年の内数ヶ月しか使用できない食材であったが、近年では一年中利用可能となっている。
ハワイ
ハワイ風中華料理はアメリカ本土とは少し異なる形で発展している。ハワイの民族的な多様性や歴史的経緯により、ハワイの中華料理は異なる文化の伝統料理が融合して出来上がったハワイ料理の一部を形成している。中華料理はハワイのプレートランチの一部としてよく見られる料理である。叉焼包をピジン語で豚肉のケーキを意味するマナプア(Manapua)と呼ぶなど、料理名も本来の中国名とは異なっており、使用する食材にも独自性が見られる。
- ^ Ch Six, "The Globalization of Chinese Food: The Early Stages," in J. A. G. Roberts. China to Chinatown: Chinese Food in the West (London: Reaktion, 2002) ISBN 1861891334.
- ^ Andrew Coe Chop Suey: A Cultural History of Chinese Food in the United States (New York: Oxford University Press, 2009).
- ^ “Sweet & Sour: A Look at the History of Chinese Food in the United States”. Smithsonian Asian Pacific American Center. Smithsonian National Museum of American History. 2013年12月17日閲覧。
- ^ “If MSG is so bad for you, why doesn't everyone in Asia have a headache?”. The Observer (2005年7月10日). 2013年12月17日閲覧。
- ^ “American Chinese cuisine”. Beijing Tourism Administration (2011年11月14日). 2013年12月17日閲覧。
- ^ “Chef Ming Tsai wants you to have a Chinese friend”. CNN (2011年1月19日). 2013年12月17日閲覧。
- ^ “Solving a Riddle Wrapped in a Mystery Inside a Cookie”. The New York Times. (2008年1月16日)
- ^ Fried Wonton, About.com
- ^ Fried Wontons Recipe, BlogChef.net
- ^ Fried Wontons Recipe, ThaiTable.com]
- ^ Fried Wontons (Zhá Yúntūn), Chow.com
- ^ Chinese New Year: Fried Wontons, FromAway.com
- ^ Fried Wontons Recipe, RasaMalaysia.com
- ^ Chinese restaurants ready for year's busiest night » Merrimack Valley » EagleTribune.com, North Andover, MA
- ^ History and Culture: Chinese Food : New University
- ^ Beef and Broccoli | Can You Stay For Dinner?
- ^ The Best Easy Beef And Broccoli Stir-Fry Recipe - Food.com - 99476
- ^ “Mu Shu Tortilla Flats: Chinese restaurant needs better mu shu wraps”. AsianWeek. (2004年2月27日). オリジナルの2007年10月7日時点におけるアーカイブ。 2013年12月17日閲覧. "Everything was well and good with one huge exception: The mu shu wrappers were flour tortillas!"
- ^ a b c d e f g h Tuchman, Gaye, and Harry G. Levine. "New York Jews and Chinese Food: The Social Construction of an Ethnic Pattern." Queens College. Web. <http://dragon.soc.qc.cuny.edu/Staff/levine/SAFE-TREYF.pdf>.
- ^ a b c d e f g Plaut, Joshua Eli. "We Eat Chinese On Christmas." The Jewish Week. N.p., 20 Nov. 2012. Web. 8 Apr. 2013. <http://www.thejewishweek.com/special-sections/literary-guides/we-eat-chinese-christmas>
- ^ a b c Miller, Hanna. "Identity Takeout: How American Jews Made Chinese Food Their Ethnic Cuisine." The Journal of Popular Culture 39.3 (2006): 430-65. Print.
- ^ “Locations - Panda Express”. Panda Restaurant Group. 2013年12月17日閲覧。
- 1 アメリカ風中華料理とは
- 2 アメリカ風中華料理の概要
- 3 地域によるアメリカ風中華料理の特色
- 4 ユダヤ人と中華料理
- 5 アメリカ合衆国内の中華料理チェーン店
- 6 参考文献
- 7 関連項目
- アメリカ風中華料理のページへのリンク