ANM176の生理作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/31 04:01 UTC 版)
「ANM176」の記事における「ANM176の生理作用」の解説
ANM176は、臨床試験でもアルツハイマー病の改善に有用である可能性が示されている。ANM176を使用した143名のアルツハイマー病患者の認知機能を3ヵ月ごとに認知機能評価法ADAS-Jcogを用いて評価し、98名は9ヵ月後まで評価した。その結果、軽度から重度まで、どんな進行程度であってもANM176使用者の9ヵ月間の悪化率の平均値は公表された悪化率より抑制されていること、さらに、進行程度が軽度ほど抑制効果が高いこと、また、認知症の医薬品であるドネペジル(アリセプト、エーザイ)を1年以上使い続けて抑制効果が感じられなくなったケースでもドネペジルにANM176を上乗せすることによって再び抑制効果が現れることが確認された。ANM176は、Aβ神経毒性を相乗的に抑制するフェルラ酸 とガーデンアンゼリカの根に含まれる12種のクマリン類が一定量に規格化されている。フェルラ酸は高齢によるストレス耐性の低下を抑制し、ガーデンアンゼリカのAβ神経毒性抑制12成分中の一部のクマリン類には幅広い抗炎症作用がある。 これらフェルラ酸とガーデンアンゼリカのAβ神経毒性抑制12成分それぞれの単独ではアルツハイマー病用として不十分と考えられる。その理由は、フェルラ酸は100年以上前から認知症の改善に可能性があると言われていたが、それを示す臨床試験報告は見当たらない。また、ガーデンアンゼリカと同じ属のトウキは古くから健忘に有効と伝承されていたが漢方文献は見当たらない。トウキが処方された当帰芍薬散がアルツハイマー病に有効なことを示す文献はあるが、認知症用として一般に利用されていない。これらの背景には、トウキに含まれるAβ神経毒性を抑制する13成分の含量が極端にバラつくことにあるのではないかとINM176とANM176の開発プロセスにおいて考えられるようになった。つまり、アルツハイマー病発症には多く因子が関与していると言われており、実際に役立つためにはフェルラ酸だけでなくガーデンアンゼリカのAβ神経毒性抑制12成分も不可欠と考えられる。
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