Jaish-e-Mohammedとは? わかりやすく解説

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ジャイシュ=エ=ムハンマド

(Jaish-e-Mohammed から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/07 04:16 UTC 版)

ジャイシュ=エ=ムハンマド
活動期間 2000年 - 現在
活動目的 イスラム原理主義
指導者 マソオッド・アズハル
本部 パンジャーブ州バハーワルプル
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ジャイシュ=エ=ムハンマドウルドゥー語: جيش محمد‎、英語:Jaish-e-Mohammed、略称:JeM)は、パキスタンイスラム主義組織。

概要

パキスタンのアザド・カシミールを拠点とするイスラーム過激派カシミール地方のインドからの分離を目指しジャンムー・カシミール州を中心にテロ活動をしており、カシミール地方では最も過激な組織とされる。2002年にパキスタンのパルヴェーズ・ムシャラフ政権はJeMを非合法組織に指定した。ジャイシュ=エ=ムハンマドとは「ムハンマドの軍隊」という意味である。1968年にパキスタンのバハーワルプルに生まれたマウラナ・マスード・アズハール(Maulana Masood Azhar)はカラチイスラム原理主義組織・ハラカト=ウル=アンサール(Harkat-ul-Ansar、HuA)に加入し、その幹部となるとケニアソマリアなど各地に派遣され、ソマリアのイスラーム過激派・アル=イテハド・アル=イスラミーヤ(Al-Itihaad al-Islamiya)やアルカーイダと関係を築いた[1]

活動

1994年

1994年、アズハールは、HuAを構成していた2つの派であるハラカト=ウル=ジハード・アル=イスラミー(Harkat-ul-Jihad al-Islami、HuJI)とハラカト=ウル=ムジャヒディーン(Harkat-ul-Mujahideen、HuM)の対立を仲裁しにシュリーナガルに入ったところをインド治安当局に逮捕された。HuJIはソビエト連邦軍アフガニスタン侵攻に対抗して1984年にパキスタンで最初に結成されたイスラム原理主義組織で、HuMは1989年にサイイド・アフガニ(Sajjad Afghani)をリーダーに生まれたカシミールの武装組織である。HuJI、HuMともにターリバーンとの密接な関係がある。

1999年

1999年12月、カトマンズデリー行きのインド航空814便がHuMによってハイジャックされた(インディアン航空814便ハイジャック事件)。機体はターリバーン統治下のカンダハールに着陸させられた。乗客の解放と交換でアズハールはインド政府から釈放され、直ちにHuMのメンバーを集めて、より過激なジャイシュ=エ=ムハンマドを誕生させた。HuMの創設者であったサイイド・アフガニもJeMのナンバー2となった。JeM創設以降、HuMは大きな活動を行っていない。一方、HuJIは軍統合情報局(ISI)の支援を受けてインド国内・バングラデシュ国内で活発なテロを起こしている。

2001年

JeMは2001年12月13日、ラシュカレ・タイバ(LeT)との共同作戦でインド国会議事堂を襲撃した。その後もアメリカ人の誘拐などを繰り広げている。

2016年

2016年1月、パタンコート空軍基地を襲撃し、銃撃戦によって治安部隊に犠牲者が出た[2]。同年9月には、ウリにあるインド陸軍の宿営地を襲撃し、19人の兵士を死亡させた[3]

2019年

インドジャンムー・カシミール州の国道を走行中だった治安部隊を標的として、自爆テロを起こした(プルワマ襲撃事件[4]。インド政府は、テロに対する報復としてバーラーコート空爆を実行[5]。この空爆は、パキスタン領内で行われたため両国間の関係悪化へと発展した。

脚注

  1. ^ Watson, Paul; Barua, Sidhartha (2002年2月25日). “Somalian Link Seen to Al Qaeda”. LA Times. オリジナルの2002年2月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20020225225917/http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-022502hawk.story 2009年1月7日閲覧。 
  2. ^ “インド空軍基地でテロ イスラム過激組織、印パ関係改善妨害か”. (2016年1月2日). https://www.sankei.com/article/20160102-DR5P2LTCLFISRB3OG22BEN4K7E/ 2019年8月20日閲覧。 
  3. ^ “インド軍 宿営地襲撃され兵士17人死亡 カシミール州”. (2016年9月18日). https://mainichi.jp/articles/20160919/k00/00m/030/073000c 2019年8月20日閲覧。 
  4. ^ “カシミールで自爆テロ、治安部隊の44人死亡”. 読売新聞. (2019年2月15日). https://www.yomiuri.co.jp/world/20190215-OYT1T50028/ 2019年8月22日閲覧。 
  5. ^ “インドがパキスタン空爆 カシミール自爆テロに報復か”. (2019年2月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41762570W9A220C1FF8000/ 2019年8月22日閲覧。 



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