HD 147513
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 21:07 UTC 版)
HD 147513 | ||
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星座 | さそり座 | |
見かけの等級 (mv) | 5.37[1] | |
変光星型 | 疑わしい[2] | |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 16h 24m 01.28927s[3] | |
赤緯 (Dec, δ) | −39° 11′ 34.7121″[3] | |
視線速度 (Rv) | 14.80 km/s[3] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 71.89 ミリ秒/年[3] 赤緯: 5.26 ミリ秒/年[3] |
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年周視差 (π) | 78.26 ± 0.37ミリ秒[3] (誤差0.5%) |
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距離 | 41.7 ± 0.2 光年[注 1] (12.78 ± 0.06 パーセク[注 1]) |
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絶対等級 (MV) | 4.8[注 2] | |
物理的性質 | ||
半径 | 0.98 R☉[4] | |
質量 | 1.07 M☉[4] | |
表面重力 | 42 G[1][注 3] | |
自転速度 | 1.5 km/s[1] | |
スペクトル分類 | G5 V[5] | |
光度 | 0.97 L☉[1] | |
表面温度 | 5,930 K[1] | |
色指数 (B-V) | 0.62[5] | |
色指数 (U-B) | 0.15[5] | |
金属量[Fe/H] | 0.09(太陽比)[1] | |
年齢 | ~ 4.5 ×108 年[6] | |
他のカタログでの名称 | ||
CD-38 10983, FK5 3295, GC 22030, Gliese 620.1, HIP 80337, HR 6094, NSV 7680, SAO 207622 | ||
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HD 147513は、さそり座の方角にある恒星である。視等級は5.4で、ボートル・スケールでは郊外ならば肉眼でみえる明るさである。年周視差から計算すると、地球から約42光年離れている[3]。
イタリアの天文学者ジュゼッペ・ピアッツィによって初めて星表に収録され、"XVI 55"という符号が付けられた[7]。XVIはローマ数字の「16」で、ピアッツィの星表中で、赤経16時台の西から数えて55番目、というのが符号の意味である。
特徴
太陽 | HD 147513 |
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HD 147513は、太陽とよく似た黄色の主系列星であるが、年齢は4億年前後と考えられる若い恒星である[5][6]。そのためか、質量は太陽より若干上だが、明るさは太陽と同程度である[1]。HD 147513は、変光星ではないかとも言われている[2]。
HD 147513は、若い恒星らしくリチウムが豊富な一方で、バリウムやs過程元素も過剰に存在する、奇妙な組成をしている。これは、約5.7分離れた位置(年周視差から実距離に換算するとおよそ4,410AU)にある白色矮星CD-38° 10980が、HD 147513と固有運動を共有する連星系を形成しており、白色矮星になる前の漸近巨星であった際に、HD 147513へ質量移動を起こしたためと考えられる[8][9]。
HD 147513とCD-38° 10980は、おおぐま座運動星団の一員と考えられる[10]。同じく運動星団の一員で、組成もHD 147513とよく似ているオリオン座χ1星とは、およそ3000万年前に四重連星系を形成していたのではないかと言われている[9]。
惑星系
2003年、ジュネーブ系外惑星探索のチームが、ラ・シヤ天文台における視線速度法の観測から、HD 147513の周囲を公転する太陽系外惑星を発見した、と発表した[11]。
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
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b | > 1.21 MJ | 1.32 | 528.4 ± 6.3 | 0.26 ± 0.05 | — | — |
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ 出典での表記は、
16h 24m 01.28927s, −39° 11′ 34.7121″
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