CDC 6600 との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 10:16 UTC 版)
「CDC 7600」の記事における「CDC 6600 との関係」の解説
7600はハードウェアも命令も60ビットワード長も6600と共通の特徴を有するが、CDC 6600とオブジェクトコードレベルの互換性はなかった。さらに、完全なソースコード(COMPASS)互換でもなく、いくつかの命令は追加され、いくつかの命令は削除されている。当初 CDC 6800 と名付けられたが、完全な互換性が提供できないためクレイ自身が 7600 へと改称することを決定した。しかし、オペレーティングシステムの設計により、6600と7600のソフトウェア環境は(細かい差異はあるが)ほぼ同様のものとなった。 おおまかに言って、7600は6600によく似ている。当時、メモリは個別のアクセス経路を持つブロック群として構成でき、クレイの設計はその点を活用したものであった。多くのマシンが単一のCPU上でシステムの機能を実行していたのに対して、クレイはCPUが処理している間、メモリが何もしていないことに注目した。この時間を活用するため、6600と7600では、出力のプリントアウトやパンチカードの読み取りなどといった仕事を10個の(CDC 160A ベースの)12ビットマシンである「周辺プロセッサ(PP)」に任せた。マシンはサイクル毎にいずれかのPPが制御を受け持ってメモリにデータを供給し、その間にCPUは計算をし続ける。あるサイクルが終わると、次のPPに制御が渡される。この方式ではメモリは常にデータが書き込まれ、それをCPUが使うことができ(周辺装置による遅延をCPUが待つ必要がない)、CPUは算術演算に専念して他のことをする必要がないのである。 6600と同様、7600は60ビットのワード長で、命令長は15ビット(長い命令もある)であった。しかし、メモリのレイアウトが変更されたために命令セットは変更されており、6600との互換性はない。それでもよく似ていたので、コンパイラやオペレーティングシステムを移植するのは難しくなかった。このマシンは、リリース時にはソフトウェアが存在しなかったため、導入したサイトでは自前でオペレーティングシステム(LTSS(Livermore Time Sharing System)、NCAROSなど)やコンパイラ(LRTRAN:FORTRANのリバモア版であり、動的メモリ管理機能など特殊な機能を備えていた)を書く必要があった。
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