Ebox
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 07:22 UTC 版)
「Alpha 21264」の記事における「Ebox」の解説
Eboxは整数演算命令、ロード/ストア命令を実行する。2つの整数演算ユニットと2つのロード/ストアユニットと2つの整数レジスタファイルを持つ。整数レジスタファイルはそれぞれ80エントリで、うち31本はアーキテクチャ上のレジスタ、41本はレジスタ・リネーミング用、8本はPALcode用レジスタである。R31レジスタは常にゼロなので、レジスタファイル内のエントリを使っていない。 レジスタファイルはそれぞれ、整数演算ユニット1つとロード/ストアユニット1つに対応しており、それら3つをまとめて「クラスタ」と称する。2つのクラスタをそれぞれ U0 および U1 と呼ぶ。このような構成になっているのは、レジスタファイルのリードおよびライトのポート数を削減するためであり、結果としてレジスタファイルに必要なチップ面積を低減し、高クロック周波数での動作を可能とする。まるでマルチコアのような構成だがマルチコアではないので、レジスタファイルへの書き込みは常に同期を必要とし、結果として1%の性能ペナルティを生ずる。この性能ペナルティを補償するため、第一により高いクロック周波数で動作させ、第二にもう一方のクラスタが使用中のレジスタをオペランドとして必要とする命令を発行機構が発行しないようにして依存関係が発生するのを防いでいた。 2つのクラスタには2つの違いがある。U1には7サイクルのパイプライン化乗算器があり、U0にはマルチメディア拡張 (MVI) 命令用の3サイクルのパイプラインがある。MVIは Alpha ISA のSIMD命令拡張である。 ロード/ストアユニットは、メモリアクセスのための実効アドレス(仮想アドレス)を計算する単純な演算装置を含んでいる。これを単純な算術命令や論理命令の実行にも使用することができる。命令発行機構はこれを考慮しており、アドレス計算をしていない状態であればロード/ストアユニットに対してロード/ストア命令以外の命令も発行する。 Eboxには64ビット加算器が4つ、論理演算ユニットが4つ、バレルシフタが2つ、条件分岐命令用論理回路が2組あり、それらが U1 と U0 に同数ずつ配備されている。
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