リーフスプリング
細長い板でつくったばねをいう。通常、鋼板を何枚か重ね合わせ、センターボルトとクリップで一体化し、両端部を取付け用の目玉とした重ね板ばねが使われる。リーフスプリングは単なるばねではなく、サスペンションの構造部材として、リンクの働きもする。かつてはリジッドアクスル用として乗用車のリヤサスペンションに多く用いられた。しかし重量が重く、板間摩擦の影響で乗り心地が悪いなどの理由から、現在ではトラック、バス、トラクターなど重量車で使われている。ばね特性は普通、線形であるが、非線形特性をもつプログレッシブ、スプリング、親子ばねも使われる。鋼板製の重ね板ばねのほかに、FRPリーフスプリングや、横置きや縦置きの1枚ばねも実用化されている。
参照 親子ばね、重ね板ばね、コイルスプリング、プログレッシブスプリング、リーフスプリング、1枚板ばね、FRPリーフスプリング重ね板ばね
複数の板要素の長さを段階的に変化させて、等応力になるような形状に重ねた板ばねの集合体のこと。構成要素のリーフばねは、中央部のセンターボルトと複数のクリップを用いて組み立てる。車軸懸架装置用半楕円式ばねはフレーム下方の空間を有効に利用するために、要素ばねをあらかじめ成形したもの。1番リーフは、緩衝機能と同時に懸架リンクの機能も果たすために、ばねとしての単位当たり蓄積エネルギーを、ほかのリーフより小さめに設定する。また、両端を円筒状に成形し、取付け用ブッシュを挿入する。2番リーフを延長し、重ねて円筒の一部とする構造を2番巻きと呼ぶ。トラック、バス用。
参照 リーフスプリング重ね板ばね
(leaf spring から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 04:28 UTC 版)
重ね板ばね(かさねいたばね)とは板ばねの一種で、板を層状に積み重ねて造られるばねである。リーフスプリング(英: leaf spring)や単に板ばねと呼ばれることもある[1]。板の曲げ変形を利用して、ばね作用する。普通の板厚一定の一枚板だと応力が根元に向かって大きくなるので、応力を均一化させるように、板を積み重ねたり板をテーパー形状にしたりすることで長手方向に沿って断面形状を変化させるのが、重ね板ばねの基本原理といえる。
- ^ JIS D 0111 1992, p. 5.
- ^ JIS B 0103 2005, p. 5.
- ^ 渡辺・武田 1989, pp. 57–58, 63.
- ^ a b 渡辺・武田 1989, p. 59.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 139; 渡辺・武田 1989, p. 62.
- ^ 渡辺・武田 1989, p. 60.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 138; ばね技術研究会(編) 1998, p. 3.
- ^ a b c d e 日本ばね学会(編) 2008, p. 139.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 138–140.
- ^ a b c Merhyle F. Spotts; Terry E. Shoup; Lee E. Hornberger (2004). Design of Machine Elements (8 ed.). New Jersey: Pearson. p. 298–299. ISBN 0-13-048989-1
- ^ 渡辺・武田 1989, p. 63.
- ^ JIS B 2710-1 2020, p. 1; JIS B 0103 2005, p. 9.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2019, p. 15.
- ^ a b c JIS B 0103 2005, p. 6.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 136.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 136; KYB株式会社(編) 2013, p. 82.
- ^ JIS B 0103 2005, p. 6; 日本ばね学会(編) 2008, p. 136.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 51.
- ^ a b c 日本ばね学会(編) 2008, p. 138.
- ^ JIS B 0103 2005, p. 10; KYB株式会社(編) 2013, p. 81.
- ^ JIS B 0103 2005, p. 9; 日本ばね学会(編) 2008, p. 157.
- ^ JIS B 2710-1 2020, p. 1.
- ^ JIS B 0103 2005, pp. 18, 31–33; 日本ばね学会(編) 2008, p. 140.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 59.
- ^ JIS B 2710-2 2020, p. 13.
- ^ JIS B 2710-2 2020, p. 13; ばね技術研究会(編) 1998, pp. 3–4.
- ^ ばね技術研究会(編) 1998, pp. 3–4; 日本ばね学会(編) 2008, p. 165.
