DESに代わるアルゴリズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/25 00:19 UTC 版)
「Data Encryption Standard」の記事における「DESに代わるアルゴリズム」の解説
DESについては安全性とソフトウェアによる処理が相対的に遅い点が懸念され、1980年代末から1990年代初めごろから研究者らが様々なブロック暗号を代替案として提案してきた。例えば、RC5、Blowfish、IDEA、NewDES、SAFER、CAST5、FEALなどがある。その多くはDESと同じ64ビットのブロック長で、そのまま代替として使えるようになっているが、鍵には64ビットか128ビットを使っているものが多い。ソビエト連邦ではGOSTアルゴリズムが導入された。これはブロック長64ビットで256ビットの鍵を使っており、後にロシアでも使われた。 DES自身をもっと安全な形にして再利用することもできる。かつてDESを使っていたところでは、DESの特許権保持者の1人が考案したトリプルDES (TDES) を使っている(FIPS Pub 46-3 参照)。この方式では2つ (2TDES) ないし3つ (3TDES) の鍵を用いて、暗号‐復号‐暗号の順でDESを3回行なう事で暗号化する。TDESは十分安全だが、極めて時間がかかる。それほど計算量が増えない代替方式としてDES-Xがあり、鍵長を長くしてDESの処理の前後で外部鍵をXORする。GDESはDESの暗号処理を高速にする方式だが、差分解読法に弱いことが分かっている。 その後NISTがDESに代わる米国標準暗号方式 Advanced Encryption Standard (AES) を公募した。そして2000年10月、ベルギーのホァン・ダーメン(英語版)とフィンセント・ライメンにより提案されたRijndael(ラインデール)が新しい米国標準暗号方式AESに選ばれた。トリプルDESのようなad-hocな方法で設計された暗号方式とは異なり、AESはSPN構造と呼ばれるより整備された構造を持つ暗号方式である。公募には他にRC6、Serpent、MARS、Twofishも応募したがどれも選ばれなかった。AESは2001年11月に FIPS 197 として正式に公表された。
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