BE 48・53
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 04:02 UTC 版)
「ロールス・ロイス ペガサス」の記事における「BE 48・53」の解説
垂直離着陸可能な重航空機としては、まず第二次世界大戦中にヘリコプターが実用化されたものの、回転翼機では前進時に効率が悪く、固定翼機としての垂直離着陸機(VTOL機)が求められることになった。フランスの航空技術者であるミシェル・ウィボー(フランス語版)は、エンジンの推力を偏向する手法(ベクタード・スラスト)に着目しており、1956年には、ジロプテール (Gyroptere) という対地攻撃機を提案した。これはブリストル社のオライオン ターボプロップエンジンのシャフトによって、機体の重心付近に自動車の車輪のように配置した4個の遠心式ブロアーを駆動し、その排気ノズルを回転させて垂直離着陸を行うものであった。 この案そのものはフランス当局・メーカーともに採用しなかったが、オライオンの製造元であるブリストル社のスタンリー・フッカー技師がこれに注目し、遠心式ブロアーのかわりに軸流ファンと2個の可変ノズルを設けたBE 48エンジンを設計した。ついで1957年に設計されたBE 53エンジンでは、コア(ガスジェネレータ)をオーフュースに変更し、オリンパスから導入した前部ファン(低圧圧縮機)を駆動して、二股ダクト式の推力偏向ノズルを備えていた。 この時期、ホーカー社のシドニー・カム技師長はV/STOL技術の研究を進めており、このBE 53に着目して、まず1957年にこれを搭載したP.1127/1を設計した。しかしBE 53で偏向できるのは前段の排気のみであり、後段の排気はそのまま後方に指向されていたため、VTOL用エンジンとしては不完全であった。
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