浸食
エロージョン、コロージョンともいい、流体やその内部に発生した蒸気泡、流体に含まれる固体粒子などが、機械装置を構成する材料の表面に高速でかつ連続的に衝突することによって材料表面に生ずる損傷をいう。それら損傷には一般的に、断続的な圧力差の発生による塑性変形、掘り起こし、亀裂、切削状損傷、剥離などがあり、これらは機械的損傷に近いものからきわめて腐食そのものに近いものまで存在する。流体が高速で流動するエンジン冷却系のウオーターポンプや、高温となるシリンダーヘッドなどでしばしば問題となる。浸食を防止するためには、耐摩耗性、耐食性を含めた総合的な耐エロージョン性を考慮した適正材料を選定することが重要である。
腐食
金属材料が使用環境のなかで化学的、電気的にその表面から浸食され、金属でない物質に変化していくことをいう。腐食はその環境により乾食と湿食に大別され、乾食は金属が高温の気体と接触して起こり、酸化物、窒化物、硫化物などに変化する。湿食には水溶液によるものと非水溶液によるものがあるが、単に腐食というときは水溶液腐食を指すことが多い。水溶液腐食は金属と水溶液の界面での電気化学的反応により、一種の電池が形成されて進行し、電触ともいわれている。大気中の腐食は水蒸気中のイオン成分が主要因であるので、湿食として扱われる。
腐食
(corrosion から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/16 19:02 UTC 版)
腐食(ふしょく、腐蝕、英: corrosion)とは、化学・生物学的作用により外見や機能が損なわれた物体やその状態をいう。
- ^ 松島巖『腐食防食の実務知識』オーム社,2002年,p1
- ^ [酸性及びアルカリ性水溶液中における窒化ケイ素セラミックスの腐食劣化挙動](株式会社 日立製作所機械研究所)
- ^ 合成樹脂(ゴム・プラスチック)の劣化評価・分析手法
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- ^ "土や水のような電解質を介在する腐食(湿食)" 農林水産省. 第2章 腐食の種類とその特徴. 農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル【鋼管等腐食対策編】(案). 2023-02-17閲覧.
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- ^ 北川信, 古家和彦, 中村俊一 ほか、「吊橋ケーブル送気乾燥システムの防食性能に関する研究」『土木学会論文集』 2001年 2001巻 672号 p.145-154, doi:10.2208/jscej.2001.672_145
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