G-6-PD欠乏症
【概要】 赤血球中のグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)が遺伝的に不足しているために、マラリア薬、サルファ剤や解熱剤服用で急性溶血発作を起こし、ヘモグロビン尿を呈する。日本人には少ないが、アフリカ黒人男性の約12%、フィリピン、タイ、台湾、中国南部など東南アジアの男性の数%にみられる。これらの外国人のHIV感染者にST合剤でニューモシスチス肺炎の予防や治療をする場合には注意が必要である。
【詳しく】 G-6-PD欠乏症は血友病と同じ伴性劣性遺伝を示す遺伝性疾患である。保因者を含めると世界に数億人。G-6-PDは五炭糖リン酸回路の最初の反応にかかわり、NADPHを産生する。診断は病歴から本症を疑い、Heintz正体生成試験、本酵素測定による。この酵素の測定は日本では特殊検査施設に外注する必要があるが、アメリカでは院内で緊急項目として検査をしている。本症に有効な治療はないが,溶血発作を誘発しやすい上記薬剤の服用を避けること。
《参照》 副作用、 ST合剤

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