ダークパターン
ダークパターンとは、ダークパターンの意味
ダークパターンとは、Webサイトを訪れた利用者を騙す目的で作られたユーザーインターフェース(UI)の総称である。ダークパターンにはいくつかの種類がある。アージェンシー(urgency)
アージェンシーは、「あと00:10:20で販売終了」「残り1セット」といった嘘をついて、利用者の購入を促す手口である。また、「売れ筋の商品なので早めに購入してください」といったメッセージによって購入を促す手口もある。これをスケアシティ(scarcity)という。オブストラクション(obstruction)
会員登録の解除や商品購入のキャンセルなどが、複雑な手順を踏まないと達成できない手口である。キャンセルのボタンを見づらくする、登録解除のために電話をしなけれならない、といったことでキャンセルを諦めさせることを目的としている。スネーキング(sneaking)
スネーキングは、商品をショッピングカートに追加した時に、勝手に他の商品もショッピングカートに追加することである。ミスディレクション(misdirection)
例えば、「いますぐ買う」「あとで買う」といった選択画面において、「いますぐ買う」のボタンをクリックしやすいように大きく濃い色で表示し、「あとで買う」のボタンを見づらい色で表示する手口である。メールマガジンの購読選択において、通常は「□メールマガジンを購読する」と表示し、チェックボックスをチェックしなければ「購読しない」となる。ミスディレクションでは、「□メールマガジンを購読しない」と表示して、利用者を混乱させる。ダーク‐パターン【dark pattern】
ダークパターン
(dark pattern から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 14:42 UTC 版)
ダークパターン(英語: Dark pattern)は、主にウェブサイトなどで、ユーザーを騙すために慎重に作られたユーザインタフェースのことである[1][2][3]。認知バイアスを利用して、ユーザーが思っているよりも多くの時間やお金を使わせる。または注意を払うように設計されている[4]。
- ^ Campbell-Dollaghan, Kelsey (2016年12月21日). “The Year Dark Patterns Won”. CO.DESIGN. 2017年5月29日閲覧。
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- ^ “消費者操る「ダークパターン」 国内サイト6割該当”. 日本経済新聞. (2021年3月26日)
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- ^ “NTTドコモまたしても!? ディズニープラス退会が煩雑すぎ! 過去には解約ページ“隠ぺい”も”. オトナライフ (2021年7月13日). 2021年12月3日閲覧。
- ^ “「入会はウェブ、解約は電話のみ」WSJ日本版サブスクに読者不満 規制進む「ダークパターン」”. J-CASTニュース (2021年12月3日). 2021年12月3日閲覧。
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- ^ 野口博之 (2023年11月17日). “DAZN退会、執拗な引き留めが物議...電話orチャットで手続き求める 消費者庁の見解は”. J-CASTニュース. 2023年11月18日閲覧。
- ^ “米司法省、Adobeを提訴 解約困難なサブスクリプションで”. ITmedia NEWS (2024年6月18日). 2024年6月24日閲覧。
- 1 ダークパターンとは
- 2 ダークパターンの概要
- 3 ダークパターンで問題視された事例
- 4 脚注
- dark patternのページへのリンク