ユコス
【英】: yukos
ロシアの民間石油企業の一つ。 上流部門から下流部門まで一貫操業を行ない、生産子会社3社、精製子会社8社、販売子会社16社を保有する。 2005年における同社の原油生産量は2,451万トン(国内シェア5.1%)、精製能力は105万B/D(5,250万トン/年)であった。銀行系新興財閥メナテップが国内中小石油企業を買収・合併して企業規模を拡大し、短期収益志向型石油企業の一つといわれた。 同社は欧米の進んだ探鉱・生産技術やマネジメントスキルを積極的に導入する一方、1998年のルーブル切り下げ、1999年以降のルーブル安、国際油価の高騰を背景に潤沢な資金を投資に振り向けることができ、1999年から2003年にかけて年率12.5%の大幅増産を達成した。しかし、2003年10月にユコス前社長ホドルコフスキーが逮捕・拘留されたのを皮切りに、ロシア政府によって多額の追徴課税・罰金の請求ならびにユコス主力資産凍結が行なわれた。さらに2004年12月、ロシア政府はユコスの原油生産量の3分の2を生産する「ユガンスクネフチェガス」を競争入札にかけ、最終的には国営石油企業ロスネフチが傘下に収めた。この一連の事件によって、ユコスは主力資産を失い、ロシア石油業界におけるプレゼンスを著しく低下させただけでなく、ロシア石油産業の投資環境が不透明であることを世界に印象付けることとなった。 (栗田 抄苗、2007年3月) |

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