Isthmus of Corinthとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Isthmus of Corinthの意味・解説 

コリントス地峡

(Isthmus of Corinth から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/01 14:00 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
コリントス地峡
コリントス地峡(ペロポネソス半島)

コリントス地峡Ισθμός της Κορίνθου ; : Isthmus of Corinth)は、ギリシャの本土とペロポネソス半島とをつなぐ地峡コリンティアコス湾サロニコス湾エーゲ海)に挟まれており、幅は約6km。コリントス運河によって二つの海が結ばれている。

名称

古代ギリシアでは、この地をイストモスἸσθμός)と呼んだ。Ἰσθμός は、古代ギリシア語で「頸(くび)」(neck)を意味する言葉であるが、のちに「イストモス」(isthmus)は地形としての「地峡」を指す一般名詞として使われるようになった[1]。コリントス地峡を指して「イストモス地峡」と呼ぶこともある。

地理

北から見たコリントス地峡。中央に運河が見える

地峡の西北側にはコリンティアコス湾イオニア海の湾入部)、南東側にはサロニコス湾エーゲ海の一部)が広がっており、全長6.3kmのコリントス運河で二つの海が結ばれている。

地峡の北東側にはギリシャ本土(ステレア・エラダ)、西南側にペロポネソス半島がある。行政上、地峡はペロポネソス地方コリンティア県)に属しており、コリントス市およびルトラキ=アイイ・テオドリ英語版市の市域である。本土側はアッティカ地方と隣接している。

地峡の西南部、ペロポネソス側にコリントスがある。コリンティアコス湾に面した現在の市街は19世紀に入って新たに建設されたもので、古代ギリシャ時代の都市国家以来のコリントスは内陸に位置する。

歴史

地峡周辺の古代コリントスの遺跡
ケンクレアイの古代港湾遺跡

古代ギリシア時代より、ギリシャ本土とペロポネソス半島を結ぶ要衝として知られている。ギリシア神話では、英雄テーセウスが故郷トロイゼーン(ペロポネソス半島北東部)からアテナイに向かう途中でこの地を通った際に、旅人を害するシニスを倒したという。

テーセウスはこの地峡に2本の碑を立てたと伝えられている。東側(アッティカ側)の碑には τάδ᾽ οὐχὶ Πελοπόννησος, ἀλλ᾽ Ἰωνία(ここはペロポネソスにあらず、イオニアなり)、西側(ペロポネソス側)の碑には τάδ᾽ ἐστὶ Πελοπόννησος, οὐκ Ἰωνία(ここはペロポネソスなり、イオニアにあらず)と刻まれていたという[2]

古代コリントスは、サロニコス湾側にケンクレアイ港(Κεγχρεαί、現ケフリエス (Kechries)、コリンティアコス湾側にレカイオン港(Λέχαιον、現レヘオ (Lechaio)を有し、交易の結節点として繁栄した。サロニコス湾側に近いイストミアには海神ポセイドーンを祀る松に装飾された神殿 (Temple of Isthmiaがあり、古代ギリシア四大競技会のひとつ・イストミア大祭が2年に1度開催された。実質、地理的に地方色の非常に濃い競技会だったとされている。

5世紀には、東ローマ帝国の皇帝テオドシウス2世によって、ペロポネソスを北方の「蛮族」の侵入から守るために、地峡を横断する防壁・エクサミリオンの壁 (Hexamilion wallが築かれた。

1893年には地峡を横切るコリントス運河が建設された。それまではネロの時代から運河を掘る試みがなされていたが誰一人成功した事はなかったと言う。

脚注

  1. ^ ισθμός”. A Greek–English Lexicon. 2012年2月20日閲覧。
  2. ^ プルタルコス, Parallel Lives , Theseus Plut. Thes. 25

座標: 北緯37度56分29秒 東経22度59分16秒 / 北緯37.94139度 東経22.98778度 / 37.94139; 22.98778


「Isthmus of Corinth」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Isthmus of Corinthのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Isthmus of Corinthのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコリントス地峡 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS