SF以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/10 23:24 UTC 版)
「スペキュレイティブ・フィクションにおけるLGBT」の記事における「SF以前」の解説
古代ギリシアの作家ルキアノス(紀元120-185年)の『本当の話』は、現存する最古のサイエンス・フィクションとされることがあり、世界初の「ゲイSF」とされることがある。語り手は台風に突然巻き込まれ、飛ばされて月へとたどり着く。月には男性の社会があり、太陽と戦争をしていた。主人公はその戦闘で活躍し、王から皇太子との結婚を許される。この男性だけの社会では、太腿から子を産むか、月の地面に左の睾丸を植えることで育つ植物から子が成長する。 他のSF以前の作品では、どんなセックスも基本的欲望や「汚らわしさ」と同一視されている。例えば『ガリバー旅行記』では、獣のようで性的なヤフーと控えめで知的なフウイヌムが対比されている。19世紀以前の文学では、多くのスペキュレイティブ・フィクションで性的な問題を率直に扱うことを避けてきたが、Wendy Pearson は、性やジェンダーの問題は当初からSFの中心だったが20世紀後期になるまで読者や評論家に無視されてきたと書いている。LGBTのテーマを含み、道徳的に不潔な人物として描かれた同性愛者が登場する初期作品としては、世界初のレズビアンの吸血鬼の物語であるシェリダン・レ・ファニュの「カーミラ」(1872)b、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』(1890) などがある。後者は好色な同性愛者が登場することで当時の読者に衝撃を与えた。 Gregory Casparian の An Anglo-American Alliance (1906) は、初めてレズビアンのロマンチックな関係をあからさまに描いたSFだった。
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