FDICの基金
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2006年2月8日、大統領のジョージ・W・ブッシュは連邦預金保険改革法に署名し、同法が成立した。この新法による主な制度変更点の1つは、FDICが運用する銀行保険基金(BIF)と貯蓄組合保険基金(SAIF)を統合し、預金保険基金(DIF)としたことである。BIFは長年にわたりFDICが運用してきた、一般の商業銀行向けの基金である。SAIFは1980年代の金融危機以降に創設されたものであり、その当時は財務基盤の弱い金融機関が多数加盟していた。これにより1990年代、SAIF加盟金融機関が支払う保険料は、BIFのそれの最大5倍になった時期もあった。 一方、1990年代も後半になると、米国の金融業界は安定を回復し、同時に業界・業態をまたぐ合併・再編が相次いだ。同様の保険機能であるにも関わらず、危機の残滓として2つの異なる基金が並存していたため、保険料率の低いBIFに金融機関が乗り換えるという事態を招いた。これは、双方の基金の準備金積立目標の達成に不公平をもたらしただけでなく、業務の煩雑化や保険機能の不明朗さを顕在化させた。 時の連邦準備制度理事会議長だったアラン・グリーンスパンはかねてからこの状態を批判していた。「このような価格差は、市場参加者がこれを利用して裁定取引をするように仕向けているだけだ。」とした上で、「このゲームを終わらせ、SAIFとBIFが統合」することを提案した。この他、1996年制定の連邦保険基金法があったが、部分的改革に留まっていた。
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