C56形の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 03:38 UTC 版)
「国鉄C56形蒸気機関車」の記事における「C56形の開発」の解説
上記のとおり本線より著しく低規格な簡易線には、大型機関車は入線できない。このためまず短距離線区向けには1932年(昭和7年)にタンク式のC12形が開発された。軽量で前後進の容易な小型機である。 しかし比較的長距離の線区では、C12形では石炭と水の搭載量が少ないので、運用に適さない。このためC12形から水槽と炭庫をはずし、テンダー式に設計しなおされたのがC56形で、両形式は共通部分の多い系列設計となっている。これは制式蒸気機関車系列化の先達であるドイツにおいて支線区向けに設計された、64形タンク機と24形テンダ機の設計手法を参考にしたと思われる。両形式は形態もC12形、C56形にそれぞれ類似している。 当時は簡易線には、転車台が設置されている箇所が少なかった。C12形はタンク機関車のためバック運転(逆機)は容易であるが、C56形はテンダー機関車のため後方が見にくくならないよう、炭水車の炭庫側面を大きく欠き取って後方視界を確保したスタイルが特徴的である。しかし、実際にはC12形と異なり従輪がなく、逆機時の走行特性が著しく低下した。これが原因で脱線が多発したため、低速での入換を除けば、逆機はあまり行われなかったといわれている。
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