ATMの仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/10 01:42 UTC 版)
「Asynchronous Transfer Mode」の記事における「ATMの仕組み」の解説
ATMは回線交換方式とパケット方式両方の長所を取り入れている。データをセルに組み立てる点ではパケット方式に似ているが、ATMセルはイーサネットパケットとは違い固定長であるためセルの先頭を識別することが容易であり、宛先をハードウェアで処理することで交換機内でのタイムロスを減らしている。 なお、回線交換方式のように回線を占有することは無い。 回線交換とパケット交換の方式間の特性差を解消するため、データは仮想回線識別子の付いた53オクテット固定長のセル(5オクテットはヘッダー、48オクテットはペイロード)に割り付けられて送出される。高ビットレートの情報はセルを多く送り、低ビットレートの情報はセルを少なくして送るので回線を有効に利用できる。 ATMは上位層との整合のためにデータリンク層に副層が設けられており、ATM 適合層 (ATM Adaptation Layer : AAL) といわれる。上位層(主にTCP/IP)をペイロードに組み立てる方法に応じAAL1からAAL5までの4種類が存在するが(AAL3と4は統合された)、現在使われているのは主にAAL5である。AAL5はATMの長所を生かすために紛失セルの再送要求は行なわず、上位層が紛失セル(もしくはパケット)を処理する。 AAL5は同期を必要としないが、実際の運用ではATM網全体で同期を取っている。つまりここでの非同期というのはセルの送出についてであって、キャリアとなっている低レベルのビットストリームのことではない。
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