Compression Ratioとは? わかりやすく解説

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圧縮率

読み方あっしゅくりつ
【英】compression ratio

圧縮率とは、圧縮ツール利用してファイル圧縮した際の、圧縮される前のデータサイズと圧縮された後のデータサイズの比率のことである。一般に非可逆圧縮用いると高い圧縮率を得ることが可能である。

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コンプレッションレシオ

英語 compression ratio

ピストン下死点にあるとき、ピストンより上方空間容積と、ピストン上死点にあるときのそれとの比をいう。圧縮比とも呼ぶ。ひとつのシリンダー行程容積Vhとし、ガスケット部分も含む燃焼室容積Vcとすると、圧縮比=(VcVhVc=1+Vh/Vcと定義される理論サイクルにおいては圧縮比増大とともに熱効率増大するが、現実エンジンではノッキング発生冷却損失増大のため、自然吸気(NA)のガソリンエンジンでは15限界である。以前は9以下が常識であったが、燃焼室改良などにより、最近では10.5前後普通になっている。今日のF1エンジンでは13程度用いられている。これに対してディーゼルエンジンでは着火温度を得るため圧縮比高くかつては20以上が主流であったが、現在では排気清浄化や騒音低減の点からこれより低く設定される

コンプレッションレシオ

参照 クリアランスボリューム
※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

圧縮比

(Compression Ratio から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/11 00:18 UTC 版)

圧縮比(あっしゅくひ、: Compression Ratio、CR)とは、内燃機関および外燃機関の内燃室(ないねんしつ)において、最も容積が大きくなる時の容量と、最も容積が小さくなる時の容量の比率を表す値であり、一般的な熱機関の基本的な仕様となる値でもある。

概要

レシプロエンジンにおいては、内燃室はシリンダーピストン燃焼室で構成される。ピストンがシリンダー内部で上下動する時、ピストン下死点の時に内燃室容積は最大となり、ピストン上死点の時に内燃室容積は最小となる。この比率がそのエンジンの圧縮比である。[1]

例えばシリンダーが900 cc、燃焼室が100 ccの容積を持ち、なおかつ平坦なピストントップのピストンを用いていて、ピストンが下死点にある時に内燃室全体が1000 ccの容積を持つ単気筒エンジンを例[2]に取ると、ピストンが上死点に達するとシリンダー内の容積は1000 ccから燃焼室そのものの容積である100 ccまで圧縮される。この時、内燃室の最大:最小容量比は 1000 : 100 となり、圧縮比として表すと 10 : 1 となる。

エンジンがより高い熱効率を発揮して、同じ量の混合気からより大きな運動エネルギーを取り出すためには、圧縮比は高い方が理想的である。圧縮比が高ければ高いほど、排気量と投入燃料量が同じでもピストンを押し下げる圧力が大きくなるためである。一般的に、同じ系列のエンジンでも高い圧縮比のエンジンは低い圧縮比のエンジンより高出力・高トルクである場合が多い。

しかし、高い圧縮比を持つガソリンエンジンは、品質の悪い燃料を使用した場合にノッキングを起こしやすくなる。これが余りにも酷くなるとプレイグニッションデトネーションといった異常燃焼に発展し、最終的にはピストン溶損などのエンジンブローに至ってしまう。これを防ぐためにはハイオクガソリンを用いるか、点火時期を通常よりも遅らせることが必要になる。1970年代後半に電子制御式燃料噴射装置が登場すると、エンジンにはノッキングを検出して自動的に点火時期を遅らせるためにノックセンサーが多くの車両で用いられるようになり、アメリカでは1996年にOBD2準拠のECUの搭載と同時にノックセンサーの搭載も義務付けられるようになった。

点火時期を遅らせるということは、それだけ混合気の膨張エネルギーのロスも大きくなるため、馬力やトルクの低下に繋がる。そのため、ガソリンエンジンにおいては極端に高すぎる圧縮比は点火時期設定の制約が大きくなり、却って性能低下に繋がるという事態になる。

