Römer Römerとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Römer Römerの意味・解説 

Römer + Römer

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/27 04:54 UTC 版)

アーティストのセルフィーRömer+Römer、2010年

Römer+Römer(レーマー+レーマー)は、ドイツとロシアの美術家カップル。メンバーは、トーステン・レーマー(Torsten Römer)とニーナ・レーマー(Nina Römer)。ドイツ・ベルリンを拠点に活動している。 [1]

来歴

トーステンは1968年、ドイツ西部のアーヘン生まれ。ニーナは1978年、ロシア・モスクワ生まれ。共にデュッセルドルフ美術アカデミーにおいてA. R. ペンク(A. R. Penck)の元、“マイスターシューラー”(Meisterschüler、ドイツの芸術大学における、芸術家の最高学位)として学ぶ。また、ニーナはソビエト時代の作家ユーリー・トリフォノフ(Yury Trifonov)の孫娘であり、ウクライナ、ロシア、ソビエトの画家アムシェイ・ヌレンベルク(Amshey Nurenberg)のひ孫娘でもある。1996年、トーステンはデュッセルドルフ美術協会からトラベルグラント(旅費助成金)を受ける。

1998年から2人は、共同で作品制作をしている。2011年には、ドイツ・バイエルン州クローナハ市からルーカス・クラナッハ賞特別賞を授与された。

[2]

作品

Römer + Römerは、自ら撮影した写真を主体に絵画やドローイングを制作。また、パフォーマンスを行ったり、展覧会のキュレーションを手掛けたりしている。アートユニットとして制作を始めた1998年に、長期的なアート・プロジェクト「M°A°I°S」を開始。多くの作品は、歴史的、政治的な意味合いが込められている。2005年のベルリンで開催された作品展「Der freie Wille」(自由意志)は、“Glasnost”(「情報公開」)から 20年を記念したイベントの一環として開催された。2004年に、ドイツ・バーデン=バーデン市にて「HA KYROPT! - Russische Kunst heute」(温泉へ! – ロシア美術の現在)では、ロシア・ツァーリ国時代からのロジア人温泉客と同市との密接な関係をテーマに作品を発表した。

Römer + Römerはこのようなアート・プロジェクトで、歴史的・政治的な美学的再構築を試みている。作品は主に、お祭り、歴史劇、パーティー、社会的・政治的な出来事を主題にしている。2013/14年の作品シリーズ「Sambódromo」(“サンボードロモ”)では、ブラジルのカーニバルを題材にしている。2010年の絵画シリーズ(24 x 30cmの作品、計50点)では、葛飾北斎と歌川広重へのオマージュとして電車から見える富士山の景色を制作した。また、日本中を旅行していたとき、都会のオルタナティブな生活を模索し、東京や大阪の“ファッション中毒”を主題とした大きな作品を制作した。制作方法は、コンピュータが従来のスケッチブックの役割に取って代わり、自ら撮影した写真を画像処理することから始まる。絵画的な発想として、ピクセル構造のある絵画が彼らの芸術形式である。しかし、彼らの“ピクセル”とは、デジタルなピクセルとは異なる構造を持つ。

Römer + Römerのアート作品は、点描法やstipple engraving(点刻彫版法)などと関係づけられる。それは、作品のモチーフは、何千もの点の集合を成しながら色面へと広がり、一定の距離を保って眺めると、鑑賞者の網膜上に画として浮かび上がってくる。また、作品に接近すればするほど、人物や物に抽象的で力強い“色彩の相互作用”が働く。近年の大きな作品シリーズでは、アメリカ・ネバダ州の砂漠で2017/18年に開催されたお祭り“バーニング・マン”を扱っている。火やLEDのインスタレーションの光、アートカー、お祭りの期間中現れる奇妙なアート作品、パーティーなどは、絵画的美学の核となる主題である。

展示会(選考)

