リーマン多様体とは? わかりやすく解説

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リーマン多様体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/13 02:22 UTC 版)

微分幾何学におけるリーマン多様体(リーマンたようたい、: Riemannian manifold)とは、可微分多様体のうちその各点に基本計量テンソル g が与えられるものを言う。ベルンハルト・リーマンによって導入された。

はじめに

リーマン多様体の考え方は1828年にカール・フリードリヒ・ガウスが証明した『Theorema Egregium』までさかのぼる。この定理は曲面の曲率(厳密にはガウス曲率)が、曲面が三次元空間にどのように埋め込まれるかに依存せず、単に角度や長さを定める計量テンソルにのみ依存するというものである。ガウスの弟子であったリーマンはガウスの定理を多様体と呼ばれる高次元空間に拡張した。この応用として、アルベルト・アインシュタイン相対性理論においてリーマン多様体の考え方を利用している。

リーマン距離とは多様体上の各点に与えられた計量テンソルにより、点と点を結ぶ距離を多様化したものである。リーマン距離を用いると、角度や曲線の長さなどの幾何的性質が多様体上で定義可能である。

概要

滑らかな多様体M上の接束(接ベクトル空間の非交叉和集合)の元は多様体の各点に接ベクトル空間を対応させるような対応だと考えられる。おのおのの接ベクトル空間には内積が定義可能である。接束上の内積の集まりを滑らかに多様化すると、接ベクトル空間上で個々の点においてのみ定義されていた内積を多様体上の有限領域のおける類似表現に拡張することができる。例えば滑らかな曲線α(t): [0, 1] → Mが接ベクトル空間TM(α(t0))上の接ベクトルα′(t0) (t0 ∈ (0, 1))を持つとする。このとき、各々の接ベクトルにおいて自分自身との内積によってノルム‖α′(t0)‖が定義できるとするならば、曲線αの長さL(α)は次のように表される。

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。2023年9月

(英語版「英:Riemannian Manifold」より引用)

  • リーマン,リッチ,レビ=チビタ,アインシュタイン,マイヤー 著、矢野健太郎(訳) 編『リーマン幾何とその応用』共立出版、1971年。 
  • 矢野 健太郎『微分幾何学』朝倉書店、1949年。 
  • 矢野 健太郎『接続の幾何学』河出書房、1948年。 
  • 矢野 健太郎『リーマン幾何学入門』森北出版、1971年。 

リーマン多様体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 02:06 UTC 版)

距離空間」の記事における「リーマン多様体」の解説

可微分多様体 M と、M上計量テンソル呼ばれる非退化正定値対称2階共変テンソル g をあわせたものはリーマン多様体と呼ばれるテンソルgによって Mの各点での接空間対し接ベクトル長さを表す正定値2次形式与えられ、これをもとにしてM上曲線弧長定義することができる。M上の距離は2点間を結ぶ長さ最小曲線測地線)の長さとして定められる

※この「リーマン多様体」の解説は、「距離空間」の解説の一部です。
「リーマン多様体」を含む「距離空間」の記事については、「距離空間」の概要を参照ください。

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