その一方で、圧縮点火機関であるディーゼルエンジンは、圧縮力によって燃料を自然発火させる構造上、ガソリンエンジンでいうノッキングを意図的に起こすことで点火するため、ガソリンエンジンよりも高い圧縮比を設定することが可能となる。故に、高圧縮比に耐えるエンジンにせざるを得ないと言うコスト面でのハンデはあるものの、ディーゼルエンジンの方がガソリンエンジンよりも熱効率に優れるという結論ともなる。

定義式

圧縮比は以下のような式で求められる。

この節の正確性に疑問が呈されています。 問題箇所に信頼できる情報源を示して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。2013年1月
疑問点:英語版と矛盾した記述

点火プラグを用いない圧縮点火機関であるディーゼルエンジンは圧縮上死点にて燃焼室に噴射ポンプを用いて直接燃料を噴射し、圧縮によって得られる高温によって着火させるため、ガソリンエンジンの限界とされる圧縮比 14:1 を大きく超えることが普通である。

ディーゼルエンジンの適切な圧縮比は燃料噴射方式とシリンダーヘッドの副燃焼室形状、ピストンキャビティ(主燃焼室)形状などに依存するため、旧式の副燃焼室式エンジンでも 20:1~22:1 前後、コモンレール式登場以前の直接噴射式エンジンでは 18:1 から 20:1 前後の圧縮比が採用されることが一般的であった。ターボエンジンでも、ガソリンエンジンと違い、過早着火の心配がないため、圧縮比を下げる必要がなく、高圧過給による熱効率の向上が可能である(ただし構造物の強度上の過給圧の限界はある)。

ただし、現在ではエンジン自体の軽量化や排気ガス性能の向上のため、圧縮比を下げる傾向がある。マツダのSKYACTIV-Dには圧縮比 14:1 のものも存在する。

圧縮圧力の測定によるエンジンの診断

エンジンの状態を診断するために点火プラグを取り外してコンプレッションテスター(圧力計)を接続し、クランキングすることで圧縮圧力の測定を行い、エンジンを分解することなくシリンダーヘッドピストンリングの状態診断を行うことが出来る。

シリンダーの圧縮圧力から圧縮比を知ることは不可能であるが、カタログに記載されたスペック表などから圧縮比が判明している場合や、チューニング後に圧縮比を計算や測定で算出している場合など、エンジンの圧縮比が事前に分かっている場合には、以下の計算式から燃料に点火爆発しない場合の上死点における圧縮圧力を求めることが出来る。

この節の加筆が望まれています。

総合圧力比と圧縮比の関係

チューニングによる圧縮比変更

エンジンのチューニングにより圧縮比が変わるのは、大まかに以下のような場合である。

  1. ピストン変更 - ピストンヘッドの切削・交換。
  2. 大幅なボアアップ
  3. 燃焼室の加工 - 肉盛り(高圧縮比)・切削(低圧縮比)。シリンダーヘッドの面研。
  4. ヘッドガスケットの変更 - ガスケットの厚みを変更する。薄いと高圧縮比、厚いと低圧縮比。

チューニングをする際には、現状の圧縮比を知る必要がある。圧縮比がなければ、エンジンの性能と耐久性を確保できないからである。たとえば、高圧縮比のエンジンでは、ピストンヘッドや燃焼室内壁、ポペットバルブにすすが堆積し、次第に内燃室最小容積が減少、圧縮比が自然増大する傾向を示す。そのため耐久性を重視したチューンの際には圧縮比を過剰に上げすぎないようにする。レーシングエンジンには極端に高圧縮比のものが存在するが、それらはレースごとのオーバーホールによって性能を保っている。

市販状態から圧縮比を変更する際は、エンジンのスペック諸元を入手すれば現在の総排気量と圧縮比、ボア・ストロークを知ることができる。例えば総排気量105 cc、圧縮比 9.5 : 1 の単気筒エンジンの場合には、圧縮上死点の際の内燃室最小容積は約11 ccと推定出来る。チューン済みのエンジンでは、バルブを閉じた状態で燃焼室に灯油などを満たしてその容量を量ることで、燃焼室容積を算出できる。変更後は改めて、液体を用いて圧縮比を得る。

旧車のチューンにおいては、純正品の入手困難により他エンジンのピストン流用が行われるが、その際の圧縮比変化量が作業前に分からないので、組み付け後の測定とそれに応じたピストン再加工が繰り返し必要になる。