- ^ JIS B 0103 2005, pp. 10, 31–33; KYB株式会社(編) 2013, p. 81.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 140, 155–156; JIS B 0103 2005, p. 18.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 140, 155–156.
- ^ JIS B 2710-2 2020, pp. 11–12; JIS B 0103 2005, pp. 11, 31.
- ^ 日本ばね学会(編) 2019, p. 14; JIS B 2710-1 2020, p. 3.
- ^ JIS B 0103 2005, pp. 10, 32–33; KYB株式会社(編) 2013, pp. 81–82.
- ^ a b c 日本ばね学会(編) 2008, p. 170; ばね技術研究会(編) 2001, p. 60; JIS B 2710-2 2020, pp. 11–12.
- ^ a b ばね技術研究会(編) 1998, p. 1; JIS B 0103 2005, p. 6.
- ^ ばね技術研究会(編) 1998, pp. 1–2.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2019, p. 14.
- ^ a b c 門田 2016, p. 68.
- ^ a b c ばね技術研究会(編) 2001, p. 53.
- ^ a b ばね技術研究会(編) 2001, p. 53; 日本ばね学会(編) 2019, p. 14.
- ^ JIS B 2710-2 2020, p. 2; JIS B 0103 2005, p. 18.
- ^ a b c 日本機械学会(編)、2005、『機械工学便覧 デザイン編 β4 機械要素・トライボロジー』初版、丸善出版 ISBN 4-88898-129-9 p. 134
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 140.
- ^ JIS B 2710-2 2020, p. 3; ばね技術研究会(編) 2001, p. 48.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 144.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, pp. 143–144; ばね技術研究会(編) 2001, pp. 48–50.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 143–144; JIS B 2710-2 2020, p. 2.
- ^ a b JIS B 2710-2 2020, p. 4.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 144; ばね技術研究会(編) 2001, p. 49; JIS B 2710-2 2020, p. 4.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 49–50; JIS B 2710-2 2020, p. 4–5.
- ^ a b c d ばね技術研究会(編) 2001, p. 50.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 150; ばね技術研究会(編) 2001, p. 50; JIS B 2710-2 2020, p. 5.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 150–154.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 154; ばね技術研究会(編) 2001, p. 51.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 151.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 152.
- ^ JIS B 2710-2 2020, p. 2.
- ^ a b JIS B 2710-2 2020, p. 9.
- ^ JIS B 2710-2 2020, pp. 7, 9.
- ^ JIS B 2710-2 2020, pp. 9–10.
- ^ a b c 日本ばね学会(編) 2008, p. 165; ばね技術研究会(編) 2001, p. 57.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 165.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 57.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 169; ばね技術研究会(編) 2001, p. 59.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 168; ばね技術研究会(編) 2001, p. 60.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 168.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 165–166; ばね技術研究会(編) 2001, p. 57.
- ^ KYB株式会社(編) 2013, p. 82; ばね技術研究会(編) 2001, p. 60; 日本ばね学会(編) 2008, p. 169–170.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 168–169; ばね技術研究会(編) 2001, p. 60.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 168–169; ばね技術研究会(編) 2001, p. 57.
- ^ KYB株式会社(編) 2013, p. 26.
- ^ JIS B 2710-1 2020, p. 3; ばね技術研究会(編) 2001, p. 58.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 58.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 166.
- ^ a b ばね技術研究会(編) 1998, p. 5.
- ^ 門田 2016, p. 148; 日本ばね学会(編) 2008, p. 498.
- ^ JIS G 4801:2021「ばね鋼鋼材」(日本産業標準調査会、経済産業省)、3頁
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 31.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 34–35.
- ^ a b ばね技術研究会(編) 2001, p. 164.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 499.
- ^ a b 門田 2016, p. 148; 日本ばね学会(編) 2008, p. 499.
- ^ a b c 門田 2016, p. 148.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 502–503.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 503.
- ^ a b c ばね技術研究会(編) 2001, p. 166.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 504.
- ^ a b 日本ばね学会(編) 2008, p. 505.
