MVSファイルシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 09:42 UTC 版)
「Multiple Virtual Storage」の記事における「MVSファイルシステム」の解説
ファイルは、MVS では「データ・セット」と呼ばれる。これらのファイルは「カタログ」によって組織・系統が立てられる。MVS の本来の文字コードはビッグ・エンディアン EBCDICだが、ASCIIやリトル・エンディアン、Unicodeのトランスフォームのソフトウェアサポートのためのhardware-specific serviceを持つ。 MVS の伝統的なファイルシステムは、レコード・オリエンテッド・ファイルシステム(レコード志向ファイルシステム)である。ファイル名は階層的に組織・編成され、ドットによって分けられる。それぞれの階層の名前は、8文字まで認められる。ファイル名の全体の長さは、44文字までである。 大体、ドットによって分けられたコンポーネントは、他のオペレーティングシステムのディレクトリのように使われる。たとえば、最上階のコンポーネントは、通常プロジェクト名やサブシステム名や機能名やユーザーの名前を表現する。しかしながら、これは他のシステムのものとは違って、本当のディレクトリではない。ネーミング上の慣例にすぎない。 区分データセットは、ある意味で1階層のディレクトリに似ている。MVS は幅広いファイルアクセス方式をサポートする。これは主として、レガシーニーズ(これまでに蓄えた多くのソフトウェア資産を無視できない)によるものである。これらにはVSAM、BSAM、QSAM、その他が含まれる。MVS のファイルシステムは、IBM が何年にも渡って使用し続けた ディスクストラクチャ VTOC (Volume Table Of Contents) に基づいている。 MVS の2006年現在のバージョンである i.e. z/OS は、POSIXコンパチブルである「slash」ファイルシステムをサポートする。これは2つのファイルシステムの長所を一緒に統合するものである。すなわち、POSIX は MVS のデータセットを POSIX 下で稼動するプログラムで取り扱うことができ、POSIX 下で稼動するサブシステムで使用することができる、というものである。このような新しいファイルシステムとしては、「Hierarchical File System」(HFS)、「zFS」(SunのZFSとは違うもの)がある。 → データセット (IBMメインフレーム) および ファイル編成法 も参照
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