OHCエンジンでガスケット変更やシリンダーヘッド面研による圧縮比変更を行った場合は、その変更した厚さに応じてストロークが変化するため、バルブタイミングや点火時期も厚さが変化した分ズレが生じる。このようなガスケット組み付けや面研作業後には、カムスプロケットの調整によるバルブタイミングの変更や、ディストリビューターやカムポジションセンサーの調整による点火時期変更を適切に行わなければ、本来の性能を発揮できなくなり、変更前より性能が低下する場合がありうる。

なお、圧縮比を調整する手法としては他にも複数枚のガスケットと標準の指定よりネジ部の長いプラグを組み合わせる手法も存在する[6]が、点火位置がズレることに伴い点火時期にもズレが生ずるうえ失敗した場合プラグとピストンの接触も起こりうる。

サーブの可変圧縮エンジン

通常のレシプロエンジンではシリンダーボア、ストローク、燃焼室容積は(すすの付着によるわずかな減少を除けば)常に一定であるため、圧縮比も常に一定であるのが普通である。これは例えノッキングでエンジンに損害が出た場合であっても変わることはない。

但し、サーブ実験用エンジンとして研究を進めているSaab Variable Compression engine (SVC)では、エンジン内部の燃焼状態に応じて直接的に内燃室の容積を変更して、圧縮比を変える機構が用いられている。

その機構とは、オートバイエンジンのようにクランクケースとシリンダーを別体式とし、シリンダーとクランクケースの接合面の片側に蝶番を設け、もう片側に油圧式のアクチュエーターを配置してシリンダーそのものを上下させることで、内燃室容積全体を変化させるというものである。[7]

可変圧縮比エンジン

サーブのSVCは近代的で高度な技術力で可変圧縮比を実現した一例だが、このような機構の可変圧縮比エンジン(Variable Compression Ratio/VCR)のアイデア自体は、1920年代にHarry Ricardoによって最初に考案された。彼のアイデアは当時は技術力が追いつかなかった上、その後ガソリンエンジンはガソリンのオクタン価を調整してノッキング対策を行う方向に向かったために当時は実用化には至らず、サーブの手により再び世に現れるまでは自動車工学界でも長年忘れ去られていた技術だったのである。

サーブはこの研究を更に進めて、ガソリンエンジンでありながらディーゼルエンジンに比肩する燃焼効率を持つエンジンを開発することを目指してOffice of Advanced Automotive Technologiesという研究機関を立ち上げ、日産ボルボPSA・プジョーシトロエンおよびルノーなどが共同研究に参加していたが、2016年に日産が実用化し量産車への搭載を開始した。詳細は別ページの可変圧縮比エンジンを参照。

なお、アトキンソンサイクルエンジンもこうした可変圧縮比を実現するための最初の試みの一つであった。

脚注

  1. ^ Encyclopedia Britannica, Compression ratio, http://www.britannica.com/EBchecked/topic/130313/compression-ratio 2009年7月21日閲覧。 
  2. ^ なお、この例ではヘッドガスケットの厚さなどのクレビスボリュームは考慮していないので注意されたい。
  3. ^ このような手法を採ることで、燃焼室形状自体には手を付けることなく圧縮比を調整することが可能となるため、チューニングでピストンを交換する際には交換前後のピストンヘッド側のへこみの容積の把握も重要となる。
  4. ^ 4ストロークエンジンはピストン下死点で既に吸排気バルブが閉じており、この状態での容積を総排気量として圧縮比の計算を行えるが、2ストロークエンジンの場合はピストンが下死点から上昇しても吸排気ポートが開いている関係上ポートから圧縮圧力が逃げてしまう。そのため排気ポートが完全に閉じるポートタイミングを基点に総排気量を決定する必要があるので、2ストロークは同じボア×ストロークのシリンダーでも実質的な総排気量が低下してしまう=計算で算出される圧縮比も低下してしまうのである。
  5. ^ ヤマハ・DT50の国内仕様及び現行欧州仕様の諸元比較
  6. ^ プラグによる簡単な圧縮比UP
  7. ^ Saab Variable Compression engine Archived 2005年3月11日, at the Wayback Machine.

関連項目

外部リンク


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