ベンジンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ベンジンの意味・解説 

ベンジン【benzine】

読み方:べんじん

石油ベンジン


ベンジン

読み方べんじん
【英】: benzine

工業ガソリン一種で、日本工業規格JIS)K2201(1980)の 1 号相当するもので、しみ抜き精密機械洗浄各種溶剤などに用いられている。日本工業規格JIS規格では、次の性状を満足すべきことと規定されている。反応中性で、蒸留性状は初留点 30 以上、50 %留出100 以下、終点 150 以下および銅板腐食1 以下(@ 50 × 3 hrs )。脱硫などの精製受けたナフサ留分である。

ベンザイン

分子式C6H4
その他の名称ベンジン、ベンザイン、Benzyne、1,3-Cyclohexadien-5-yne、o-Benzyne、o-ベンザイン、3,5-Cyclohexadiene-1-yne、1,2-Didehydrobenzene
体系名:1,2-ジデヒドロベンゼン、1,3-シクロヘキサジエン-5-イン3,5-シクロヘキサジエン-1-イン


ベンジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 16:26 UTC 版)

カイロ用のベンジン

ベンジン(benzine)は、原油から分留精製した揮発性の高い可燃性の液体であり、主として炭素数5 - 10のアルカン(飽和炭化水素)からなる混合物である。リグロイン(ligroin)、揮発油(きはつゆ)、ナフサ(naphtha)、ガソリン (gasoline)、石油エーテル(せきゆエーテル、petroleum ether)などとも呼ばれるが、用語の使い分けは添加剤や用途、地域によって著しく異なっている。日本では概ね、分留で得られる半製品をナフサ、燃料用途のナフサをホワイトガソリン内燃機関用にナフサを接触改質しオクタン価を調整した物をガソリン、軽質ナフサから作られ懐炉溶剤などに用いられる物をベンジンと呼ぶ慣行がある。

概要

ベンジンは非極性溶媒であり水には不溶だが、エタノールジエチルエーテルなどと自由に混ざり合う。揮発性が高く、引火しやすい。低沸点留分であるナフサを、濃硫酸で処理し、アルカリで中和後水で洗浄、脱水したのち蒸留によって精製する。

名称

国によって、ベンジンという言葉が指す物は異なる。: Benzin: benzine: benzinaには、「ベンジン」の他に「ガソリン」の意味がある。英語などではbenzineに対しgasoline・gasなど、「ガソリン」を意味する別の語がある(: benzine-essence西: bencina-gasolina)。アメリカ合衆国とイギリスでは、用語としてベンジンを用いることはなく、代わりにナフサという用語を用いる。

日本産業規格

本節では日本工業規格 (JIS) に規定のあるベンジン類について、規格ごとに解説する。いずれも消防法上はガソリンに該当し、危険物第4類・第1石油類・危険等級IIとして取り扱われる。また労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則における第3種有機溶剤となっている。

JISにおけるベンジン類の規格
工業ガソリン1号 石油エーテル 石油ベンジン リグロイン
JIS K 2201 K 8593 K 8594 K 8937
留分 (°C) 30-150 30-60 50-80 80-110
密度 (g/mL, 20°C) 0.668-0.764 0.62-0.66 0.64-0.74 0.68-0.75

工業ガソリン1号

一般に「ベンジン」と呼ばれているのは、JIS K 2201:1991に規定されている工業ガソリン1号である。染み抜きなどの溶剤や機械の洗浄などに使われる。また、ハクキンカイロなどの懐炉の燃料として利用されることもある。

一般に市販されているベンジンには懐炉用としみ抜き用とが有るが、しみ抜き用のものは懐炉には使用できない。(洗剤成分が含まれている事があるため)逆に懐炉用はしみ抜き、シール剥がしにも使用できる。

なお工業ガソリン2号(ゴム揮発油)はゴム工業用、3号(大豆揮発油)は植物油の抽出用に調製されたもので、物理的性状はベンジンと大差ない。4号、5号は本節でいうベンジンより揮発性が低く、性状はむしろ灯油に近い。

石油エーテル

化学実験に用いる石油エーテルは、試薬としてJIS K 8594:1996に規定されている。日本薬局方にも定義がある。CAS登録番号8032-32-4。名称に「エーテル」を含んでいるがエーテル結合を持たず、有機化学でいうエーテルとはまったく別のものである。炭素数は5 - 6が主で、ペンタンのほか、イソペンタンヘキサンなどの混合物である。

クロマトグラフィーの展開溶媒として利用されるが、日本では精製度が高く安価に入手できるヘキサンを利用する場合が多い。

石油ベンジン

試薬としてのベンジンは、JIS K 8594に規定されている。炭素数は6 - 7が主で、ヘキサンやイソヘキサンなどの混合物である。CAS登録番号8030-30-6。

リグロイン

リグロインは試薬としてJIS K 8937に規定されている。主に炭素数7 - 8の炭化水素の混合物で、ベンジン類の中では揮発性が低い。

関連項目


「ベンジン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ベンジン」の関連用語



3
ベンゾール デジタル大辞泉
72% |||||

4
ホワイト‐ガソリン デジタル大辞泉
72% |||||

5
揮発 デジタル大辞泉
72% |||||




9
リグロイン デジタル大辞泉
56% |||||

10
膀胱癌 デジタル大辞泉
56% |||||

ベンジンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ベンジンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JOGMECJOGMEC
Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、 機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。 また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。 したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。 なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
※Copyright (c) 2025 Japan Oil, Gas and Metals National Corporation. All Rights Reserved.
このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのベンジン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS