AGA遺伝子検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 15:58 UTC 版)
AGA遺伝子検査は男性ホルモン受容体であるアンドロゲンレセプター(AR)のDNAの塩基配列を調べることによって行われる。DNAの解析は、主に毛髪、爪、頬の粘膜、血液などの検体から、DNAを抽出して検査される。必要量が取れれば、検体の種類による検査結果の正確性に違いはない。主に一部の医療機関で受けることができるほか、自宅で頬の粘膜等を採取し、検査機関に送ることでも調べることができる。 現在日本で行われているAGA遺伝子検査は、主にAR上の「c,a,g」という三つの塩基と「g,g,c」の三つの塩基が繰り返す数、いわゆる「CAGリピート」と「GGCリピート」数の合計を調べる検査である。GAGリピート数+GGCリピート数の基準値を38とし、それより少ない場合は「AGAリスク大」、多い場合は「AGAリスク小」と判定されている。 1998年に報告された、48名の男性と60名の女性を対象にした比較的小規模な試験で、AGA患者でCAGリピート数が少なかったとの報告があったため、日本ではAGAの遺伝子検査と称して、主にCAGリピート数が調べられるようになった。しかし、その後、過去に行われた8つの研究をメタ解析し、2074名のAGA患者と1115名のコントロールを比較した結果、CAGリピート数、GGCリピート数とも、AGAリスクに関しての相関は認められなかった。 2021年7月12日、あすか製薬株式会社は「毛髪ホルモン量測定キット」の一般販売を開始した。毛髪ホルモン量測定キットはAGAリスクを測定できる検査キットであり、5本の髪の毛を採取して返送用封筒にて検査機関へ送付することで、毛髪中のDHT量を測定でき、将来的にAGAによる薄毛を発症する可能性が把握できる(3cm以上の毛髪を5本以上。長さが足りない場合は10本以上採取する)。
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