- ^ ショットピーニング技術協会(編)、2018、『金属疲労とショットピーニング』初版、大河出版 ISBN 978-4-88661-708-8 pp. 123–124
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, pp. 166–167.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 506; ばね技術研究会(編) 2001, p. 167.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 167.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 478, 506; 門田 2016, pp. 146, 148.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 506, 574; ばね技術研究会(編) 2001, p. 190.
- ^ ばね技術研究会(編) 2001, p. 190.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 506.
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, pp. 506–508.
- ^ 蒲 2008, p. 31; 門田 2016, p. 68; KYB株式会社(編) 2013, p. 80.
- ^ KYB株式会社(編) 2013, pp. 27, 80.
- ^ JIS D 0111 1992, pp. 2, 8; 日本ばね学会(編) 2008, pp. 137–138.
- ^ JIS D 0111 1992, p. 2; KYB株式会社(編) 2013, p. 26.
- ^ KYB株式会社(編) 2013, p. 27.
- ^ 日本ばね学会(編) 2019, p. 44; 「ばねの歴史」編纂ワーキンググループ(編) 2012, p. 234.
- ^ GP企画センター(編)、2006、『トラックのすべて』初版、グランプリ出版 ISBN 4-87687-281-3 p. 156
- ^ 日本ばね学会(編) 2019, p. 44.
- ^ 蒲 2008, pp. 99–100; 「ばねの歴史」編纂ワーキンググループ(編) 2012, p. 233.
- ^ a b c d 「応用機械工学」編集部(編)、2018、『鉄道車両と設計技術』復刻版、大河出版 ISBN 978-4-88661-354-7 pp. 138–139
- ^ 門田 2016, p. 24.
- ^ 伊原 一夫、1987、『鉄道車両メカニズム図鑑』初版、グランプリ出版 ISBN 4-906189-64-4 p. 223
- ^ a b 宮本 昌幸、2012、『鉄道車両の科学』、ソフトバンククリエイティブ ISBN 978-4-7973-4220-8 pp. 96–99
- ^ 日本ばね学会(編) 2008, p. 136; ばね技術研究会(編) 1998, p. 121.
- ^ 坂場 晃三、1982、「金属ばね」、『環境技術』11巻5号、環境技術学会/環境技術編集委員会、doi:10.5956/jriet.11.369 pp. 371
- ^ a b c d Landau, David, ed (1912). Leaf springs, their characteristics and methods of specification. Wilkes-Barre, Pa., Sheldon axle company, Spring engineering department. pp. 1–2
- ^ Ackermann and Company. “One of nine prints of early 19th century carriages”. 2022年10月10日閲覧。
- ^ Ralph Straus. “Carriages & Coaches”. Project Gutenberg. p. 205. 2022年10月10日閲覧。
- ^ “Obadiah Elliot”. Grace's Guide To British Industrial History. 2022年10月10日閲覧。
- ^ ニッパツ. “ばねの歴史”. 2022年10月10日閲覧。
- ^ KYB株式会社(編) 2013, p. 14.
- ^ a b Todhunter, Isaac (1893). Pearson, Karl. ed. A history of the theory of elasticity and of the strength of materials from Galilei to the present time, Vol. 2 pt. 1. Saint Venant to Lord Kelvin.. Cambridge, Univ. Press. pp. 330, 349
- ^ a b S. P. ティモシェンコ、最上 武雄・川口 昌宏(訳)、2007、『材料力学史』初版、鹿島出版会 ISBN 978-4-306-02390-1 pp. 220, 247
- ^ 「ばねの歴史」編纂ワーキンググループ(編) 2012, pp. 140–141.
- ^ 「ばねの歴史」編纂ワーキンググループ(編) 2012, p. 141.
- ^ 亘理 厚、1952、「重ね板ばねのたわみ及び応力について」、『ばね論文集』1巻、日本ばね学会、doi:10.5346/trbane.1952.57 pp. 57-61
- ^ 亘理 厚、1954、「自動車用重ね板ばねの設計と3枚ばねへの応用」、『日本機械学会誌』57巻423号、日本機械学会、doi:10.1299/jsmemag.57.423_245 pp. 245-250
「leaf spring」の例文・使い方・用例・文例
- leaf springのページへのリンク