GMT対照法の根拠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/30 23:02 UTC 版)
GMT(584,283)は次の根拠によって決定される。まず、ユカタンのシウ家による年代記である『オシュクツカブ年代記』に1539-1540年のカレンダー・ラウンド13アハウ7シュルの日にトゥンが終わるという記事があり、ほかの文献からこの日が短期暦のカトゥン13アハウの終わりでもあることがわかる。13アハウ7シュルの日にカトゥンが終わるのは約18,700年に1度であり、そこからこの日が長期暦の11.16.0.0.0(元期から数えて第1,699,200日)と計算される。 次に、ディエゴ・デ・ランダの記述から、ユリウス暦1553年7月16日(ユリウス通日2,288,488)は12カン1ポプの日で、この日に新たなハアブが始まったことがわかる。この日は13アハウ7シュルの5004日後にあたるので、長期暦で書くと11.16.13.16.4(元期から第1,704,204日)になる。したがって、長期暦の元期は 2,288,488 - 1,704,204 = 584,284 になる。 いっぽう、アステカでクアウテモックがスペインに降伏した日はユリウス暦1521年8月13日で「1の蛇」の日、ツォルキンでいうと1チクチャンになる。しかし、上記の584,284の値を使うと2キミになり、1日ずれる。一般にアステカ暦に関する記録の方がランダより信頼性が高いので、1日修正して584,283が得られる。 これに対してGMT(584,285)説は天文現象との対応を根拠にしており、フロイド・ラウンズベリーらが支持しているが、アンソニー・アヴェニは肉眼で行っていた古代の天文観測の精度では2日の修正の根拠にはならないとして批判している。
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