DNAジャイレース
DNAジャイレース
(DNA gyrase から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/05/11 19:32 UTC 版)
DNAジャイレース (DNA gyrase)、もしくは単にジャイレース、あるいはDNAギラーゼとは細菌が持つDNAトポイソメラーゼII型の1種である (EC 5.99.1.3) [1]。
II型なのでDNA二本鎖の両鎖を切断することにより鎖を回転させねじれをとる働きをする〈記事DNAトポイソメラーゼに詳しい〉。細菌のDNA複製には欠かせない酵素の1つである。
例をあげると、大腸菌のDNAジャイレースは分子量115,000と95,000の2種のサブユニット2組の四量体を形成している。サブユニットの前者は遺伝子gyrA、後者はgyrBの産物である。
〈ニュー〉キノロン系抗生物質は真核生物のDNAトポイソメラーゼII型は阻害せず、細菌のDNAトポイソメラーゼII型〈すなわちDNAジャイレース〉のみを選択的に阻害し、生体に影響を与えずに細菌の増殖のみを阻害する。
DNAジャイレースの阻害剤は前述のキノロン系抗生物質の他に、クーママイシン (coumermycin) とノボビオシン (novobiocin) などが知られている。
DNAジャイレースもATP依存性の反応と非依存性の反応との両方を持つが、特にクーママイシンとノボビオシンはATP依存性の反応だけを阻害する点が特徴的である。
遺伝子変異による薬剤耐性の研究より、オキソリン酸 (oxolinic acid) およびナリジクス酸はgyrA産物と、クーママイシン、ノボビオシンはgyrB産物と相互作用することが知られている[2]。
脚注・出典
- IUBMB entry for 1.1.1.198(英語)
- BRENDA references for 1.1.1.198 (英語)
- PubMed references for 1.1.1.198(英語)
- PubMed Central references for 1.1.1.198(英語)
- Google Scholar references for 1.1.1.198(英語)
関連項目
外部リンク
- IUBMB entry for 1.1.1.198(英語)
- KEGG entry for 1.1.1.198(英語)
- BRENDA entry for 1.1.1.198(英語)
- NiceZyme view of 1.1.1.198(英語)
- EC2PDB: PDB structures for 1.1.1.198(英語)
- PRIAM entry for 1.1.1.198(英語)
- PUMA2 entry for 1.1.1.198(英語)
- IntEnz: Integrated Enzyme entry for 1.1.1.198(英語)
- MetaCyc entry for 1.1.1.198(英語)
- Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語)
「DNA gyrase」の例文・使い方・用例・文例
- ヘリカーゼの役割はDNAの解ねんである。
- 彼は形質転換されなかった細胞からDNAを抽出した。
- 新しいDNA証拠が出たのでその事件は再捜査中である。
- ゲノムのDNAの数
- 2本の鎖からなるDNA
- 組み換え DNA.
- DNAは私たちの遺伝子の物質である
- 識別の目的で人の体組織または体液のサンプルでDNAを分析する手順
- 同じまたは近縁種の別の細胞からDNAを導入することによって(細菌性細胞を)遺伝学的に異なる細胞に変える
- 外来性DNAの摂取や合併による細胞またはバクテリアの一時的変異
- (DNAのらせん構造)にある遺伝情報をRNA、特にメッセンジャーRNAのらせん構造に変換する
- 科学者はDNAを組み変えるべきであるか
- DNAは再結合できる
- 1つの細胞に通常のDNA量を有する有機体または細胞
- 人間のb型肝炎を引き起こすウイルスと同様に、カモ、ウッドチャックそしてリスとその他のウイルスを含む動物のDNAの群
- 1ビリオンあたり2つの単一らせん構造の線状RNA分子と(RNAからDNAへの)逆転写酵素から成るウイルスのグループの総称
- 20面体のタンパク質の殻の中にDNAを含み、犬と牛の疾患を引き起こす一群のウイルスの総称
- DNAを細胞へ運ぶのに使用されるさまざまな他の媒介物
- 非反復的なDNA配列
- 既知のDNAまたは遺伝子配列に関して染色体の特定の領域に配置する
- DNA gyraseのページへのリンク