AGB星の星周エンベロープ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:43 UTC 版)
「漸近巨星分枝」の記事における「AGB星の星周エンベロープ」の解説
AGB星の大きな質量喪失は、広がった星周エンベロープ(英語版) (CSE, Circumstellar envelope) に囲われていることを意味する。約100万年というAGB星の平均寿命と10km/sという外層部の速度から、CSEの最大半径は約30光年と推定される。これは、恒星風が星間物質と混合し、恒星と星間ガスの速度が等しくなる最大の値である。CSEの温度はガスや塵の比熱によって決まるが、2000Kから3000Kの温度を持つ光球からの距離に従って低下する。 AGB星の恒星風は、しばしばメーザー放出も伴う。メーザーとなる分子は、一酸化ケイ素、水、ヒドロキシルラジカル等である。 これらの恒星が外層をほぼ失って核のみが残った後、短寿命の原始惑星状星雲になることがある。AGB星の外層は、最終的に惑星状星雲等になる。
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