  • バーニングマン–エレクトリックスカイ、ハウスアムリュッツォフプラッツ、ベルリン(2019) [3]
  • 対面– Gesichter der Sammlung Hense 、Kunsthalle Hense、Gescher(2018)
  • Sturmhöhen [WutheringHeights]、Schafhof –EuropäischenKünstlerhausOberbayern、フライジング(2018)
  • ¿Quéダイス? 、エスプロンセダ、バルセロナ(2017) [4]
  • Generalstreik 、KunstvereinMünsterland、Coesfeld(2017) [5]
  • キス–ロダンからボブ・ディランまで、ブレーハン美術館、ベルリン(2017)
  • Wilhelm-Morgner-Preis Ausstellung 、Museum Wilhelm Morgner、ゾースト(2017)
  • PartySträflinge 、Kunstverein Kunstkreis Hameln(2016) [6]
  • 第56回ヴェネツィアビエンナーレ、モーリシャスのパビリオン(2015) [7]
  • ハムスター–ヒップスター–便利。 Im Bann des Mobiltelefons 、Museum Angewandte Kunst、フランクフルトa。 M.(2015)
  • Party-Löwe 、Freight&Volume、ニューヨーク(2014) [8]
  • Alles氏のfürアッレ、リチャード・Haizmann博物館、Niebüll(2014)
  • 対面、北京のジャンチョウ国際現代美術センター(2013)
  • サンボードロモ、ギャラリーマイケルシュルツ、ベルリン(2013) [9]
  • Punkt-Systeme – Vom Pointillismus zum PixelWilhelm-Hack-Museum 、ルートヴィヒスハーフェン(2012)
  • Megacool 4.0 – Jugend und Kunst 、 KünstlerhausVienna 、Vienna(2012)
  • Menschenbilder – Der internationale Lucas-Cranach-Preis 、Cranach-Foundation、Wittenberg(2012)
  • 現代美術ビエンナーレ、DO ARK Underground 、Konjic(2011)
  • ブライトンのプライド、ギャラリーマイケルシュルツ、ベルリン(2011)
  • O tu mir das nicht an! 、 Kunsthalle Rostock (2010/2011) [10]
  • 自由のために戦う、光州美術館、光州(2010)
  • Inter-cool 3.0 – Jugend Bild Medien 、Hartware MedienKunstVerein、ドルトムント(2010)
  • Die Flut 、 Galerie Michael Schultz 、ベルリン(2010)
  • 実話に基づく、今日美術館、北京(2009)
  • BewegungのGemeinsam–ZeitgenössischeKunstaus Deutschland und China 、武漢美術館、武漢(2009)
  • 北京でのセカンドライフ、Galerie Mathias Kampl、ミュンヘン(2009)
  • テロリストNo.1 、Kunstverein Heidelberg (2009) [11]
  • 「EMERGENCYBIENNALEChechnya / Bialystok」および「EMERGENCYBIENNALEChechnya / World Tour」、グロズヌイ(2008年および2006年)
  • Auf dem Weg ins Licht:Werke aus der Sammlung de Knecht 、 Kunsthalle Rostock (2007/2008)
  • Sense of Life 、現代ギャラリー、ソウル(2007)
  • HA KYPOPT! 、Kunsthalle Baden-Baden (2004) [12]
  • パラダイス–国際アートイニシアチブフォーラム、ノイエマネシュ、モスクワ(2004)
  • 現代美術の新技術の国際フェスティバル、サンクトペテルブルク視覚芸術センター、サンクトペテルブルク(2003)
  • リバプールビエンナーレ、リバプール(2002)
  • ビッグトリノ、トリノビエンナーレ、トリノ(2002)

出版物

アートプロジェクトM°A°I°S

  • M°A°I°S2– Der Tod 、ベルリン2001
  • M°A°I°S4–良い点と悪い点、ベルリン2003
  • M°A°I°S5– Paradies 、ベルリン2004
  • M°A°I°S6– Der freie Wille 、ベルリン2005

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ According to artefacts.net's ranking Römer+Römer belong to the top one per cent of the artists of the world.
  2. ^ Cfr. Vera Block, Schnappschüsse fürs Gemälde, Nina und Torsten Römer im Porträt, in: Deutschlandradio Kultur, 15 September 2011; Peter Funken, Römer + Römer. Meer der Freundschaft, Prestel: München et al. 2011, p. 142.
  3. ^ Haus am Lützowplatz
  4. ^ Espronceda Center for ART & Culture
  5. ^ Kunstverein Münsterland
  6. ^ Kunstkreis Hameln
  7. ^ Cfr. the Pavillons' homepage Archived 2015-10-04 at the Wayback Machine..
  8. ^ Cfr. press release, Freight & Volume Archived 2014-08-31 at Archive.is, March 2014; and Römer + Römer: Party-Löwe, in Wall Street International, Art, 7 March 2014.
  9. ^ Ingeborg Ruthe (9 September 2013) Tanze Samba mit mir, Berliner Zeitung. Retrieved 2014-11-02.
  10. ^ Cfr. Römer und Römer „O tu mir das nicht an!“, Aufstellungseröffnung in der Kunsthalle Rostock, in: Rostock-Heute, 12 Dezember 2010.
  11. ^ Cfr. Eugenia Hu, Künstlerduo Römer+Römer in Peking und Heidelberg, in: Die Welt online, 23 Mai 2009.
  12. ^ Cfr. Nina Torsten Römer, RÖMER + RÖMER, Deutsch-Russische Knutschperformance (German-Russian Kissing Performances) 2003 /2004 Archived 2014-08-31 at Archive.is, in: Arte (online), 16 January 2014.

参考文献

  • ピーター・フンケン、レーマー+レーマー。 Meer der Freundschaft 、 Prestel :Munich etal。 2011年、ISBN 978-3791345086
  • Gerhard Charles Rump 、 Rekonstruktionen。 PositionenzeitgenössischerKunst 、B&S Siebenhaar:ベルリン、2010年、 ISBN 978-3936962369
  • Mathias Winzen und Georgy Nikitsch(Hgg。 )、 HA KYPOPT! Russische Kunst Heute 、ケルン2004、 ISBN 978-3879098354

外部リンク


「Römer + Römer」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Römer Römer」の関連用語

Römer Römerのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Römer Römerのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのRömer + Römer (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS