EU域内での通貨の多様性の喪失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:26 UTC 版)
「イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票」の記事における「EU域内での通貨の多様性の喪失」の解説
欧州連合がさらに緊密になった場合、欧州連合内での公式通貨はどうなるであろうか。イギリス政府は、EUが多通貨連合であるということを欧州連合基本条約に明文化することを望む。そしてユーロがEUの公式通貨だとする条項を削除するよう求めている。だがECB総裁マリオ・ドラギは、EU内での単一通貨はユーロでありユーロ圏はさらなる統合の道を進むと断言している。イングランド銀行総裁マーク・カーニーは、(イギリスがEUに残留する場合は)EUが多通貨連合だという確固たる保証をEU側から得る必要があると発言した。 イングランド銀行の元総裁であるロスベリーのキング男爵は単一通貨ユーロを批判する。ドイツとギリシャの関係からもわかるようにユーロ圏内の単一の利子率によって必然的に競争力が失われてしまう。経済だけでなく政治的にも問題であり、欧州のエリート達は欧州債務危機を良いものだと考えているという。危機によって政治統合が進むであろうからだ。また、金融統合という無謀な決断が非民主主義的に行われたこと自体も極めて危険なことである。 キング男爵は以下のように述べる。「貨幣システムが機能するには国家観が必要です。中央銀行に動かされるような統治システムを構築してはなりません。」「今週私は大企業の社長さん達からの手紙を拝見しました。その方方は手紙の中でイギリスはEUに残留せよと述べていました。その方方のいくらかは、イギリスはユーロに加盟すべきだとまで言っていました。一体どうしてその方方の言うことを私たちは聞くべきなのでしょうか(聞くべきではありません)。」
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